カンジタ症

カンジタ症は、病巣が皮膚および粘膜に限局する表在性カンジタ症と深部臓器を侵す深在性カンジタ症、侵襲性カンジタ症とに大別されます。

その中でも表在性カンジタ症は、皮膚カンジタ症と粘膜カンジタ症に分けられます。

また粘膜カンジタ症は、大部分が口腔内あるいは膣に病変を生じるために、口腔カンジタ症、外陰膣カンジタ症と呼ばれています。

この症状は、消化管、膣、皮膚などに高い率で常在する菌が、病後や疲れなどにより抵抗力が落ちた際に内因的に感染を引き起こすと考えられています。

この治療としては、まずは外用抗真菌剤による局所療法が行われますが、難治の場合は内服による治療が行われます。

ある産婦人科病院に不妊の相談で行ったCさん。

そこで言われたことは、

「カンジタ症とトリコモナス症に罹っているので、まずはそれを治療しましょう。これが不妊の原因になっています。」

そして、それらの菌を退治する抗生剤である「ハリゾン錠」「ハイシジン錠」「メガキサシン錠」を出され、膣からの投薬もされました。

そしてその治療を続けて1ヶ月、「良く薬が効いてるよ。もう少し続けて服用してもらいます」とまたお薬は続きました。そしてその病院に不妊治療で通っている他の人の持って帰るお薬を見ると、自分と同じもの。次の人も。そして次の人も・・・。

確かに「カンジタ症」や「トリコモナス症」が結果として卵管癒着の原因となり不妊の要因となることがあるかもしれませんが、全てが全てその菌が存在するからといって、不妊の原因となるとは限りません。不審に感じたCさんは、病院を変え、今は漢方を服用しながら体の調整をされています。

もしCさんがカンジタ症の症状である痒みがある場合や、それを繰り返してしまう体質なのであれば、漢方で「竜胆瀉肝湯」や「水快宝」により、その体質を徐々に改善するように持って行きます。また痒みがある場合は、外用薬として「苦参」「竜胆」「馬歯見」を煎じた液を使ってもらうことで痒みを改善することができます。

特に抵抗力の落ちている妊婦さんなどは、カンジタ症に罹りやすいものです。この場合は、抗生剤は使用できませんので、是非安全な漢方薬の外用薬と内服薬(妊婦さんは上記のものとは異なります!)をオススメします。

どんな時でも強い味方の漢方。疑問に感じたとき、困っているときは、何でも訪ねてみてください。きっと力になることができるでしょう。

昔の社会に学ぶ

少子化社会対策は、様々な角度から行っていく必要があります。国や自治体の経済支援はもちろん必要ですが、そういった他人任せの対策を待っているだけではその改善スピードは遅いように思えます。

猿を研究している京大の教授が、面白いことに着目されていました。

人間に近い動物である「ゴリラ」「チンパンジー」「オランウータン」は、1産1子で、少子なのです。しかも母親が単独で子育てをするオランウータンが出産間隔が長く、父親が子育てをするゴリラが一番短いのだそうです。つまり、子育ての協力者が居る方が、子供をたくさん産む傾向にあるというのです。

人間もその昔は、同じ家に、何世代もの家族が暮らしていました。近所のおじちゃん、おばちゃんも気軽に子供を預かってくれました。そんな社会があったからこそ、子供を安心してたくさん育てることができたのではないでしょうか。猿とは異なり人間は、子孫を反映していく手段として、独自の社会生活を発展させていったのです。

核家族化したと言われて久しい日本社会では、その子育ての協力者が近くにいないために、母親が子育てを負担と感じることが多くなり、出産間隔が長びき、さらに一人っ子が増えていく傾向になっているのかもしれません。

この原因は晩産化も背景にあることでしょう。晩産化になれば、両親も高齢化し、子育ての協力者としては厳しくなっていることも考えられます。

今日本社会に必要なことは、何とか安心して子供を産み育てる環境を、地域の人たち、私達が自ら作っていくことです。人間だからこそできる、解決策があるはずです。

核家族化した結果、子育てが母と子だけの閉鎖的なものとなっている傾向があるように感じます。もちろん、いろんなサークルや習い事はあるために、それに参加することで他の人とのふれあいはあるのですが、「子育て」という面では、2人きり、というパターンが多く、そのために育児ノイローゼなどのトラブルが起こっているように思えます。

子育ては母性だけではできないのです。学んでするものです。身近な人達とたくさんふれあい、助言を得、手助けされることで自分も子供も成長していけるものです。

是非、ひよこママになった人、これからなる予定の人は、どんどん周りを引き込んで、良いとこ取りをしてください。きっともっと子育てが楽しくなることでしょう。

病院は怖いけど

38歳Oさん。キャリアウーマンだったOさんは、仕事に区切りをつけた2年前に結婚。

年齢のこともあるので、早めに子供を、と思っていたけどなかなか恵まれず。だからといって、病院での治療にはかなりの抵抗を感じ、行きたくない!でも子供は授かりたい!

こんな風に感じている人は多いのではないでしょうか。そんな人に是非オススメしたいのが、漢方薬です。

Oさんの場合は、以前から胃が弱く、自分なりにそれを改善するために「立君子湯」を飲んでみたら、調子が良くなってきたこともあり、漢方の方が病院よりも存在が近かったのでしょう、まずは病院に行く前に漢方をしっかりと試してみよう、と今年の年明けにお問い合わせをされました。

問い合わせをされた頃のOさんの体調は、まだ胃が完全ではなく、生理痛も少しあり、オリモノは少ない状態でした。また、ご本人は「もっとも妊娠しやすいニ相性」の基礎体温表と思っていた体温も、見てみると、排卵がスムーズにいっていないために、高温期への立ち上がりがスムーズではないものでした。

まずは、胃の調子を整えつつ、月経期の排泄を促し、子宮内を「お血」が溜まらないように綺麗にすることで生理痛をなくすこと、卵胞期の安定を測ることで、良い卵を作り、排卵がスムーズに行くようにすること、を重点的に考えていきました。

使ったのは、「水快宝」「オリジン」「杞菊地黄丸」「六君子湯」など。

1周期毎にOさんの基礎体温表と体調の変化をチェックし、微妙に加味したり、変法したりすることで、随分とOさんの体温が安定してきました。これは随分とにOさんの心が安定してきた現れとも言えます。心と体は同じです。心が乱れれば、体も乱れます。安定してきたのはとてもよい傾向です。

全てが安定してきたのは、漢方を飲みだしてから半年が経った6月です。

そして安定してから3周期目の今月、Oさんから喜びのメールが来たのです!届いたメールは、幸せに満ち溢れたものでした。

今は第一関門の陽性反応が出たところ。まだまだ安心できませんので、次のステップの心拍が確認できるまで、まずは保胎と安胎のための漢方を続けてもらいます。そして心拍が確認できれば、次は安胎はもちろんのこと、赤ちゃんの発育や成長を助け、賢く丈夫な子供になるようにサポートしていく漢方になっていきます。

このまま順調に次のステップをどんどん踏んでいけるように、漢方は後押ししてくれます。どんなときもいつでもも強い味方になれるように、私たちは待機しています。いつでもどんなことでもお尋ねください。漢方は怖くありませんから。

早期に対処が必要な痒み

疲れがたまり、抵抗力が落ちた時や、妊娠中にも起こりやすい陰部の痒み。

これは早期に対処したした方が良いので、恥ずかしがらずに症状を訴え、適切な治療を行ってください。

病因としては、肝経の欝熱が湿を伴う「肝経湿熱」によるもの、不衛生による病原菌の感染が起こったもの、肝腎不足のために精血が不足して生風化燥する「肝腎陰虚」によるもの、があります。

疲れがたまり、抵抗力が落ちたときになりやすいのが「肝経湿熱による痒み」、慢性疾患などで陰血が不足すると起こるのが「肝腎陰虚による痒み」です。細菌感染の場合は「肝経湿熱」によるものと捉え、妊娠中の場合はどちらの原因とも取れるでしょう。そのときの状態で判断します。

オリモノに白い粕のようなものが混じるなど、カンジタなどの細菌感染の可能性があるのであれば、早くに病院での治療を行った方が良いでしょう。そうではなく、痒みが時々繰り返される体質なのであれば、その体質を改善するように漢方薬で対処するのが良いでしょう。

28歳Kさん。

時々陰部の痒みが出て、病院での軟膏を塗って、一時治るのだけれどもまた痒みが出る、の繰り返し。何とかこのような痒みが起こらないように、体質を改善したいとのお問い合わせです。

Kさんは、甘いものが好きで、時に生理前など過食をしてしまうタイプです。そのように油ものや甘いものを過食すると、脾虚湿盛の状態が起こり、それに加えて、生理前のイライラ感が加わり、肝鬱化火となり、湿熱が下焦に溜まってくることになります。

その状態に、生理中の生理綿の不衛生が重なって、痒みが起こると考えられました。

その治療法としては、鍼灸治療であれば「陰陵泉」「豊隆」などにより、健脾と去湿、燥湿を測り、漢方薬では「竜胆瀉肝湯」で清熱利湿を測ります。

このお薬の清熱利湿作用により、湿を溜め込みやすいKさんの体質が徐々に改善されることでしょう。

人には言いにくいからこそ、辛い痒み。早くに対処しておきましょう。

赤ちゃんの姿

胎児の姿を見る方法はいろいろとあります。

2次元の「エコー」、それに奥行きをつけ、胎児の立体画像がみられる「3D超音波」。さらに胎児の3Dの立体画像を短時間で連続的に見せることで、リアルタイムの胎児の動きがみられる「4D超音波」です。

「3D超音波」では胎児の顔、手足が立体的に見られ、胎児の体表や骨の異常も診断することも可能となっています。

それに動きの加わった「4D超音波」では、胎児が指しゃぶり、背伸び、あくびなどをする様子が見られ、より動きの異常や心臓の動き、内部構造までも解析可能で、より詳細な診断が可能となっています。

「4D超音波」で動く姿を見ていると、もう赤ちゃんらしい顔をして、しっかり生きているのが見て取れますので、よりお腹の中で赤ちゃんが育っていることの実感が得られます。

今朝、秋篠宮妃紀子さまが男の子を出産されました。待ちに待った男の子。これで雅子さまの心が落ち着かれると良いですね。

「3D」「4D」などの今の超音波の技術では、かなり早い時期から性別がわかるようです。本人が希望しない限り、病院側としては性別を知らせないようですが、紀子さまの場合もきっと早くからわかっていたのではないでしょうか。

もちろん、跡継ぎ問題など抱えている家柄の人にとっては、性別は大変なことなのでしょうが、母親になる身としては、どちらでも子供は子供。可愛いものです。

早くから自分の赤ちゃんの動きを見ることのできる超音波。その姿を見ながらその子がこの世に産まれる前に、ぷれママ達は、しっかりと親となる心構えをするのでしょうね。

チェッカーがあるだけに

排卵がどの時期かを確認できる「排卵チェッカー」。これも使い方でイライラの根源になることもあります。

35歳Aさん。結婚5年目。結婚して間もなく何も計画もなく自然に妊娠したのですが、その後持続せずに流産。その後、3年経っても妊娠の兆しすらありませんでした。

婦人科で検診すると、ホルモン値など何も問題なく、原因がわからないので、少し排卵が早めということで、お薬が使われました。しかしそれをきっかけとして今まできれいだった体温が明らかに乱れ、体調も悪くなり、めまいも起こるようになってしまいました。

その結果、半年で薬をストップしました。しかしその後も不調が続くため、体調を整えるために漢方の扉を叩かれたのです。

Aさんにはまず体に残っているホルモンを取り除き、副作用を除去することで乱れてしまった体温を調整すること、から始めました。おそらく卵巣にもかなりの負担をかけてしまったでしょうから、こんな時には「シベリア霊芝錠」が強い味方となってくれます。それをベースとし、調整を行いました。

そして1年。やっともとのAさんの体調を取り戻すことが出来、体温も以前より増して良いものになりました。

今は病院へは排卵チェッカーをもらって、排卵日を特定し、タイミングを合わせる「タイミング療法」のためのみ通っています。医師からはお薬をすすめられますが、前のこともあり、Aさんにとってはその治療は避けたいところです。

病院からもらう排卵チェッカーはやはり市販のものよりも優れもので、排卵日を正確に特定することができます。しかしだからといって、その日のみのタイミング、というのはどうでしょうか。その日がもっとも妊娠しやすい日であるかもしれませんが、排卵チェッカーといえども多少の誤差はあるはずです。しかも義務的に月に1回だけタイミングを合わせるだけでは、ますます確率が低くなってしまいます。

Aさんの場合も結婚5年目で、だんだんと義務的になり、排卵チェッカーの示すまま「その日だけ」タイミングを取っているようです。女性の日は、そこが一番良い日でも、男性の日はその日は悪い日かもしれません。というより、男性の方が、寝不足、疲れ、ストレスに過敏に影響され、良くない日にすぐに陥るのです。

排卵チェッカーがあるだけに、「決められた日」にタイミングを合わせなければいけない、合わせられないとイライラする・・・なんてことが起こっているのではないでしょうか。

もっと自然のままに、オリモノが見えたら、その辺で・・・というので良いのではないでしょうか。

15年間待った後で

15年間、どこで何を「マウス」は待っていたのでしょうか?マウスにとって「15年間」というのはどんなに長い期間でしょうか?

実際には15年間もマウスは生きることができません。そのマウスはそのまま冷凍庫で15年間も待ち続けていたようです。では一体何のために?

もちろん実験のためなのですが、その実験というのが「15年間冷凍保存した体から取り出した精子を使って子供を誕生させること」なのです。

一昨日14日、それに成功したと発表されました。

使ったのは冷凍精子のみで卵子の方は冷凍されていないマウスでの実験ですが、それが成功し、子供が生まれ、正常に大人まで成長しているのには驚きを隠すことができません!

この成果は将来、絶滅した動物を蘇らせる可能性が出てきたと言われています。

この技術の医療分野への応用は考えられていないようですが、今度の不妊治療での精子を長期保存する技術にも応用できることでしょう。

しかし、何十年も何百年も保存されたものが、未来で使用されるようなことになるなど、まるで逆ターミネーターのような事態が起こることは避けたいものです。研究や技術が進んでいくのはとても良いことですが、やはりどんなことでも倫理の問題をしっかりと整理してから、高度な技術を使用して欲しいものですね。

気がついたときに

33歳Yさん。4歳になるお子様がいて子育て奮闘中。

もし2人目を考えるならそろそろの時期。これ以上歳が離れるとまた子育てが大変になってしまいますし、子供同士で兄弟の関わりを持ってほしいと思うにも限界です。

しかし4歳のTくんに「弟か妹が欲しい?」と聞いても「要らない」と言われ、Yさん自身も4年前の妊娠生活を考えるとしんどくて嫌だったこともあり、今まで次の子供を考えてもいませんでした。

ところが、最近、どんどん生理の量が減り、3日目にはもうなくなってしまう月もあるようになってきました。

まだ30代初めなのに、もしかしてこのままなくなってしまうのでは、ととても不安になってきたYさん。また、子供を見ていてやはり兄弟は必要かな、と思うようになってきて、まずは生理が年齢相応の量になるように調整したいと、相談に来られました。

Yさんは現在基礎体温表もつけておらず、以前つけていたときはガタガタだったということで、まずは3周期ほどは基礎体温表をつけてもらい、その中でどのようなホルモンバランスになっているのか見ながらお薬の調整をしていくように計画しました。

基礎体温表の意味もあまりわかっていなかったYさん。理想的な基礎体温表と以前つけていた自分のガタガタ基礎体温表を比べてYさんは「これで1人目がよくできましたね」と言われていました。

Yさんは若い頃は綺麗だった顔面部に、結婚少し前よりニキビがたくさんできるようになり、時に不摂生をしたときには、それが生き生きとしてしまいます。

そんなYさんには「婦宝当帰膠」は合いません。しかし「血虚」になっている部分を徐々に補っていかなければなりませんので、Yさんには3周期の間、「当帰芍薬散」を続けてもらうことにしました。それに加えて「三陰交」のお灸。

1周期後にはYさんの基礎体温表より、その原因が大体わかることでしょう。そして3周期後には生理の変化が見られるはずです。

きちんと体調を整えて、2人目を妊娠されたら、1人目のようにしんどい思いはしないで良いことでしょう。楽しく妊娠そして出産し、子育てするためにも体調を整えることが一番大切です。