産後の体調変化

産後、今までの体質がすっかり変わってしまう話はよく耳にします。

例えば、「胃下垂が治った」「冷え性が治った(になった)」「むくむようになった」「生理痛がなくなった」などなど。良くなることもあれば悪くなることもありますが、その違いは、「出産時の状況」や「産後の養生」によるものでしょう。

33歳Aさん。出産まで順調だった生理が産後授乳を終えてからも回復せず、不順になってしまいました。さらに冷え性が悪化し、顔色や爪の色が悪くなってしまいました。

Aさんの症状は、「夢をよく見る」「立ちくらみ」「耳鳴り」「肩こり」「便秘」「冷え症」「肌乾燥」「月経不順」などから「気」も「血」も不足していることがわかります。

この「気血両虚」の状態は、産後誰しもが陥るものですが、産後しっかり養生することにより「気」と「血」を養い、「出産後老けた」と言われないようにすることは可能です。反対にしっかり「気血」を補うような養生ができていなければ、様々な不調が後から現れてくることになります。

Aさんの場合もおそらく産後に無理をしたために「気血両虚」が進行してしまったのでしょう。しかし産後1年以上経った今からでも遅くはありません!しっかりゆっくり時間をかけて漢方と生活スタイルの改善をすることにより、「気血」を補っていけば大丈夫です。

その改善のために「婦宝当帰膠」と「加味逍遙散」を続けてもらうようにしました。

もちろん、漢方を服用してもらいながら月経来潮の有無を確かめ、都度症状に合わせてお薬を加味したり、変えたりしていきます。そしてAさん自身の力で月経が来るように、2人目が授かるように、さらに授かっても大丈夫な体になるように、手助けをしていきます。

お薬を服用し始めて1ヶ月、45日目で来朝しました。次周期はもう少し短い周期で来朝するようになるでしょう。

自覚症状の「冷え症」「肩こり」はまだあるようですが、顔色が少しよくなり、肌の具合も良くなってきているようです。もう少し続けて「気血」を補充すれば、以前の元気なAさんに戻ることでしょう。