偏頭痛の対策
もともと偏頭痛持ちの32歳Nさん。今までは偏頭痛が起きると気持ちが悪くなり、嘔吐してしまうので、そうなる前に痛み止めのロキソニンを服用していました。
しかし妊娠中のNさんには西洋薬の痛み止めは、服用することができません。だからと言って、偏頭痛はなくならず、定期的にその症状が訪れるのです。その症状が訪れると、会社を休み、家では嘔吐を繰り返す日々でした。
たまたま近くまで仕事に来られていたKさんは、「鍼灸治療」の看板を見て来店されました。しかし求められた治療は、「鍼灸」でも「漢方」でもなく、「指圧」の治療でした。
Kさんの症状を診ると、その偏頭痛は主に左の肩から後頭部にかけてのもので、その部分がかなりの緊張状態になっているために起こるものだと思われました。
通常であれば、Kさんのタイプから「痰湿中阻」と捉えられ、その改善方法としては「燥湿化痰」を行い、ツボとしては「風池」「中脘」「豊隆」などを使用するのですが、Kさんは現在妊娠中ですので、それらのツボは使用できません。
しかし全体の流れをよくし、溜まっている「湿痰」を除かないことには今後おそらく「妊娠中毒症」が出てくることでしょう。
従って、「三陰交」をうまく使い、運化機能を上げることで流れを良くしてその症状を和らげるようにし、上部背部の夾脊穴、安胎のツボの「至陰」を調整していきました。週1回の治療です。
その後、時々「偏頭痛が起きるかな」という感じはあっても、以前ほど嘔吐するような酷い症状は出ていないようです。
先日来店された際には前回の検診で、逆子だったとのことでしたので、逆子の治療を加えました。治療の最中に赤ちゃんがグルッと動き、元に戻ったようです。おそらく職場の冷房で足が冷えたためでしょう。
妊婦さんは、これから暑い夏の冷房には足を冷やさないように気をつけてください。赤ちゃんの環境が悪くなってしまいます。