周期11日目の出血

月経期でもないのに「出血」が起こる「不正出血」は不可解なものです。一体何が起こっていて出血しているのか、心配になります。そんな時に、基礎体温表をつけていると、何が原因で出血が起こったのかが大体わかり安心します。

33歳Kさん。「周期11日目で出血しているのですが、どうしたら良いでしょう?お薬はそのまま飲んでも良いでしょうか?」との問合せ。

しかしKさんは基礎体温表をつけておられないので、どんな状況下で出血したのかが把握することができず、通常であれば黄体(高温)期になる3~4日後が過ぎたもう少しの期間、様子をみてもらうことにしました。Kさんは基礎体温をつけることがストレスになるためにつけておられませんが、この様な通常でないことが起こったときに、少し不便な上に心配が募ってしまいます。

基礎体温表をつけていた場合の「周期11日目の出血」の分析は、以下のようになります。

①卵胞(低温)期であった場合は、卵胞(低温)期の不正出血となります

②排卵期の出血なら排卵期出血になります

③黄体(高温)期なのに体温がガクッと下がってしまったときの出血なら、ホルモンのアンバランスによる不正出血です

④黄体(高温)期の体温が37度を越えるような高い中での出血なら、血熱による不正出血です

⑤月経期の延長上の出血なら、月経期排泄不充分による不正出血です

⑥過度の疲労やストレスがかかった後の出血なら、体調を崩したことが原因の不正出血です

その量や期間にも寄りますが、月経血の排泄不足による不正出血の⑤以外は、排泄を促す漢方薬ではなく、止血や補気作用のあるものを使用することになります。また統血作用が弱っていることも多くみられるために、「脾」を補うものを併せて使っていきます。

どの漢方薬を使うかは卵胞(低温)期や黄体(高温)期によって異なってきますので、その症状が起こった時が周期のどこに当るのか、を知ることができていれば早くに対処することができるのです。

妊娠や出産を望んでおられない人でも、もし不正出血などの症状がみられる場合は、是非基礎体温表をつけてみてください。原因がわかり、安心することができます。