焦る気持ち

37歳Aさん。

「焦らないでゆっくり体の調子を整えましょう!」と言われ、それまでの病院のホルモン治療も休み、漢方の周期療法に治療を一本化され、1年。

1年前、ホルモン治療を始めてから常に張っている下腹とガタガタ波状の基礎体温表を目の前にして、Aさんはそのことを決意されました。

しかしあれから1年。同じ不妊仲間にはどんどん妊娠の話が出てくるのに自分にはなかなかそれがやってこない、このまま続けていて効果があるのだろうか・・・、また病院の治療を始めたら良いのだろうか・・・。不安と焦りが自分の奥底から込み上げてくるのが感じられました。

そんな風に感じている人が多くいるのはないでしょうか。そして「効き目がない」と止めてしまう人もいるのではないでしょうか。

確かに「妊娠」そして「出産」という結果がゴールなのですが、そこまでたどり着くまでには今までの長い人生を振り返り、バランスが崩れてしまったところから原因を探り、調整し、立て直さなければなりません。

1年間という期間は、37歳の歳から考えると長く重要な期間です。こんなにも長い期間をかけたのにゴールにたどり着かない、という気持ちは、必然的に焦りに繋がってしまうことでしょう。

しかし、1年前を振り返ると、その時点でのAさんの体が明らかに今とは異なり、下腹の症状、基礎体温の乱れなどは、比べものにならないくらいのものだったはずです。今まで体に多くの負担をかけてしまったこと、妊娠しにくい体になってしまった歴史、から考えるとたった1年間でかなり改善されているとも言えるのです。

「1年間」の区切りの時に、「焦らないで」の言葉を使うのは難しいことだと感じます。年齢や今までの治療の歴史を考えると、焦ってしまって当たり前なのですから。

焦って、迷っているときは、まずはどうしたら良いのか、ご相談ください。その人の体質や症状によって、西洋医学の良いとこ取りをして、反対に漢方の良いとこ取りをして、治療を併用してすすめていくこともおすすめできます。

何をするのが自分に良いのか、共にゆっくりと考え、自分なりの答えを見つけ、また次のステップを踏めるようにしていくのが最適です。