次のステップのために

20歳初めから生理不順の治療で、あらゆる薬という薬を飲んだり注射したりしてきた33歳Uさん。28歳で結婚後は不妊治療で、またあらゆる治療法を経験されてきました。人工授精はもちろんのこと、体外受精は10回。

しかしこれと言った原因がないのに受精した卵が着床すらもしない状態。

これは体質改善をするべきだと今までの治療をストップし、漢方薬に切り替えてから半年、今まで自分の力では来たことがなかった生理が毎月来るようになりました。

そして1年経った頃、そろそろ「体外受精を考えてみては?」と言われたけれども、また薬漬けになる恐怖と採卵時の痛みなどのことを考えると、あまり乗り気にならず、とりあえず人工授精を行いました。

しかし結果は予想通り。

「何が原因なの?」

「主人との相性の問題???それなら諦めるしかないの?」

Uさんが行った検査の中で、唯一行っていないのが「腹腔鏡下検査」。内膜の癒着などをはじめ、お腹の中を覗くと、原因が不明だと言われた人でもほぼその原因が判明すると腹腔鏡の名医が言っています。

通常は、腹腔鏡下にて原因を追求する前に、結果が早くに出やすい「体外受精」を行うために、その原因を追求するために腹腔鏡下手術を行う人は稀のようです。

ただUさんの場合は反対で、体外受精を行っても結果がでない、のですから早くに本当の原因を追究しないとなりません。

Uさんは「次のステップ」として、腹腔鏡下手術にて原因を追求することに決めました。

今までどうしようか迷っていても行わなかったこの検査。今回それを決めた最大の理由は、その名医が行う腹腔鏡下手術は「お腹に新たな穴を開けないこと」、でした。多くの医師は、その手術の際にはお臍の下2cmほどのところを切開し、穴を開けますが、そこではお臍の奥の薄い膜を切開し、そこから腹腔鏡を入れるために、お腹に新たな穴が開かず、傷痕がつかないのです。

その医師は、日本で最初に腹腔鏡下手術の本を作成したメンバーで、その本を作った際に、お臍の下を切開するマニュアルを作成してしまったためにその方法が広がってしまい、申し訳ないことをした、と話していました。

もしUさんの腹腔に存在する子宮や卵巣に癒着などの問題があった場合は、他の器具も入れてその手術を行わないとなりませんが、何もする術のない結果となるのであれば、傷痕が残らないほうが断然良いわけです。

Uさんは今まで様々な病院を巡り、多くの医師と出会って来ましたが、良い医師に巡りあう運命のようで、今回もたまたま迷い込んできた情報により良い医師と巡りあい、なかなか決断に至らなかった検査の決意が出来たのです。

この決断がきっと良い結果へと結びつくことでしょう。原因がわかれば、また次のステップに進むことができます。その結果により、また漢方薬の処方も変わります。ゴールまであと、何段のステップでしょうか。何だかこれからトントンと上がっていけそうですよね。