妊娠中の出血

妊娠中に出血すると、危険事態です!妊娠初期、後期を問わず、出血したら早めに産科を受診してください。

問題なければ漢方の「田七人参」「衛益顆粒」などをお勧めしますが、時として重篤な疾患である場合がありますので、注意が必要です。

妊娠初期の出血は、着床出血や不要な内膜が剥がれ落ちた出血や流産の可能性など、割合としては高いものですが、妊娠後期の出血は今まで順調だったところに突然「出血」と「下腹部痛」が起こり、そう頻繁に起こるものではありませんので、注意が必要です。

妊娠後期の出血の原因として多いものは、「子宮頚管ポリープ」、「腟炎」などですが、重篤なものとしては、「早産」、「前置胎盤」、「常位胎盤早期剥離」などの疾患がありますので、早くに診てもらう必要があります。

早産は37週未満で分娩が始まることですが、その後の新生児のケアは新生児集中治療室(NICU)にて行われることになります。

通常は2,500g未満を低出生体重児と言いますが、その出生体重が300gを超えた場合は、NICUにて蘇生を行いケアしていく必要があります。300gと言えば、小さすぎる大きさです。その手の大きさは10円玉ほど。それでも命があるのです。母親にとってはかけがえのない命なのです。

晩婚・晩産化で35歳を過ぎて出産する女性、また不妊治療による多胎出産が多くなっているために、超未熟児での出産、疾病をかかえての命、など多くのリスクが付きまとってきます。しかし以前なら救えなかったその命も、NICUの進歩により助かる割合が9割になったと言われています。

いろんなリスクを乗り越えてこの世に産まれようとしている命。その命を無駄にしないように、妊娠中のあらゆる変化には耳を傾けて、問題なくこの世に出てこられるようにしてあげてください。