2つの選択

鍼灸治療に来られている86歳Cさんのお孫さんのお話。

たくさんのお孫さんとひ孫さんがいらっしゃる中で、一昨年と昨年に出産された2人のお孫さんのお話です。

出産前に、2人とも子宮筋腫がありました。どこにどれくらいのものがあったのか、Cさんはご存知ありませんでしたので、詳しいことはわかりません。

一昨年に出産した孫のSさんは、出産前に子宮筋腫核手術を行い、その後妊娠・出産されました。一方、昨年に出産した孫のTさんは、出産前に子宮筋腫があることはわかっていましたが、婦人科医の判断で、妊娠・出産に問題ない位置なので、そのままで手術を行わなくても大丈夫、と言われたため、筋腫をもったまま妊娠・出産されました。

しかし筋腫を取ったSさんの場合は、何も問題なく出産したのに対し、筋腫を持ったまま妊娠したTさんは、妊娠後も何度も不正出血の症状があり、いつも調子の悪い顔色をされていたようです。また出産時も産道で赤ちゃんと共に大きく育った筋腫が邪魔をし、赤ちゃんがなかなか出られず難産となり、出血も多く、大変な思いをされたようです。

出産前からそのような状態だった上に出産時も多くの負担が母体にかかり、出産後もTさんの体調が優れなかったことは言うまでもありません。

結局、出産時か出産後かにTさんの筋腫は取り除かれることになったのですが、この様な結果になるのであれば、妊娠前に除去しておくべきでしたが、これは予期できなかったことでしょうか。

Cさんも孫のTさんの判断を聞いたときに、同じ症状で1年前に出産している孫のSさんのことがあったので、「取った方がいいのでは?」と言ってみたけれどお嫁さんの手前上あまり強く言うこともできなかったとお話されていました。

Tさんは出産後もう1年が経とうとしていますが、未だに体調が完全ではないようです。

できれば「婦宝当帰膠」をすすめたいところですが、お嫁さんと孫のTさんに理解してもらうには大きな壁があるようです。出産前にも、もし理解してもらえていれば、筋腫を持ちつつそれほど大きくならないように漢方にて調整しながらもっとスムーズに出産できたかもしれません。

出産時に「血の道症」になってしまったら、その後の人生ずっと、それを引きずっていかないといけなくなるかもしれません。「血の道症」にならないように、出産は問題なく終えたいものです。後悔しないように、一つの診断で迷ったら、別のところをあたる勇気を持ってください。今やセカンドオピニョンができる時代です。セカンドオピニョンには、最低でも3箇所は行くと良いようです。

是非、納得いく診断により、自分にとって一番良い選択をしてください。