兆しをどう変える?

穀物の成長を助ける雨の「穀雨」。この時期の天候は不安定で移り変わりやすく、頻繁に雨をもたらします。しかしこの温かい雨が新芽を育て成長させるので、木々にとっては大切な雨なのです。

自然と共に生かされている人間の体の中も同じように温かい雨と共に新芽が成長し、今まで眠っていた機能が蘇ってくる時期でもあります。

今年38歳を迎えるOさん。

自分は健康そのものだと信じていたOさんは、2年前に自分が鉄欠乏症貧血に陥っていること、そしてそれが着床障害となる子宮筋腫が存在していたこと、早発月経と思っていたのが実は不正出血だったこと、ホルモンバランスも乱れていること・・・などの現実を知らされ、即妊娠を望んでいた計画が崩れ去ってしまったのでした。

まずは第一歩を、と1年前子宮筋腫核摘出手術を行い、「筋腫を取った後は半年以内に妊娠する可能性が大きい」との一般論に希望を抱き、3ヶ月の療養後、期待をしていたのも束の間。

昨年末より仕事のストレスなのか、手術の影響なのか、ホルモンバランスが乱れ、FSH値が70を越えるほど高くなり、無月経になってしまったのです。

「何とか漢方薬で!」とのOさんの希望により3ヶ月間、「陰を補う煎じ薬」「冠元顆粒」「紅サージ」「炒麦芽」「晶三仙」「オリジン」などを組み合わせて調整していきましたが変化がなく、結局ピルにより卵巣を休める治療を行うことに決めたのでした。

Oさんの体は漢方薬の作用では追いつかないくらい、何か強い力で押しつぶされるかのようなアンバランスな状態になっていました。

こんなときは少しホルモン剤の力を借りる方が良いでしょう。しかし3ヶ月間服用した漢方薬が決して無駄だったとは言えず、本来であればこれだけアンバランスな状態になっていれば、様々な自覚症状が出ているはずであるのに、Oさん自身は以前と変わらず元気に過ごせていたというのですから、漢方の力も優れたものと言えるでしょう。

実際に漢方を休み、ピルを飲み始めてから今まで感じなかった「胸の張り感」が異様に感じられるようになったようです。

婦人科医より「3周期間、卵巣を休めましょう」と言われました。Oさんの夢見る計画は、また遠ざかってしまったように感じられました。しかし反対にそのまま放って置いたら、もっと遠ざかり、結局夢は夢で終わってしまったかもしれないことが、着々と治療が進み夢へと近づいているという解釈もできるでしょう。

今「3周期間」の3周期目です。

あるコラムに書いてあったことを思い出しました。

「兆し(きざし)」に「しんにょう」を付けて「逃げる」か、「てへん」を付けて「挑む(いどむ)」のか、それは心の持ちようで180度変わるのだ、と。

治療を行っていく中で立ちはだかる苦難や壁を前に、「もう止めよう」と逃げるよりも「よし!チャンスだ!できる限りやってみよう!」と挑めば、きっと道は開けてくるはずです。例え結果が追っていた夢に辿りつけなくても挑んだ思いは決して無駄になることなく違う夢を見つけることができるでしょう。

Oさんも次から次へと立ちはだかることにまだまだ挑んでいけるはず。3周期後に何が待っていようと強い意思を持ち続けて欲しいです。

穀雨のこの時期、着実に体調が良くなっていることを実感しているOさんの体の中でも新しい芽が育ち始めています。立夏が訪れる時期には、その芽がどう育っていくかがわかることでしょう。

1件のコメント

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