「不正出血」とは、「月経期以外の時期に出血している状態」もしくは「月経後に出血が続く状態」のことです。
中医学では、そのことを「崩漏」もしくは「崩漏下」といいます。
その字のそれぞれの意味は「崩」は「急激に多量の出血が起こるもの」のことで、「漏」は「だらだらと少量の出血が続くもの」のことです。
「漏」から始まり、それが長引き気血を消耗すれば「崩」に転化することがありますが、大体良く訴えられる症状としては「漏」の段階の人が多いものです。
その原因として「衝任脈」の損傷による固摂機能の失調によるものですが、衝任脈の損傷の原因としては「血熱」「気欝」「血お」「気虚」「陽虚」「陰虚」などがあります。
『「血熱」が原因で「崩漏」になる』とは・・・、
常々「熱がり」な体質で、「ピリ辛系の食べ物」を良く食べたり、サウナに入ったりするなど「熱邪の侵入」を受けると、熱が体の中に多くなり、その熱が原因で「不正出血」になること。
『「気欝」が原因で「崩漏」になる』とは・・・、
常々「イライラ」したり「くよくよ」したりと「抑欝」傾向の性格で、そのことが肝の欝熱を生み出し、肝の蔵血機能が失調し、「不正出血」になること。
『「血お」』が原因で「崩漏」になる』とは・・・、
月経期や産後に「冷え」や「熱」を受けた場合、「血お」を生じ、それが子宮内の循環を悪くすることで「不正出血」となること。
『「気虚」が原因で「崩漏」になる』とは・・・、
常々「脾気不足」であったり、「食べすぎ」「飲みすぎ」「疲れすぎ」などによって「脾気」を損傷することにより、「不正出血」になること。
『「陽虚」』が原因で「崩漏」になる』とは・・・、
もともとの先天の気が弱かったり、更年期などで、「腎陽」を虚衰され、「不正出血」となること。
『「陰虚」』が原因で「崩漏」になる』とは・・・、
もともと虚弱体質だったり、多量の出血、慢性病などにより「腎陰」が不足し、虚火により「不正失血」となること。
上記のように、一言に「不正出血」といえども原因は様々です。
本当にすぐに止めないとならない「出血」なのか、出ききらずに残っているから出ている「出血」なのか、によっても対処方法が変わってきます。
「不正出血かな」と思われる人は、必ず専門家に相談し、真の原因を追究して、根本より改善するようにしてください。