体に良い海藻類

日本は海に囲まれた島だからか、昔から食卓には「わかめ」「こんぶ」「のり」「もずく」「ひじき」「てんぐさ」などが良く並び親しまれています。

海藻には食物繊維やミネラルを豊富に含んでいることから、健康食の1つとしてイメージされるものです。

少し前に「痩せる」としてブームになった「寒天」。これも海藻の仲間で、不溶性の食物繊維を含む「寒天」は、腸の働きを良くして便の量を増やし、水溶性の食物繊維を含む「わかめ」や「こんぶ」は、血液中の血糖値のコントロールをしたり、コレステロールの上昇を抑える働きがあるそうです。

「もずく」などのネバネバ部分には「フコイダン」が含まれ、これが胃腸粘膜の潰瘍の修正に役立ったり、抗酸化作用、抗癌作用もあるようです。

またこれらの海藻にはカリウムがたくさん含まれ、ナトリウムと拮抗関係にあるカリウムは、味の濃い外食や添加物のたくさん含まれた食品を食する機会の多くなった現代の日本人には、必要不可欠なものだとも言え、それをたくさん含む海藻はまた必要不可欠なものと言えるでしょう。

ただ何でも「やり過ぎ」「取り過ぎ」は禁物。「ひじき」に微量だけれども含まれる「ヒ素」。妊娠中にはその摂取量に気をつけないとならない「ヨード」を含む「こんぶ」。妊娠中に「ヨード」を摂取しすぎると、赤ちゃんの甲状腺機能低下につながるというので、注意が必要です。

何でも「バランスよく」摂取することが大切。何か良いのか、どんな働きをするのか、その食物の性質を知った上で口にすることで、体のバランスは取れるものです。健康な体作りの基本は、「食事」です。漢方も同じ考え方です。そのお薬の性質を知った上で、口にすることで、体のバランスを取り戻すのです。

食事のコントロールでも追いつかないくらい体のバランスが崩れてしまったときは、漢方薬や鍼灸の力を借りると早くに治ります。乱れた食生活は、胎児や赤ちゃん、子供にも影響します。今一度本当に体に良いものを見極め、今の体に必要なもの(こと)が何なのかを見つけてください。