中断して気づいたこと

33歳Yさん。Tくんはもうすぐ4歳。

Tくんも弟か妹が欲しいと言うので、そろそろと思っているのだけれども、Tくんの時のようには行かず、毎月生理が来てしまっています。しかしその生理の量もだんだんと量が少なくなってきて、あまり多くないのに2日間で終わってしまうほど。

この場合、漢方薬は多くの場合は「婦宝当帰膠」をすすめるのですが、温めすぎるとYさんは顔に吹き出物がでるために、「当帰芍薬散」の服用の方が適切です。しかし、育児や仕事の両立をする生活の中で、お薬の飲み忘れが多く、真面目に服用することができないためにすぐに断念。それをすることで、気持ちが良い、リラックスできる、などの要素がないと続ける気になれないようです。

Yさんは、その症状とは別に5ヶ月ほど前より腱鞘炎、肩こり、ストレスからくる頭痛があり、その改善のために鍼灸治療を始めていました。Yさんからは生理の量が少なくなってきていること、極度の冷え症であること、そろそろ2人目を考えていること、も伝えられていました。

鍼灸治療は、Yさんがストレスを溜め込みやすいために「気滞」が生じ、それにより血流が悪くなっていること、またホルモンバランスが乱れていることに重点を置き、調整を行っていきました。

また鍼灸治療に併せてYさんには、自宅での就寝前の「棒灸による施灸」を行ってもらいました。ツボは「三陰交」と「関元」です。それを行うことで、Yさんは寝つきが良くなったと言われていました。根本に「冷え」があるからでしょう。

そして4ヶ月続けていくうちに、徐々に月経期が伸び、量もそこそこあるようになってきました。

しかし年末年始の期間、Yさんは家庭も仕事も忙しく、治療に通う機会を失い、約1ヶ月間治療が抜けてしまっていました。

徐々に腱鞘炎症状が出てくるようになり、頭痛が起こり、背中もつっぱってきました。おまけに基礎体温表も波状型になり、頬や顎には大きなニキビが出現してきたのです。

これがもし毎日続けられる漢方薬を服用していたのであれば、そこまで酷くはならなかったでしょうが、今まで鍼灸治療にて取り除かれていた「気滞」が、治療を中断してしまったことで生じ、それがあらゆる部分に悪さをした結果となってしまいました。

やっと治療に来られたYさんの頚、肩、背中、肘、足首などには多くの気滞が生じ、それがあることで筋肉が緊張し、頭痛などの痛みや冷えを生じさせていました。

もう1週間でも早くに処置できたら、回復も早かったでしょう。今回Yさんは治療を中断したことで、自分にはこの物理療法が必要だったのだと気づかされたようです。

何でも「止めて初めて気づくこと」ってありますよね。同じ治療が長引き、倦怠期に入っている人は、少しそれから離れてみても良いかもしれません。それの「有り難味」もしくはそれの「無意味さ」がわかるかもしれません。