新しい補腎薬
この秋から商品化された「参馬補腎丸」。同じように「海馬」を使った「海馬補腎丸」とは、少し働きが異なるものです。
どちらも「腎」を補う薬です。特に「腎陽」を補うものとなっています。
「参馬補腎丸」は「海馬補腎丸」よりも入っている動物生薬が少ないために、陽を補う力は弱いのですが、その分、「脾経」の力を補うものがたくさん入っています。
男性に使用する場合は、若い人で元気のない人に良く、女性であれば、腎陽虚で全体的に体温が低い力不足の人に良いものです。また脾経を強めますので、脾経が弱る傾向にある女性にとっては尚更良いお薬です。
従って、周期療法にて使用する場合は、全体的に体温が低く、「腎陽虚」が著しい人には全周期通しの処方として使用したり、高温期の体温が低かったり、伸びが悪い場合に、「参茸補血丸」と共に使用したりします。
37歳Oさん。低温期が20日と長く、高温期になったかと思えばそれを保つ力が弱く、期間が10日ほどしか続かず生理になってしまいます。
オリモノはあるので、低温期は長いのは少し多嚢胞性卵巣気味なのかもしれないために卵胞期に「シベリア霊芝錠」、そしてもう少し腎陽の力が欲しいので、高温期に「参馬補腎丸」にて改善を計りました。
すると、それを飲み始めたその周期、いつもなら20日間ほど続く低温期が16日になり、その後しっかりと排卵し、体温はきれいに上昇、高温期も12日間と長くなったのです。
とても早い改善です。Oさんにそれらの漢方がぴったりと合ったのでしょう。その調子であれば、近い未来に良い便りが届く予感がします。もうしばらく様子を見ながら、Oさんの体調を整えていく予定です。