漢方から見たPMS

PMS(生理前緊張症候群)に悩む女性は多くいます。この症状は、ご主人などの男性には理解してもらいにくく、辛いものです。

生理前に起こる様々な症状は、ホルモンのアンバランスによるものです。女性は月経周期があるために、その周期によりホルモンのバランスが変わっていきます。誰にでも多少のPMSはあるものですが、それが生活上支障を来たすほどになると、コントロールが難しくなってしまいます。

PMSにも様々な症状があり、「だるい」「むくむ」「過食気味になる」といった症状であれば、「黄体ホルモン」のちょっとした悪さで、さほど問題なないのですが、「我を忘れてあたり散らす」「自虐的行為がエスカレートする」「朝起きられない」などのきつい症状が起こると、自分自身も周りの人間もどうしたら良いのかわからなくなってしまいます。

何とか改善したい症状です。

漢方ではその症状は、「肝陽上亢」であると捉え、その状態がさまざまな症状である「過食」「イライラ」「落ち込み(うつ的症状)」などに陥りやすくなると考えます。

また「肝脾不和」になっているとも捉えられ、それを改善するための漢方薬は「逍遥丸」や「加味逍遥散」などを使用します。

それらの漢方薬により、「肝陽上亢」「肝脾不和」を調整し、PMSを起こりにくくなるように体調を整えていきます。

本日お問い合わせのあった25歳のMさんは、内膜症もお持ちでしたので、「婦宝当帰膠」「逍遥丸」に加えて「爽月宝」もおススメしました。

漢方薬は、1つのものの働きよりも、相互作用によって症状を改善していくことが多いものです。Mさんの場合も、これらの3種類を併用することにより、「肝陽上亢」を鎮めるばかりでなく、生理前には血流が悪くなることを改善し、内膜症の炎症を抑えるようにすることで、「お血」を生じさせないようにし、全体としてPMSを改善することを目的とした治療方法です。

一言にPMSと言っても、人それぞれに体質や症状も違うはず。是非、ご自分に合った改善方法を見つけてください。