素敵な誕生日

昨年の誕生日に180日目で待ちに待った生理が来たYさん。

その180日間はYさんにとって辛い日々でした。

そこに至るまでの数年間も、様々なことがYさんに起こっていました。

もともと生理不順気味だったYさんは、25歳の結婚後3年間、不妊治療を受け、あらゆるホルモン剤を服用したり、投与したりしていました。そのうちにYさんの不妊治療に対する心配が不安へ、そして恐怖へと変わっていき、精神不安定になり、安定剤を服用する毎日となってしまいました。

更なる体調不良に拍車をかけたのは、腹腔鏡による内膜症検査でした。お腹の下に穴を開け、そこから腹腔鏡を入れ、検査が行われました。結果はなにも問題なし。

しかしそれ以降、原因不明の下腹部痛に襲われ、病院に痛みを訴えると「痛み止め」や「安定剤」を処方されました。「卵巣に血が溜まっている」と注射で血を抜かれることも何度かありました。

何のために、何の薬を飲んでいるのかわからない日々が過ぎていきました。

そして気づいたときには以前はニ相性だった体温が、かなり激しい波状型になっていたのです。刺々したその体温表の形を見るたびに、心が痛み、気持ちも刺々しくなり、時には泣いたり、時にはやる気がなく落ち込んだり、夜は興奮して寝られず、この気持ちをどこへ持って行ったら良いのかわからず不安な毎日が過ぎていきました。

そして生理が来なくなりました。

生理が来なくなって3ヵ月後、漢方を飲み始めました。

Yさんの場合は、月経周期を整えることよりもまずは気持ちを落ち着けるような「安神作用」のあるものが必要でした。また卵巣が腫れていることを沈めることも大切でした。使ったのは主に「婦宝当帰膠」「シベリア人参茶」「感のう丸気」「シベリア霊芝」。

そして約3ヶ月目の180日目の誕生日に、体温表はまだ刺々しいけれども生理はやってきました。

あれから1年。

体温表は刺々しいのは治まり、高温期が来ると、必ず生理が来るようになりました。でもまだ周期は65日や70日といったところ。

しかもまだ原因不明の下腹部痛は、周期的にやってきます。まだ気持ちが落ち着かない日があり、そんな時は必ず手のひら足の裏は火照った状態になるのです。そのような状態の時は、Yさんには鍼灸治療が良く効きます。

「来週誕生日ですよね?来週、生理が来ますよ。」

その言葉通り、今年もYさんの誕生日には生理がやってきました。62日目でした。もう一歩ですね。でも焦らずにゆっくりと。