切迫流産

最近、妊婦さんで「切迫流産」と診断される人が多いようです。

妊娠22週までに赤ちゃんが母体から外に出てしまうことを流産といいますが、出血や下腹部痛のような症状がありながら、流産にはなっていない状態のことを「切迫流産」といいます。

一般的には胎児が正常に発育しているにもかかわらず出血があるケースを指すことが多く、適切な治療により正常の妊娠経過に戻ることができるようです。投薬治療としては、「止血剤」「子宮収縮抑制剤」「HCG」「黄体ホルモン剤」になります。漢方薬では「衛益顆粒」「帰脾錠」を服用することが多いです。

この「切迫流産」になってしまう妊婦さんが多く、治療方法は「安静にすること」であるために、仕事を突然休職しないといけなくなったり、家事が何もできなくなってしまいます。最近の夫婦は共働きが多く、妊娠してもいつものように仕事を続けて無理をしてしまうから「切迫流産」が多くなっているのでしょうか。

「安静にすること」ができれば問題がないので良いのですが、このような状態になるまでに何とか無理をしないように、冷えないように、気をつけて欲しいものです。

昨年夏から漢方の周期療法をしている33歳Mさん。

「排卵障害」があるとのことでしたので、「排卵期」に「冠元顆粒」「爽月宝」などをしっかり使用し、それに加え、「卵胞期」に質の良い卵ができるように工夫を重ねていました。

そして、自然妊娠で今月に妊娠の報告を受け、順調に順調に時が経ち、やっと先日心拍が確認できた矢先のことです。

「出血したので病院に行ったら、『切迫流産』との診断を受けた」とのこと!

今のところ、心拍も確認できていますので、出血したのは赤ちゃんからのものではなく胎盤からのものですので大丈夫でしょう。安静にしていれば大丈夫なのですが、「安静以外に何かするべきことはないでしょうか」との質問をMさんから受けました。

もちろん、「保胎の漢方薬」はそのまま服用をつづけてもらい、その上で、無理をしないこと、お腹や足を冷やさないこと、に気をつけてもらうようにするとともに、もし余裕があれば、お腹に繋がっている「三陰交」と「至陰」の「お灸」をススメました。

これで無理をしなければ無事出産まで辿り着けるはずです。不安定なこの時期は、まだまだ長い道のりのように思えますが、安胎期に入ればトントンと進んで行くことでしょう。それまではゆっくり安静にしていてください。