本当の美しさ

20歳Nさん。すらっと背が高く、目鼻立ちの整ったNさんは、学生の頃から雑誌のモデルの仕事をしたり、TVに出たりしていました。

美しいことが売り物のその仕事ですので、いつもお母さんと一緒にアンチエイジングを売りにしているエステに通ったり、プラセンタの注射をしたり、サプリメントを飲んだり・・・と様々なことを美のために行ってきました。

ところが最近疲れが取れず、頚も肩もガチガチで足はむくみ、肌のハリもなくなってきた感じがするというので、漢方を試したいと来店されました。

足のむくみ、頚や肩の凝りは鍼灸治療を行い、そうなってしまった体質の改善のためには、毎日服用する漢方薬にて治療を行うようにしました。

Nさんのそれらの症状の原因は明らかで、夜が遅く、就寝時間が3時や4時になることが積み重なり、疲れが取れず、その様な生活スタイルでは陰の気が不足するために、「肌の弾力がなくなる」「肌の色のくすみ」などの症状が出てくるのです。

また毎日のそのような不規則な生活スタイルにより、生理が不順になり、決まった周期で生理が来ないことからもホルモンのアンバランスが見られます。これも体調不良や肌が不健康となる原因です。

その治療方法として、鍼灸治療のツボは「曲池」「三陰交」「行間」「三焦兪」など。

漢方薬は「婦宝当帰膠」「杞菊地黄丸」「逍遥丸」「紅サージ」です。

鍼灸治療は頻繁には来られないために、毎日続けられる漢方薬をまずは1ヶ月間続け、それによる体の変化を確かめ、また次の処方にて体の調整を行っていく形をとりました。

まだ20歳と若いので、自分で治る力は十分にあります。少し漢方の力を借りることで、その力も早くに働き、体力も肌も回復していくことでしょう。そしてそれとともに、乱れた生活スタイルを改善することも大切です。それが出来、トータルで良い生活スタイルを営むことで、早い回復を得られ、持続的な美しさを得られるものなのです。

女性にとって「生理」はとても大切なもの。それが乱れることは、体のバランスが乱れていることを示す大きな手がかりとなります。Nさんのように外見は美しくても、内面のホルモンのバランスが乱れていたりすることは、本当の美しさとは言えないでしょう。このまま行くと、不妊症のレールを辿ることになるかもしれません。

内面の機能を整えることが「美しさ」への道です。まずは内面を整え、内から輝く体になることができれば、アンチエイジングも夢ではありません。そしてその手助けをするのが、食養生であり、漢方薬なのです。