子供を持つ幸せ

『「子供を持つことができる」ということが支えになり、辛い治療も耐えることができた』とがん治療を行った25歳Nさんは語ります。

抗がん剤などの影響で、不妊になっても妊娠できるように、がん治療を受ける前に卵子を採取し凍結する保存技術の進歩は著しく、融解後の卵子の生存率は95%を超えるようです。

しかし全ての患者が採卵できる条件が揃っているわけではなく、採卵までには1ヶ月弱の期間を要するために、病状が安定していることが必要です。そのためにがん治療前に卵子を採取・凍結することを断念する患者も多いようです。

そこで別の取り組みとして、放射線治療の際に、卵巣機能をできるだけ温存するために、卵巣の上に放射線を遮断する板を覆うなどする臨床研究も始められています。

そしてさらに、卵巣組織の一部を凍結保存して、がん治療終了後に凍結組織を患者にもどす方法で妊娠の機会を提供できるような治療もなされています。この方法であれば、卵巣はすぐに採取できるために諦めることもなく、がん治療後に自然妊娠する可能性もあるといわれています。

昨今、婦人科系のがん患者が急増しています。乳がんの発症率も30歳以下で増加しているといいます。乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝えるピンクリボンキャンペーンなどの活動により、早期がん治療の成果が上がっている一方で、その後の不妊対策も同時に取り組んでいかなければならないと考えます。

しかし一番大切なことは「がん」などの病名がつく前に「未病」の治療をすすめていくこと。「未病」は病気になっていない状態を現すのではなく、「未だ病にならず」という意味で、もう既に体の中では経絡的にバランスが崩れている状態なのです。

その状態を発見し治療をすすめ、「病」にならないようにするのが「東洋医学」の強い部分です。西洋医学では何ら病名がつかない状態で、治療の方法もありません。是非、「未病」を早期に発見し、漢方薬もしくは鍼灸などで治療をされることをおすすめします。

「子供をお腹の中で育てそして産む幸せ」は女性の特権です。どんな時も諦めないで、しかし焦らないで、その幸せを掴みましょう。