腎陰虚

腎陰虚に対する治療法則は「滋補腎陰」「滋陰降火」です。漢方薬は「六味地黄丸」。症状は「腎虚」の症状に加えて「手足がほてる」「頬が紅い」「口渇」「不眠」「潮熱」「便秘」などです。

それよりももっと熱象が強い「陰虚火旺」の場合は、それに「知母」と「黄柏」を加えた滋陰清熱作用のある「瀉火補腎丸」を使います。症状は「六味地黄丸」の症状の「手足のほてり」「口渇」「潮熱」などの熱象がより強く現れます。

これらの漢方薬は、補腎陰が必要である卵胞期によく使用します。特にホルモン療法により基礎体温が高くなってしまった場合、また更年期様症状により卵胞期の体温が高めの場合、に使用します。

39歳Iさん。漢方のことを勉強され、ご自身が医師であるために自分で自分の漢方処方を行い、周期療法を試みられていました。

ホルモン療法を行っているわけではありませんが、卵胞期の体温が高めであることから「六味地黄丸」を、また「お血」症状があることから「冠元顆粒」を服用されていました。

何となく改善されてきたように思えましたが、改善のスピードが今ひとつだったために、また自分なりに処方を変えていきました。しかしだんだん卵胞期が乱れ、それに連れて黄体期も乱れてきてしまいました。結局自分でどうしたらよいかわからなくなり、一度診て欲しいと問合せをされました。

まずは崩れてしまった体調の立て直しが必要です。決して処方が間違っていたわけではありませんが、もう少しそれに加えたら良いものやこの時期には飲まない方が良かったものなどがあったようです。

道に迷ってしまったときは、そのまま先に進まずに、正しい道を確かめることをおすすめします。