原因は?

「下唇の下の方に赤い筋が現れるんですけど、何でしょう?鍼で何とかなりますか?」

26歳Eさんが3ヶ月ほど前に鍼灸治療に来られた際に言われました。もともとアレルギー体質で頚肩凝り症のEさんは、近くにお住まいの2年前にはほぼ週1回のペースで鍼灸治療に通っておられました。

その間、頚肩凝りが良くなっただけでなく、アレルギーの症状が出ることも少なくなり、肌の調子が良くなり、以前はシーズンに1回は耳が痛くなり、耳鼻科のお世話になっていた症状も全く無くなったと言うので、楽しく治療に通っておられました。

しかし半年前に大阪から飛行機で1時間半ほど離れたところへ居住することになってしまいました。3ヶ月に1回くらいの割合で、その他の用事も兼ねて、Eさんは鍼灸治療に足を運んでくださっています。

3ヶ月前のEさんの「下唇の下の方の赤い筋」の症状は、場所的に明らかにホルモンバランスが崩れているものと思われました。Eさんは少し前に歯医者に掛かった時、抜歯の際の強い麻酔が原因だと思っていたようです。麻酔をしたのはその側の下歯でしたので、その影響でアレルギー反応が出たのだと思ったのです。

しかしその麻酔をしてからやや1ヶ月は経過しているのにまだその赤い筋が出ているのは、おかしいことです。麻酔の影響であればもう回復しているはずです。それがまだ存在するのですから他の原因であるはずです。

「きっとホルモンバランスが崩れているはずですから、基礎体温表をつけてみてください」と指示しました。

そして約3ヶ月が経ちました。

あれからEさんは真面目に基礎体温表を付けていました。そして自分の体調が手に取るようにわかってしまう基礎体温表に、驚きと楽しさを感じているようでした。

「ちょうどお正月前後に無茶してたらこんなになって、生理が来なかったんです!」

その時期の基礎体温表は、延々と低温(卵胞)期が続いていました。そしてミニ高温期が出来て、来朝していました。またその時期のお肌の調子は最悪だったらしく、顔は赤く腫れあがり、熱を持っていたようです。まさに血熱です。出るべきものが出ずに熱となってEさんの弱い皮膚に症状が出たのでしょう。

今周期はきちんときれいな体温を現し、予定通りに来朝していました。

そして「下唇の下の方の赤い筋」の症状は、以前より薄く、出ない日もあるようになったようです。

その症状が、Eさんが無理をしていることが分かるリトマス紙のようなものだと言うことを告げ、Eさんには生活スタイルに気をつけてもらうように話をしました。

以前であれば定期的に鍼灸治療にて調整することができましたが、距離が離れてしまった今は、ある程度のことは自分自身でケアしてもらわなくてはなりません。今までの無理しすぎていた生活から、自分をケアする良い方向へ進めるように3ヶ月ごとにこれからも指導をしていく予定です。