昔の社会に学ぶ

少子化社会対策は、様々な角度から行っていく必要があります。国や自治体の経済支援はもちろん必要ですが、そういった他人任せの対策を待っているだけではその改善スピードは遅いように思えます。

猿を研究している京大の教授が、面白いことに着目されていました。

人間に近い動物である「ゴリラ」「チンパンジー」「オランウータン」は、1産1子で、少子なのです。しかも母親が単独で子育てをするオランウータンが出産間隔が長く、父親が子育てをするゴリラが一番短いのだそうです。つまり、子育ての協力者が居る方が、子供をたくさん産む傾向にあるというのです。

人間もその昔は、同じ家に、何世代もの家族が暮らしていました。近所のおじちゃん、おばちゃんも気軽に子供を預かってくれました。そんな社会があったからこそ、子供を安心してたくさん育てることができたのではないでしょうか。猿とは異なり人間は、子孫を反映していく手段として、独自の社会生活を発展させていったのです。

核家族化したと言われて久しい日本社会では、その子育ての協力者が近くにいないために、母親が子育てを負担と感じることが多くなり、出産間隔が長びき、さらに一人っ子が増えていく傾向になっているのかもしれません。

この原因は晩産化も背景にあることでしょう。晩産化になれば、両親も高齢化し、子育ての協力者としては厳しくなっていることも考えられます。

今日本社会に必要なことは、何とか安心して子供を産み育てる環境を、地域の人たち、私達が自ら作っていくことです。人間だからこそできる、解決策があるはずです。

核家族化した結果、子育てが母と子だけの閉鎖的なものとなっている傾向があるように感じます。もちろん、いろんなサークルや習い事はあるために、それに参加することで他の人とのふれあいはあるのですが、「子育て」という面では、2人きり、というパターンが多く、そのために育児ノイローゼなどのトラブルが起こっているように思えます。

子育ては母性だけではできないのです。学んでするものです。身近な人達とたくさんふれあい、助言を得、手助けされることで自分も子供も成長していけるものです。

是非、ひよこママになった人、これからなる予定の人は、どんどん周りを引き込んで、良いとこ取りをしてください。きっともっと子育てが楽しくなることでしょう。