春の症状

春は五臓では「肝」、五行では「木」ですので、「肝経」に関わる症状が多く、「気」は「木」が上に真っ直ぐ伸びるように、上がりやすくなります。

「肝経」は「血」を蔵したり「血」や「気」を疏泄したり「筋肉」を司ったり「目」に開竅したり「爪」にその状態を現したりします。

従って、「血」に関する症状である「生理不順」「PMS」が出たり、「気」が鬱積したり上がったりすることでイライラしたり憂鬱になったり、「筋肉」はつっぱり、「目」は疲れやすく、「爪」がもろくなったりします。

32歳Sさん。1年前は肩や首が張りすぎて、自分ではそこまで重症とは感じていず、常にそれが普通だと思っていました。時々疲れたときにマッサージに行く程度。しかしなかなかその効果も感じられずにいました。

そんな時、ふと試してみようと入った鍼灸治療院。そこで鍼灸治療後にこんなにも肩や首が軽いものだということを始めて知ったと言われました。それから調整すること週に1回。Sさんは「肝胆経」に関する経絡のバランスが崩れやすいタイプでしたので、それらの経絡を調整していくうちに、だんだんとSさんはPMS持ちであることが分かってきたのです。

今までは生理前に限らずいつも肩や首や全身が張っていたのでわからなったのですが、生理前にその症状がさらに酷くなっているようでした。そして3ヵ月後にはPMSが少し出るくらいまでに改善しました。

それからはPMSの時期だけ鍼灸治療に通うことで快適な生活を送ることができるようになったのです。

しかしもともと「肝胆経」のバランスを崩しやすいSさんのようなタイプは、「肝」の時期の春にはいつもより症状が出やすくなります。Sさんの場合もやはりそうでした。

今日来院されたSさんは、生理前の症状に加えて、旧年度の整理と新年度の新事業の目まぐるしく忙しい仕事、そして春のいたずらも合わさって、肝胆のバランスが乱れ、体の外側が全て緊張し、それに付随する肩の筋肉は奥の方で筋張って、肩回しもスムーズに行かないほどになっていました。

当に「肝気欝滞」の証でした。Sさんはもともと色白で「表」も弱めで「気」が不足気味のタイプであることから、治療は、疏肝理気だけでなく、補気・補血も行うことが大切です。

鍼灸治療では「行間」「三陰交」を主に使用し、少陽のバランスも整えるようにしていきます。漢方薬では「四物湯」か「婦宝当帰膠」、「逍遥散」か「柴胡疎肝散」などを調整し症状を軽減していきます。

Sさんも春を乗り越えれば、あとはまた快適な生活を送ることができるでしょう。今月末にはGWに入ります!それまでに調整し、再び元気なSさんになってGWを楽しめること間違いなしです!