桃の葉の秘密

桃の葉湯は古くから皮膚病に効くことで有名です。アセモ、ニキビ、アトピーなどの皮膚病のつらい症状を和らげてくれます。

ここ最近、梅雨入りしたためにムシムシする毎日が続いています。そのためにお子様のアセモにてお困りで来店される方が多くなっています。

そんな時、私達は、桃の葉を処方します。「桃の葉湯」を作ってもらい、それを混ぜたお風呂にアセモができてしまったお子様を入れてあげるのです。

桃の葉の成分には、フラボノイド、ニトリル配糖体、タンニンなどがあります。桃の葉は、炎症を沈め、皮膚を正常な状態に回復してくれます。その成分が入った「桃の葉湯」を利用することで、皮膚の様々な症状の改善に効果を発揮してくれます。アトピー性皮膚炎にも桃の葉の入浴法は効果的です。

<桃の葉湯の作り方>

1.搾取して十分乾燥させた桃の葉10~30gと大きめの鍋を用意する。

2.鍋に水600ccと乾燥葉を入れ、沸騰するまで強火であとはとろ火にして30分間煮出す。

3.出来上がった煎じ液を風呂に入れ、よくかきまぜる。

*煎じ液をたっぷり作って、直接患部につければ、さらに効果的です。

太っていることが原因

33歳Tさん。

結婚前から少し太り気味でしたが、結婚してからもどんどん太り、体が重く、疲れることが多くなりました。それに加え、第2子になかなか恵まれず。

その頃、Tさんの体重は160cmで70kgでした。

体が太っていると、卵の育ちが悪くなりますし、仮に妊娠されても妊娠中毒になりやすくなります。妊娠された後のことを考えても、体重の制限は必須です。

Tさんの場合は、「妊娠しやすい母体作り」として、まずは「痩せること」を一番の治療としました。漢方でも痩せるようにコントロールはできますが、ゆっくりとした治療になってしまいますので、近道が良いとのTさんのご希望で、「マイクロダイエット」による体重の制限を行うことにしました。

この結果、3ヶ月でマイナス9kg!

3月からマイクロによるダイエットを行われ、6月には9kgの減量完了。その後すぐに第2子を妊娠されました。

体が太っていたために溜まっていた「痰湿」が、痩せることにより取り除かれ、その結果、よい卵が育ち、妊娠への道が開かれたのです。

少し体重がオーバーされている方で、なかなか妊娠できない方は、太っていることが原因で妊娠しにくい体になっていることが多いものです。まずは、体重のコントロールをされることをおススメします。

赤ちゃんのご馳走

「たっぷり」の「質の良い」お乳。

これが、赤ちゃんのご馳走です。

ストレス社会の現代では、お母さんのお乳の出が悪いことが多く聞かれます。赤ちゃんが大きくなっていくときに、風邪などの菌にやられないような強い体になるには、お母さんの質の良い母乳が大切なのです。

初めの頃の母乳には、赤ちゃんが必要とする「栄養分」そして「免疫力を高めるもの」、がたくさん入っています。反対に1年以上経った母乳は、決して質の良いものとは言えません。なるべく1年くらい経ったときに、時期を見て、「乳離れ」をさせてください。

そのように1年経ってもたくさん出ている場合は良いのですが、初めから「赤ちゃんのご馳走」がちっとも出ない方、少ない方がおられます。

私達はこのような方に、「牛蒡子(ごぼうし)」を処方します。以前は、「タンポポ」を処方しましたが、今は「牛蒡子」が主流になっています。民間では、「味噌汁を飲むと出が良くなる」と言っていたようですが、日本の「味噌」は塩分が多すぎて、返って良くないようです。

「牛蒡子」に併せて「婦宝当帰膠」を服用してもらうことをお勧めしています。是非、「少し出が悪いな」、「少ないな」、と思われる方は、お試しください。

ただ、決して「出ない」「出にくい」ことを気にしすぎないでください。気にしすぎることがまたストレスとなり、もっと出にくくなります。子育ては、力を抜いて、ゆったりと・・・、です。

右と左

昨日お電話にて「妊娠検査薬が陽性になった」と報告がありました。本日はお母様が来店され、「こんなに早く結果が出るなんて、信じられない!本当に嬉しい!」とのお言葉をいただきました。

32歳のYさん。昨年末より漢方を飲まれての妊娠です。

Yさんは、生理の周期が遅い、「遅発月経」です。周期は、32日~36日。32日の周期と36日の周期が交代にやってくるタイプです。これは、右の卵巣と左の卵巣の働きが異なることから起こっている症状です。

全ての人ではないのですが、多くの人は月ごとに排卵は右卵巣と左卵巣が交代で行われています。Yさんの場合は生理の周期で、はっきりそれが交代で行われているのがわかりました。

32日の周期であれば、「遅発月経」にはならないのですが、36日になればやはり「遅発月経」ということになります。Yさんの場合は、低温期が長いタイプでしたので、卵胞が育ちにくかったわけです。それにターゲットを当て、卵胞がしっかり育つようなものと排卵がスムーズに行くようなものを処方しました。

結果、32日周期の方の卵巣にて作られた卵が良いものとなり、今回嬉しい結果となりました。

「遅発月経」、「早発月経」のどちらでも、質の良い卵はできにくいものです。もし、生理の周期が「少し早め」、「少し遅め」だと感じる人は、早めの治療を心がけてください。

流産の可能性

結婚暦13年目のNさん35歳。

今まで自然妊娠にて6週目で流産を2回繰り返されていました。その原因は、抗リン脂質抗体が陽性であったためでした。これがわかったのは2回目に流産された時でした。

抗リン脂質抗体が陽性であった時の産科の所見としては、「反復流産」があります。「妊娠中・後期の子宮胎児死亡」、「重篤な妊娠中毒症」、「血栓症」、「子宮内胎児発育遅延」、「自己免疫疾患または膠原病」がある場合はその疑いがあります。

抗リン脂質抗体が陽性の人には、低用量のアスピリン療法をされますが、その療法の役割は依然として不明であるのが現実です。抗血小板作用は動脈血栓の予防にはなりますが、不育症に対して臨床的に有効かというデータはほとんどないということも言われています。

それに対してペパリン療法の不育症の治療の有効性は多く報告されており、スタンダードになりつつあります。

Nさんの場合は、高温期にのみアスピリン剤であるバファリンを服用されていました。それに加えて、漢方薬を服用され、4周期目にて自然妊娠されました。

今回は何とか流産せずに持たせたい!

即、産婦人科に入院され、止血剤、黄体ホルモン剤注射、カプロシン(ヘパリン)の皮下注射、バファリンの服用が胎児が確認されるまで続きました。

その後もカプロシンとバファリンの服用は続き、併せて漢方薬も服用されていました。

流産は「気虚」が主な原因であるために漢方薬は、主に補気剤を使用していました。

ところが、30週目に入ったとき、出血!

即、入院され、その後出血はおさまりましたが、結局32週目に帝王切開にて双子の赤ちゃんを出産されることになりました。もちろんまだまだ赤ちゃんは小さかったのですが、抗血小板作用のあるお薬を服用されているためか、どうしても赤ちゃんを持たせる力が不足してしまうのでしょうか。かなりの早産になりましたが、誕生からまだ1ヶ月経たない赤ちゃんは今元気に育っています。

やはり、抗血小板作用のお薬を飲まれている抗リン脂質抗体が陽性の人は、流産や早産の可能性が大きくなってしまいます。Nさんのように漢方薬を服用されるのが良いことかと思われます。

「にきび」との関係

28歳のTさんは4年ほど前から「にきび」が増えてきて、月経が不順になってきました。

思春期には全く「にきび」で悩まされることはなかったのですが、思春期と言われる時期を過ぎてから顔全体に「にきび」が出始めました。その頃より少し毛深くなったようです。

このような症状は、多嚢胞性卵巣症候群で良く見られるものです。

「多毛」や「にきび」は美容の面でも問題となりますが、何らかの疾患の兆候であることに注目しないとなりません。男性ホルモンが優位になるためにそれらの症状が出てきますので、男性ホルモンを生み出す卵巣や副腎の機能に異常が見られる可能性が大きいのです。

若年性の「月経異常」、思春期を過ぎてからの「多毛」や「にきび」は、少し気をつけてください。命に関わるような深刻な疾患ではありませんが、将来に糖尿病や子宮体癌を患う可能性が高いと言われていますし、「妊娠」にターゲットを当てると、やはり妊娠しにくい体質ということになってしまいます。

こういった症状をお持ちの方は、西洋医学的な治療、もしくは漢方による治療など早めの治療をおススメします。

日本不妊カウンセリング学会

先週末の土曜と日曜の2日間にわたり、第16回不妊カウンセラー・体外受精コーディネーターの養成講座が東京でありました。

この養成講座には600名を超える参加者があり、医師、看護職、心理士、薬剤師など様々な医療関係者が、不妊患者が求める「生殖医療を担うヘルスケアプロフェッショナル」となるために、受講していました。

「日本不妊カウンセリング学会」は、2002年にNPO法人化によって、不妊カップルだけでなく広く社会からその活動を期待されることになりました。

不妊治療は、100年以上の長い歴史があるわけですが、その治療法はその考え方も歴史とともに変わり、不妊カップルが適切な治療法を選択するには容易なことではありません。

体外で卵を操作する不妊治療を高度生殖医療(ART)と呼ばれますが、この医療は27年前に始まったばかりの歴史の浅いものですが、急速に進歩し、数多くの不妊カップルが恩恵を受けました。しかし、反対にそこまで努力しても我が子が抱けないカップルも多く生み出した、と国際医療技術研究所の荒木氏は言われています。

不妊カップルは、医療に伴う苦痛、周りからの期待の圧力、自分が作り出す圧力など様々なストレスを抱えているものです。

それらのストレスを少しでも緩和し、否定的な自己認知を良い方向に変え、治療をなるべくストレスレスの状態にて受けられるようにすることが、我々「不妊カウンセラー」が求められていることです。

この会場で受講する医療関係者は、より良き治療家として成長するために、今後も何回か開催される講座に参加する予定です。

多くの方々の悩みを聞き、少しでもストレスを解消し、良い心理状態で治療を受けてもらえるようになりたいと思っている仲間が集まっていると思えば、とても心強く、嬉しさが込み上げてきました。

気にしすぎて

漢方を服用し始めて2周期目を迎えたMさん36歳。

今まで生理後13日目には必ずオリモノがあり、排卵していることが実感でき、その後すぐに高温期になっていてそのサイクルが崩れたことがなかったと言われています。

生理不順など全くなかったものですから、今までは基礎体温表もつけたこともなく過ごされていました。

それが、2周期前より漢方による不妊治療を始めようとされてから基礎体温表をつけ始め、昨日は「もし卵管が詰まっていては話にならない」と思い、病院へ行き、卵管造影もしてもらうなどMさんにとっては、初めてのことばかりがここ最近続いたことにより、Mさんの体に異変が起きてしまいました。

今日は13日目なのにオリモノが全くなかったのです。

「こんなことは今までなかったのに」とMさんは不安でいっぱいになっておられました。

あまりにも基礎体温表や生理の周期などを気にしすぎて、それがプレッシャーになり、自分で自分の体にストレスを与えてしまった結果です。昨日行かれた病院もかなりのショックだったようで、「病院の機械作業のような治療は私には絶対無理だと思いました」とおっしゃられていました。

あまり気にしすぎず、自然体で気持ちもゆったりとした状態でタイミングが合うのが一番です。「体温がどうなったか」が大切なのではなく、あくまでも夫婦ふたりの「気持ち」が大切です。

体温や時期など気にしすぎて、ふたりの「気持ち」を置き去りにしないように。Mさんのような場合は、少し、体温をつけることを止めてみるのも良いでしょう。

疳の虫

漢方による体質改善で目出度く妊娠し、出産されたSさん。

せっかく授かったけど、生後3ヶ月になる息子に振り回され、もうぐったり。

夜中にぐずってなかなか寝てくれない。寝てもすぐに起きて、泣いてばかり。昼間は昼寝してくれたら、この時とばかりに家の用事を済ませてしまおうとするので、Sさんがゆっくり寝る暇がない。

そんな状況ですので、もともと肩こり症だったこともあり、Sさんの肩はパンパンになり、頚もガチガチ、頭もボーッとする毎日でした。

困ったSさんが、当店に相談の電話をされ、即、来店するようにススメました。

Sさんの生後3ヶ月のお子さんは、「疳の虫」の症状です。

別に「虫」が居るわけではないのですが、「神経質で興奮しやすい性質」を「疳」といい、そのような性質になってしまっている状態を「疳の虫」の症状といいます。

これには、「小児鍼(しょうにしん)」が良く効きます。特に「疳の虫」の症状が出ていなくても、風邪などひかないような強い子にするためにも「小児鍼」はとても良いです。小児鍼をすることで、神経も休まり、免疫力が高まります。

「小児鍼」といっても「鍼」を刺すのではありません。ヘラのようなものや爪楊枝のようなものでこするだけ。お母さんでも簡単にできるものです。是非、覚えて強い子になるようにご自宅で小児鍼をしてあげてほしいものです。

Sさんのお子さんは、小児鍼を受け、自宅でもSさんが続けてしてくださった成果ですっかり「疳の虫」も治まり、夜もよく寝てくれるようになったようです。

是非、小さなお子様をお持ちのお母様は、小児鍼を覚えてやってあげてください。病気になりにくい元気なお子様に育つように。

不妊の相談日

今日は月1回行っている不妊の相談会の日でした。

この日は毎月不妊の悩みを持つ方々が多く来店されます。ここに来られて、同じ悩みを持つ方々がこんなにおられることを改めて実感される方も多いことでしょう。病院にも不妊で悩む方々は多く通院されておられますが、病院にて治療をされながら、当店に来店されておられる方が最近多くいらっしゃいいます。

それだけ、機能的に何かしら問題のある方が多くなっており、

「病院だけの治療では卵の育ちが悪いなどで不十分」、「漢方だけの改質改善では機能的な問題により不十分」で、

相互の助けを借りないと、妊娠しにくい方が多く見られるような気がします。

毎月不妊で悩んでおられる方々が来店される度に、徐々に改善されていく基礎体温表を拝見しながら、私達は「次のステップへの体質改善」に向けて、お薬を考えています。

今日は不妊の方ばかりでなく、漢方にて出産されたTさんが赤ちゃんを連れて来店してくださいました。赤ちゃんの丸々としたお顔とぷくぷくの体は、元気そのもの!こんな元気な赤ちゃんが産まれて育っていること、そしてそれを見守るやさしいお母さんのお顔を見た時が、私達の顔がほころぶ瞬間です。

決して私達が育てたわけではないのですが、卵ができる前からお母さんを見つめ続けていますので、自分の子供のように思えて、嬉しさが込み上げてくるのです。

この感動を多くの方に伝え、もっと多くの方の力になりたいというのが私達の願いです。病院の治療にだけ行かれている方は、「体質改善」の漢方治療を是非取り入れてみてください。