改善計画
26歳Hさん。初潮を迎えた頃からずっと生理不順。
しかし昨年の春に起こった不正出血は今までのものとは異なるものでしたので、婦人科を受診されました。その結果、「卵巣が少し腫れている」との診断を受け、しばらく様子を見るように言われたようです。
ところが半年後、また不正出血があり下腹部に違和感を感じたために別の婦人科を受診。
そこで何と卵巣嚢腫と診断され、MRIにより5cmほどの嚢腫が確認されたのです。Hさんはまさかの現実に呆然とし、さらに医師より手術を勧められ、ショックを受けたのでした。
まだ26歳であること、未婚であること、にこの現実は辛いことでしょう。手術は最後の手段にしたく、今は手術せず改善のためにできることを、と漢方による症状治療と体質改善をしたい、と希望されたのでした。
Hさんには、生理痛、冷え症、頭痛、肩こり、などの「お血」の症状、むくみ、尿やおりものが黄色、吹き出物、夢を良く見る、などの「痰湿」の症状、イライラ、怒りやすい、などの「肝鬱」の症状がありました。
さらに冷たいもの、甘いもの、油っこいもの、辛いもの、肉を良く好み、食しているようです。これらはHさんの症状の原因となる「お血」「痰湿」を増強してしまうものばかりです。
Hさんには、それらの食事をなるべく控えるようにしてもらいつつ、漢方薬にて「お血」「痰湿」「肝鬱」を改善するように今後の計画をたてました。
まず初めの1ヶ月間に服用をおすすめした漢方薬は「桂枝茯苓丸」「星火逍遥丸」です。
それらを1ヶ月続け、「生理痛が軽減した」「吹き出物が少なくなった」など何か変化があるか、全く変化がないか、を確かめます。それは人によって、漢方薬に対する反応が様々であるからです。もう少しお薬を加えた方が良いのか、変えた方が良いのか、を状況によって判断するのです。
そして徐々にたくさんある症状が改善していけば、体質が改善され、それが元となって出来てしまった卵巣嚢腫も進行を止め、手術の対象にならなくなるかもしれません。途中で諦めずに年単位で続けていくことができれば、その改善も現実のものとなります。
まだ若いHさんには、この改善計画はしばらく続けて欲しいですね。