怠け病

中学生や高校生などの思春期によく見られる「怠け病」。でもこれは決して怠けているわけではないこともあるので、注意が必要です。

それは「起立性調節障害」というものかもしれないからです。午前中は低血圧や立ちくらみが起き、朝なかなか起きられないという症状が起きます。ですので自然と学校への遅刻が増え、休みがちになってしまいます。ところがしんどいので休んでいると、昼から元気になるので、親や教師は「登校拒否」や「怠け病」と思ってしまうのです。

また、同様に「頭痛」や「朝起きても疲れが取れずなかなか起きられない」といった症状は、「寝不足」が積重なったために体内時計が狂い、起きる症状です。これも「怠け病」と勘違いされやすいものです。これは「小児慢性疲労症候群」です。

どちらも様々な生活環境の背景に起こってくるものですが、夜遅い塾通い、ゲームや携帯メール、メディアに囲まれて過ごすようになった現代病と言えるかもしれません。知らず知らずのうちに成長ホルモンのバランスが崩れたり、自律神経の働きが悪くなったりすることで、症状が出るようになってしまうのでしょう。

どちらも早いうちに対処できれば、早く元気なお子様に会えることができます。

西洋医学的な治療を進めながら、お子様でも安心な漢方薬の力も借りればもっと早くに快復します。

例えば胃腸が弱いお子様であれば胃腸を整えるものを、倦怠感を感じるのであればそれを取るようなものを、眠れないのであれば安神作用のあるものを、調整しながら様子を見ていくことになります。

しかし、お子様にとって何よりも一番よく効くお薬は、「親の理解・愛情」です。お子様の不安定な状態を理解し、支え、決して甘やかすのではなく、しかし強制する事もなく、元気を取り戻せるように導くことが大切です。

お子様が何か不調を見せたときは、何らかのサインです。もしかしたら「愛情不足」かもしれません。決してサインを見逃すことなくサポートし、もし見逃して少し症状が出てしまった時は、医療の力、そして漢方の力、鍼灸の力を借りてみてください。お子様が元気に大人になっていくためにも、早めの対処をしてください。