子供の肥満

「成人病」が「生活習慣病」と言われるようになってから久しいですが、「生活習慣病」は「成人」がなるだけではなく、「子供」もなるものなのです。

その「生活習慣病」の対策を、成人になってから行うのでは「習慣」となったものはなかなか変えられない苦労があることも然り、その習慣になった「体質」を変えるには遅すぎる、ということで、厚生労働省が新たに「子供の肥満予防」に取り組むことを決めたようです。

来年度に5都道府県の10箇所をモデル地区とし、家庭と学校、地域が連携して肥満解消を目指し、2010年度までには肥満の小中学生を7.0%以下にする方針だそうです。

ここ20年で「肥満」と診断された小中学生の割合は、約1.5倍に増加し、2003年のデータによると、小学4年生の肥満の割合は、9.0%、中学1年生は10.8%となっています。

「肥満で国が滅びる」と言われるアメリカでは、ゴールデンタイムの子供がテレビを見る時間に、お菓子のCMを減らすなどの取り組みがされているようですが、その効果はいかなるものでしょうか。

アメリカや西洋文化に憧れて走り続けてきた日本社会は、本来の「日本独自」の生活を見直すときが来ているのではないでしょうか。

少し前の時代までなら食卓に並んでいた「野菜中心のバランスの良い食事」を、今は改めて小学校の総合時間で教えているようです。もしかして、お母さんのお手伝いをしながら「一緒にご飯を作る」という姿も少なくなってしまったのでしょうか。

少子化社会で「幼い頃から良い教育を与えよう」と就学前の乳幼児にかける教育費もますます増加しているといいます。「お手伝い」も「生活習慣病予防」や「生きるための知恵をつける」教育です。「肥満社会」とならないようにするためには、「家庭での意識改革」が一番必要なのかもしれません。