第10回記念

一昨年の7月から年に4回ほどのペースで行っていた「ひよこママの会」。今回で10回目を迎えました。

漢方を服用してやっとできた子供たち。産まれたばかりの頃は、ママもパパもひよこで不安がいっぱいで、よちよち育児をしていました。しかし1年そして2年経った今は、しっかり母親・父親となり、子供と共に大きく成長されていました。

今回は大きな会場を借り、たくさんのママ・パパそして子供達を招き、会を催しました。

会場は3階にあり、畳の広い部屋は子供達のたちまち運動場に、前面ガラス張りの窓から見える景色は巨大スクリーンと化し、お友達と追いかけっこをしたり、「あ、電車!」と窓から見える景色に見入っているは立ち止まり、その姿はとても無邪気で可愛いものでした。

今まで諦めずに頑張ってきて良かったね・・・!

心からそう感じる瞬間です。

2年前の心配事、1年前の心配事、そして今の心配事。どんどんその中身は変わってきます。今となっては以前の心配事なんて何だったんだろう、と思えるくらいちっぽけなことでもその時は一生懸命で不安いっぱい。

でもこの子が産まれる前のあの不安や落ち込みに比べたら、今のこの幸せの中での心配事なんて何ともないと思えてしまいます。

今まだ我が子に会えずに不安の中にいる人たちにも、早くにこんな幸せと幸せの中の心配事を感じて欲しい・・・!そんなことを願いながらこの幸せの渦の中で共に喜びを感じていました。

今回は月齢が7ヶ月から2歳半までと幅広いお子様が遊びに来てくれていましたので、お世話くださった小児科医の橋本先生はフリートーキング方式で会をすすめてくださいました。

お互いに質問を投げかけ、先輩ママがその経験からアドバイスしたり、少し解決不足の部分は橋本先生が助け舟を出すような形式です。

その先輩ママの経験で先生も含め、みんなが感心したこと。

2歳近くなっても断乳できないNママの悩みに対しての、先輩Sママのアドバイスです。

双子のママであるSさんは、代わる代わるおっぱいを欲しがられるために、寝不足続き。もう体力の限界を感じ、助産師さんに相談したら、「いついつにおっぱいを止めるからね、と前もって赤ちゃんに話をしてください」と。

ほんとにこんなことで止められるかな、と思いつつSママは、2人の赤ちゃんに「何日に止めるからね」と前もって話をし、その日を迎えたのです。その日、赤ちゃんたちも離れるのが寂しいのはわかっているけどきちんと納得してくれ、問題なく止めることができたのです。

特に女の子は「ママが寝られなくてしんどいの」と言うと、その瞬間ぴたっと止めてくれたようです。まだ1歳にならない赤ちゃんですが、もう心は通じ、言葉も完全でなくても理解できるのです。きちんと子供と向き合えば、通じるのだということを改めて確認した経験談でした。

まだまだこれからもたくさん子供と向き合って、共に成長していかなければなりません。時には嫌なことも言わなければならないこともあることでしょうが、今日集まったひよこママ達はどんな困難も乗り越えられそうなパワーがありました。

なぜなら、みんな子育てを楽しんでいましたから・・・。

野菜ジュースの間違い

「何だか今日、全身黄色くないですか?」

「よく言われます。黄色いって。」

明るく元気に笑う23歳Kくんは、顔色から手の色、身体の色、全てが普通ではない黄色をしていました。

1ヶ月ぶりにKくんに会ったのですが、1ヶ月前よりも明らかに黄色を呈しているその姿に、同席していた人たちも「あれ?」と感じざるを得ない色合いだったのです。

「黄」の色は、東洋医学では「脾」「胃」の色で、その色が身体に出ているということは、その機能が低下しているか亢進しているかの状態であることを現します。

黄色っぽい肌色をしている女性をよく見かけますが、大概「脾経」の働きが低下している場合、「貧血」「生理中」などであるものです。

前提として「黄疸」ではないことが条件ですが、そこまで黄色ではないけれども全体的に黄色であるときは、「脾」の働きの低下を疑い、原因を追究し、それを除去し崩れた身体の調整をすべきです。

その「脾」の働きとは、いわゆる「消化器官」のことです。消化して栄養分を吸収するというサイクルがうまくいっていないために、バランスが崩れ、黄色くなっていくのです。

不妊や生理不順の場合は、「脾経」の働きはとても重要な部分で、それを調整することが必須となってきます。消化させる力が弱いのか、吸収する部分が弱いのか、それを栄養として留める力が弱いのか・・・その原因によって選ぶ漢方薬も異なってきます。

お薬としては「婦宝当帰膠」「星火健脾散」「帰脾錠」「香砂六君子錠」などを使用し、原因を改善するようにしていきます。

さて、異常な色になっていたKくんの場合ですが、東洋医学の「脾」に相当する西洋医学での「膵臓」の消化機能が低下していることが原因のようでした。そしてその原因を作ったのが、何と「野菜ジュース」だったのです!

Kくんは健康のために、2ヶ月ほど前から野菜ジュースを1日2リットル飲んでいたといいます。野菜ジュースの原料である野菜たちは、生のもので作られています。そして生で食べると他の成分や機能を損なってしまうものがそれに含まれていたのです。

例えば「にんじん」。「にんじんは炒めたりして食べましょう!」とよく言われています。油などで炒めることでにんじんの成分が吸収されやすくなるためにそのように言われているのですが、それだけでなく、「にんじんが生であること」により一緒に摂ったせっかくのビタミンCを壊してしまうからなのです。

また「たまねぎ」。「たまねぎ」や「にんにく」といった球根の姿であるものを生で食べると、消化酵素の働きを阻害してしまうようです。つまり球根である状態は、まだ芽が出てはならない状態のために、全ての機能をストップさせる酵素が働いているのです。そのためにそれがそのまましっかり働いてしまう「生」で食べると、消化酵素をストップさせることになり、消化不良になるのです。

しかしたまねぎのその働きのバリアは緩いために、水でさらすと大丈夫です。今は新たまねぎの美味しい季節です。生で食べる際には是非水にさらしてお食べください。

しかし!野菜ジュースは水にさらしているはずはありません!

結局そのことが原因で、「膵臓」の消化機能に問題が生じ、それが経絡の「脾」の働きを阻害し、黄色いKくんとなってしまったのです。

それから1ヶ月、再びKくんに会ったときには、異常な黄色さはなくなっていました。西洋医学的検査には何ら問題はなかったようですが、経絡のバランスの崩れはそのまま放っておくと、いずれは西洋医学的な病名がつく病へと進んでいくものです。

東洋医学の五行の色の「青」「赤」「黄」「白」「黒」が身体のどこかに異常に見られたら、それはサインです!早めに対処してください。

月経不定期

37歳Sさん。月経周期が30~35日のこともあれば、40日、50日、3ヶ月来朝しないこともあったり、周期が定まりません。周期が定まらず長引けば長引くほど生理前の眠気、むくみ、過食などの不快感が続き、我慢できない状態となります。

毎回生理前の時期になるのが憂鬱で、生理はきちんと来て欲しいものの、その前の症状を考えると、来て欲しくない気持ちもあり、何とかこの状況から脱出したいと問い合わせをされたのです。

Sさんの体には、むくんだりお腹にガスがたまったり、肩こりがあるなど、気が鬱滞している状態が見られました。またそれらが特に生理前に出ること、生理前にそれに加えて気分の面でも鬱積が見られることから漢方的に「肝気鬱滞」が原因で、それらの症状を引き起こしているものと捉えられました。

その「肝気鬱滞」が原因で、周期が定まらないという「月経不定期」の症状が出てしまっています。月経が定期的に来朝せずにいるということは、卵巣が働いていないことを意味し、良い卵胞を作ってくれていないことになります。

結婚歴3年のSさん。月経不定期とそれに伴う月経前症候群(PMS)を改善すれば、良い卵胞が育ち、自然と恵まれることでしょう。

まずは月経不定期を改善するために、様々なSさんの症状より「婦宝当帰膠」「星火逍遥丸」「芍薬甘草錠」を選びました。それらにより肝血、肝気が調整され、様々な症状を改善してくれることでしょう。また長年持ち続けていた「肩こり」からも少々開放されることでしょう。

期待しながらまずは3ヶ月間、続けてもらえればその効果が見えてくるはずです。

生理が来ないわけではないけれども、その周期が10日以上異なるくらい不定期である場合は、女性として生きていくためには早くに改善した方が良いです。放っておくと、「不妊」、「早期閉経」やそれに伴うPMSや更年期様症状に悩まされることになってしまいます。それらのケアは、アンチエイジングにもつながります。

是非、月経に伴う何らかの症状がある人は、ご相談ください。漢方薬が力になってくれることでしょう。

大切な時間

生まれつき備わっている能力、人とは異なる身体、難なくできてしまうこと、どうしてもできないこと・・・。

生まれたときから両手と両足がなかった乙武洋匡さん。しかしいつも笑顔で語り生きるその姿には、感動させられ学べることが多くあります。

「障害は僕の誇りです」と語り、その言葉は無理せず心の中からそのまま口に出てきたものであることが私たちを感動させるのです。

こんな風に生きられれば、素敵だなぁ・・・。

一般的に「マイナス」であると思われることに対して、私たちはそれが自分の中に存在すると、「これがなかったらよかったのに」「あのようになったらいいのに」と願ってしまい、それを「願い」として唱えてしまいます。

しかしどうしようもないことを願っても、神様は困るばかり。そんな願いは聞き入れることはできないでしょう。せっかく「それ」を与えてあげたのに、それをマイナスと捉え、要らないとしてしまっている人たち・・・。「それ」を受け入れることで、大きく成長し今以上に幸せな心を得ることができるはずなのに・・・。

「それ」を受け入れる勇気、そして諦める勇気を持つことは、なかなか難しいもの。しかしその勇気を手に入れれば、解決の出口のないことで思い悩まず、くよくよせずに生きていくことができ、今しかないこの大切な時間を素敵に過ごすことができるでしょう。

様々なことが原因で「不妊」という道を歩んでしまった人たち。しかし我が子に会うまで長くかかった分、もっと我が子のこと、夫婦のこと、家族のことを考える機会を持つことができ、「大切なこと」をより心で感じることができているのではないでしょうか。

長い期間待った分、その感動は大きいことでしょう。例え、結局授からなかったとしてもそれまで自分の身体と家族と向き合った時間は決して無駄ではなく、大切な時間だったはずです。

これからまだまだ治療を続けていく人たち、もうそろそろ止めようと思っている人たち・・・、それぞれ今の時に必要な勇気をつけ、前向きにくよくよすることなく進んでいってください。生き生きと前向きに進んでいける道は、1つだけではないはずです。

がんばらないで

2年ぶりに鍼灸治療に来られた29歳Yさん。

「また体調を崩してしまって…」と言われたYさんの姿は、以前よりひとまわり大きくなっていました。2年ぶりでしたので、初めパッと見たときYさんだということがわからないくらいでした。それもそのはず、ここ3ヶ月で10Kgも体重が増えてしまったというのです。

ここ3ヶ月でYさんの身に何が起こったのか・・・?

2年前も同じようなことがありました。そのときは反対にどんどんやつれて痩せていったパターンでした。心の優しいYさんには、人間関係のトラブルの矢が向けられることが多く、外にそれをうまく吐き出せないYさんは、いつも自分の中に閉じこもり心の病に陥ってしまうのです。

今回もそうでした。職場の上司の理解できない行動、言動、責任転嫁・・・。

Yさん以外にはもう1人とその上司しか居ない人数の少ない部署のために、上司の言動は心優しいYさんに全て向かっているようです。

「自分が悪いんだ。もうちょっと我慢しよう。」

そう自分に言い聞かせながらYさんは仕事を続けていました。

しかしその結果、4ヶ月生理が来ず、体重も10Kg 増えてしまいました。やっと今月生理は来たものの、身も心もボロボロ。自分の力ではどうしようもないので、2年前のことを思い出し、鍼灸の力を借りようと来院されたのです。

Yさんの状態は、あまりにも思い悩んだ結果、気血を生み出しスムーズに流してくれる「脾経」の働きが損傷されたために「月経不順」となり、心もうまく静養できなくなったために「不眠」となってしまいました。

その空虚な心を埋めようと、無意識のうちに夜中にお菓子を食べてしまい、それが消化しきれないうちに寝てしまうため、消化不良が常に生じ、それが「痰熱」を生み出しますます「不眠」を増強していました。

寝られない上に、体重も増加したために、身体はますます重く、だるく、気持ちも憂鬱になり、あらゆることによる悪循環を引き起こしていました。

Yさんの治療は、補気養血を行い、心が落ち着くようにするために「脾兪」「心兪」「神門」「三陰交」、化痰和胃の目的で「豊隆」「中脘」「内関」「天枢」を使い調整をしました。

2年前も「婦宝当帰膠」にて元気が出たというYさん。今回も漢方薬を飲んだ方がいいか訊ねられましたが、もう少し気持ちが落ち着き、夜食も止められるように心の整理がついてからの方がいいと判断し、そのように伝えました。

治療後のYさんの目には、少し光が見え始め、自分である程度立ち直れる力が出てきているように感じられました。だからこそ、まずは自分の力で立ち直り整理できるところまでは自分の力で行い、その時点で少し足りない部分を漢方薬で補った方がYさんにとっては良いでしょう。

すぐに「自分のせい」「もっと自分が頑張ればいいんだ」と思ってしまうYさん。2年前も頑張りすぎて、精神科のお薬から抜け出せなくなってしまいました。もうそれを繰り返さないで欲しい・・・!もう頑張らずに嫌なことから逃げたらいいのです。頑張ってしまうYさんには、逃げるくらいでちょうどいいはずなのです。

今回来院されたYさんの傍には、心配して彼氏がついてきてくれていました。将来一緒になるかもしれないことを考えると、早くにこの状態から脱出し、月経周期も整い、以前のように明るい笑いの耐えない元気なYさんに戻って欲しいと強く感じました。

少しずつ、決してがんばらないで、一緒に出口を探していきましょうね。

妊娠中の蕁麻疹

妊娠3ヶ月のIさん。もともと蕁麻疹の症状を持っているために、常から漢方薬の「衛益顆粒」と「板藍茶」を飲まれています。

「漢方薬は妊娠中でも安心して飲むことができる」というイメージから、Iさんは妊娠してもそれらを続けて飲んでいました。ところが、産婦人科の医師から「絶対大丈夫とは言えない」と言われ、心配になって妊娠中も「衛益顆粒」と「板藍茶」を続けて良いものかどうか、問合せをされました。

現在は悪阻も酷く、漢方薬ですら飲むのも辛い毎日。蕁麻疹も悪化し、頼れる漢方薬も産婦人科の医師より不安なことを言われ、ますます心配は募るばかり。

西洋薬を服用できない妊娠中は、風邪なども含め、頼れるものは漢方薬です。しかし漢方薬にも通常の量よりも半減して使用したり、調整することが多いものです。決して自分の判断で使い続けたり、量を調整したりしないようにしてください。産婦人科の医師も漢方薬を取り扱っている専門の医師であれば知っていますが、そうでない場合、知らないことが多数です。

その場合は、Iさんのように専門の漢方医にご相談されるのが一番です。

Iさんの場合、悪阻で薬が飲めないことが最初に改善すべき点です。飲めるようになれば、蕁麻疹は軽減するでしょうし、もし飲むことができても、症状が改善しない場合は、お薬を変える必要があるでしょう。

妊娠中は妊娠前と比べて体のバランスが異なります。妊娠前には効いていたものでも、妊娠してからは効き目が悪いことがあります。その場合は、お薬を少し変えてみると良いです。

Iさんの悪阻には、「生姜汁」や「黄ごんの煎じ汁」をおすすめしました。

また症状が改善しない場合は、「衛益顆粒」と「涼解楽」の組み合わせに変更されることもおすすめしました。

妊娠中はそうでなくても体が動きにくく、疲れやすかったりするものです。少しでも快適な妊婦生活を送れるように、悪阻や出てくる症状を「早く」しかも「安全に」改善したいものです。そんな時は、是非漢方薬をお試しください。

焦るけど・・・

「早くに子供が欲しい!」と焦れば焦るほど精神的に追い込まれ、ますますホルモンバランスが崩れてしまいます。見事にそれは基礎体温表に現れ、実際にホルモン数値も異常値を示します。

37歳Yさん。仕事は忙しくなり今まで以上にストレスがかかる上に、親からは顔を会わせる度に「まだ?」の声。Yさん本人も望んでいるのに可愛い我が子に会える日は遠く遠く感じられた今年2月。3ヵ月月経が来潮しないことをきっかけに、婦人科を受診。

そのホルモン検査でますます我が子が遠くなったことを知らされたのです。

昨年秋から「そろそろ」と漢方薬も本格的に周期療法を始め、毎日、陰を補う「煎じ薬」、腎陰や腎陽を補い、血を補い、血流を良くし、脾経を補い高温期を保つために「杞菊地黄丸」「紅サージ」「参馬補腎丸」「参茸補血丸」「帰脾錠」などをせっせと飲み続け、毎朝、基礎体温表と睨めっこをしていました。

ところが、12月頃から異変が起きたのです。異変を感じとったYさんは婦人科でホルモン検査を行いました。まさしく卵巣がアップアップしている状態が数値に出ていたのです。通常は10未満であるはずの、卵胞刺激ホルモンが75以上、15未満であるはずのプロラクチンが22以上でした。

しかしYさんは「自分の力を信じたい・・・!」その思いで、早くに良い卵胞が育つように亀板やべっ甲の入った陰を補う煎じ薬、プロラクチンのために「炒麦芽」・「晶三仙」、ストレス解消に「シベリア人参茶」などを3ヶ月続けてみました。

しかし基礎体温表は低温期のまま。変化することなく3ヶ月が経ちました。

そして再受診。ホルモン数値は今までになく最も悪い結果となっていました。卵巣が働かないために、卵胞刺激ホルモン(FSH)数値が90を示していました。

これは早くに卵巣を休ませる必要があります。Yさんの脳からの命令系のスイッチが誤作動してしまったようですので、早くに正しく作動するようにしないとこのまま閉経してしまうことになりかねません。

どうしてこんなことになってしまったのでしょう?!あまりにも焦る気持ちにストレスが重なったためでしょうか?!それもあるかもしれません。しかしそれだけではないでしょう。何が起こったのか、それはYさんの脳が知るのみで、婦人科医も、誰にも、Yさんですらわかりません。

まずは3周期、ピルを服用して卵巣を休ませることにしました。

Yさんはそれと同時に今まで頑張って服用していた漢方薬も、毎朝チェックしすぎるほどチェックしていた基礎体温も、全て休むことにしました。あまりにも全てのことがストレスになり過ぎていたようです。

そして身も心も休ませて3周期、再びホルモン検査を行いました。

結果、うなぎのぼりになっていた卵胞刺激ホルモン数値が14になっていました。10以上であれば、卵巣に負担がかかっている、という意味ですので、もう少し休める必要があるようですが、3ヶ月前と比べてかなりの改善です。

焦る気持ちはあるけれども、決して焦ってはいけない!焦れば焦るほど、また迷宮の不具合に身を投じることになってしまうのです。

今のYさんにとっては、もう1周期ピルを服用し、全てを休んで、頭も休めて、リ・スタートできるように心身ともに整えることが、一番の近道でしょう。

迷宮に入ってしまったかな、と感じた人は、是非そこから脱出する近道を見つけてください。もし見失ってしまった場合は、私達が近道を探すお手伝いをします!

母の日に思うこと

「人は親になって初めて大人になる」と言われます。」

もちろん全ての人がそうであるとは限りませんが、子供を持ち、育てることで、親の苦労が身にしみてわかるというのは事実でしょう。

些細なことでも心配して、気になって、思わず見てしまったり、口を挟んでしまったり・・・。

それをすることで子供は反発し、不機嫌になってしまうのですが、わかっていながら親として口を挟まざるを得ない状況。

そんな積重なる子供とのふれあい、いざこざに、「こんなにも親に迷惑をかけたんだなぁ」と自分のことを振り返り、改めて親に感謝するのです。

そして結婚して家を離れたはずの今も、ぷれぷれママ、ひよこママ、熟練ママになっても、親に何かを頼っている自分にまた気づきます。常に心配して見守ってくれている親。口に出さなくてもその想いはひしひしと伝わってきます。

何とかなるものですが、自分もこんな立派な親になれるのかなぁ、と不安を抱きながらママになることを目指しているのです。

今までもこれからも心配ばかりかけてしまっている母親。心配かけないように生きたいけど、やっぱり心配かけてしまっているもの。

そんな大切なお母さんには、いつまでも健康で長生きしてほしいものですよね。育ての親に「不死の薬」をプレゼントしたかぐや姫のように、みんな親には長生きして欲しいと思うもの。産みのお母さん、育てのお母さんに、いつまでも元気に過ごせる魔法のお薬をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

少し血圧が上がってきたりシミなどが出始め血流が悪くなってきたら「冠元顆粒」、「桂枝茯苓丸」など、疲労しやすくめまい・冷え症が出てきたら「婦宝当帰膠」、「当帰芍薬散」など、イライラ感・頭重感・不眠・倦怠感があれば「加味逍遙散」、のどがつかえる感じ・のどの瘙痒感・刺激感があれば「半夏厚朴湯」、酷く疲れる・冷え症・尿少・下利や腹痛があれば「真武湯」など、少しずつ身体のバランスが崩れた結果、出てきた症状に合わせてお薬を選びます。

是非、お母さんに合う魔法のお薬を見つけてください。

疲労回復

ここ最近、ギラギラ日差しが照りつけ暑くなったり、突然涼しくなったり、激しく雨が降ったり、突風が吹いたり・・・、どうやら地球がおかしくなってきているようです。

今までは「地球温暖化」とそれに伴う異常気象を直接肌で感じることが少なかったために、人間はそれに対する危機感をあまり持っていなかったかもしれません。しかしここ最近は、実際に異常なことが起こりすぎています。

もともと人間は宇宙で生かされているものですから、宇宙に存在する地球の環境と共に生きなければならない存在です。春が来て暖かくなると、人間の身体も温かくなり、肌も柔らかく心も和やかになり、梅雨になると、天空もじめじめするように、人間の身体の中もじめじめしますので、だるくなったり疲れやすくなったりします。

本来は入梅してからそのような症状が出てくるのですが、ここ最近のおかしな気象により、「だるい」「疲れやすい」「風邪が治りきらない」「やる気がでない」などの症状が出ている人が多いようです。

人間を取り巻く天空がこんな状態ですから、そこに生かされている人間の調子が狂うのも当然でしょう。しかし体調だけでなく、精神面にもそれは影響し、最近の事件は耳を疑うようなものばかり起きています。悲しくなってきます。これから地球は、人間は、どうなっていくのでしょうか・・・?

そこで、ここ最近の天空の不調と身体が同調しないように、「疲れやすい」「だるい」などを是非解消して欲しいと思います。

よく不妊の周期療法を始めた人達が、「漢方を飲み始めてから朝がすっきり起きられるようになった」「疲れにくくなった」「夜がぐっすり眠れるようになった」といったことをよく言われます。不妊で悩む人の多くは「脾」の働きが弱っていて、「気」や「血」が不足しています。それらを調整するために「補中益気湯」「十全大補湯」「帰脾湯」などを使います。

周期療法では、個人個人に合わせて、何が不足しているのか、何が多すぎるのか、を判断した上で、漢方薬を調整していきますので、伝えていなかったはずの症状なのに漢方を服用しているうちに改善してくる、ということは良くあることです。

これが体質改善の根本治療で、東洋医学の強みなのです。

出ている症状や数値だけを追って治療を行っていても、それを受け入れる身体の中身が用意されていなければ、何もなりません!受け皿となる体質をある程度改善しておくことがとても大切なことなのです。

また「疲れやすい」という症状は、食事のバランスにも大きく関係しています。糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルがバランス良く摂れているか、今一度再確認してください。多くはそのバランスが崩れているときに「疲れやすい」という症状は起こります。

今旬の「えんどう豆」などの豆類は、胃腸の働きを整えてくれます。また水分代謝も高めますので「胃もたれ」「だるい」などの症状にも良く、疲労回復にとても役立ちます。

是非今が旬の「えんどう豆」にて疲れを取り、それでも力不足のときは少し漢方の力を借りて、この不安定な時期を乗り越えましょう。

力のある証拠

30歳Nさん。不妊治療は1年ほど。ホルモン検査ではプロラクチンが少し高めで多嚢胞卵巣気味と診断されていました。治療は排卵促進剤とhcgの注射によるものです。漢方薬は、「養命酒」を飲んだくらいで、しっかりと処方されたものを服用したことはありません。

33歳Cさん。子宮内膜症の症状が酷く、急激な下腹部痛により緊急手術を行い癒着を剥したようですが、全ては剥しきれず、その改善かつ妊娠希望で漢方薬を半年ほど服用されています。

43歳Oさん。そろそろ自力での初妊娠はタイムリミットかと考え、体外受精を行いました。今までOさんは病院での不妊治療を受けたことも漢方薬も服用したこともありません。

NさんもCさんもOさんも、その後妊娠発覚し、心拍まで確認されました。

初めて感じる何とも表現しがたい大きな喜び。「母になる」という夢の実現。急にお腹が愛しく感じられるその瞬間・・・!

しかし、それぞれ8週ほど経ったとき、心拍が停止してしまっていたというのです。ついこの間まで動いていた小さな心、宿っていた小さな命、はどこか静かに消え去ってしまったのです。出血など何もなく、とても静かに居なくなってしまいました。

束の間の喜び。しかし忘れられない母となった瞬間。あの感動をもう一度!

半年かけて漢方薬にて体を調整し、初めての妊娠となった今回、Cさんはまた新たなスタートを切ることを決意されました。

流産後初めて相談されたNさんは、今回の妊娠が発覚する前に既に漢方による体の調整を考え、問合せをしようとしていたところだったのです。今回は残念ながら流産をしてしまいましたが、妊娠できるという自信がつき、今度は小さな命が安心できるように、もっと元気な身体になって迎えたい!という思いがより強くなったようです。

体外受精が残念な結果となったOさん。しかし受精卵が着床し、心拍まで確認することができたのですから、まだまだ妊娠できる可能性があります。年齢的にも1周期1周期を大切にしていきたい!そのためにもより一層元気な母体つくりが大切です。

NさんもCさんもOさんも、今回は残念な結果となりましたが、「妊娠できる力がある」ということがこれで証明されたのです!これからも自信を持って、共に進んでいきましょう!