月経期に排卵?

生理が始まったので、採卵のためにクリニックに行ったIさん。

まだ月経周期4日目にも関わらず、エストロゲンの数値が排卵期の400pg/ml近くで、排卵前だと診断されました。

それから3日後にはIさんの体温は、36度7分をすっかり超える高温となり、排卵後の高温期に突入していました。

このように低温期に入るまでに既に卵胞が大きくなり、周期1週間も経たないうちに排卵することはよくあることです。しかし今回のIさんの採卵予定は、次回に見送られることになりました。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

それは排卵促進剤などを使用したり、多嚢胞卵巣などの場合は、卵胞が多くでき、前周期で排卵しきれなかったものが残り、今周期の月経期に排卵された結果なのです。

今回のような場合は、卵胞は前周期のものではありましたが、しっかり排卵し高温期になりましたので、漢方の周期療法のお薬は「高温期」のものを服用することになります。

39歳のIさんは、今までに5回の人工授精、5回の体外受精をされ、たくさんのホルモン剤を使用してこられました。卵管に少しの癒着が見られるようですが、それほどこれといった問題もないのですが、人工授精や体外受精に数多く取り組んでこられました。

年齢的にも徐々に自分持つ卵巣の力が弱ってくる頃でもあるのですが、その際のお薬によりそれを更に弱めてしまっているように思えて仕方がありません。

ご本人も今回のような症状は今までにはなかったことから、だんだんと不安が募り、このまま何をどのように続けて行ったらよいのか、わからなくなってこられたようです。しかし年齢のこともあり、焦るばかり・・・。

同じように焦ってしまって、高度医療を進めていくうちに、そこまでバランスが崩れていなかったはずの身体のバランスを取り返しがつかないくらいまでも大きく崩すことになった人は多くおられることでしょう。

決して高度医療を止めるのを推奨するのではありません。

例えば、ホルモン治療などを3周期進めて、その後は、漢方などで身体の調整を3周期行い、また西洋医学の治療を進める、という形を取っていく方が良い結果に繋がっていますので、その方法を推奨したいのです。

治療の迷路に入ってしまった人は、今一度、一番良い方法は何なのか、立ち止まってお考えください。焦れば焦るほど夢は遠くなってしまいます。早くに夢を掴むためにも、早めの決断をしてください。