増加傾向の感染症

先日昨年度に実施された人工妊娠中絶の件数が、前年度よりも減少し、過去最少だったことが厚生労働省の調査により報告されました。それは避妊知識の普及や、経済状況が良くなってきた影響だと言われています。

ところが反対に増加しているのが「性感染症」。若い世代を中心に予防が不十分であることも1つの原因であるようです。

感染している場合、悪化する前に、検査で早期に発見し、治療を受ければ軽症で済みますが、進行するとがん細胞に変異することもあるために、その危険性を伝えることが大切です。

原因はヒトパピローマウィルス(HPV)に感染することですが、性体験のある女性のほとんどが感染するウィルスで、通常は感染しても自然に体外に排除されるものです。

HPVの種類は約100種類。がんを引き起こしやすい「高リスク型」と尖形コンジローマになる「低リスク型」があり、高リスク型であれば、子宮頸がんなどにも発展する恐れがあるために早期の発見・対処が必要です。

またクラミジアなどではそれが原因で卵管癒着が起こり、不妊症に繋がる恐れも出てきます。

いずれにしても、なかなか恥ずかしくて病院には行きにくいものばかりです。「もしかして」と感じたら、自宅で細胞を採取し、郵送で検査する方法も始まっています。まずはその方法を利用し、チェックし、感染の疑いが大きくなれば病院に相談に行くのでも良いでしょう。

そして治療が終わり治癒した後は、再発しないように生活をしなければなりません。

通常は感染しても排除する力が備わっているはずであるのに、それを持ち続けてしまうという体質であるために再発してしまうとも考えられます。その体質を改善しておけば、再発も逃れることができます。それには漢方が強い味方になってくれます。

一番に考えられるのは痰湿タイプ。湿を溜め込み、ジメジメした環境を作りやすい体質に起こりやすい症状なのです。その方の体質にもよりますが「竜胆瀉肝湯」が有名です。

様々な対処方法が漢方でも可能です。お困りであれば、是非一度ご相談ください。