目は口ほどに・・・

「目は口ほどにモノを言う」と良く言いますが、「目は心の窓」で、目には心の動きが現れるものです。

中医学では、4つの診察方法として「望」「聞」「問」「切」がありますが、そのうちの「望」に含まれる診察方法に「目の望診」があります。

目に現れている症状を見ると、その人がどこを患っているのかがわかるというものです。

例えば、「目頭」は「心」と関係し、ここに分秘物が多くある人は「心火旺」の症状を持っている、つまり「不眠」「動悸」などの症状を持つ人が多いことや、「黒目部分」は「腎」、「黒目の周りの茶色い部分」は「肝」と関係があり、これらが弱ると瞳孔の調整が弱り、明るいところが苦手になったり暗いところが苦手になったりする症状を持ち、「まぶた」が腫れていたり重かったりすると「脾」が弱っていることを意味します。

その中でも「白目」の部分について。

ここは「肺」と関係していると言います。赤くなると、「肺」が弱って「肝熱」が出てきた症状ですので「杞菊地黄丸」にて対応したりするのですが、お子様の白目の部分に「プツプツとした斑点」を見たときは注意してください。

これは蛔虫(寄生虫)がいるという印だそうです。蛔虫の卵が野菜などに付着し、それが経口摂取され、小腸でふ化し、その幼虫が腸壁内静脈あるいはリンパ系などを経て肺に至り、肺胞から気管・咽頭・食堂を経て小腸まで至るために、白目の「肺」の部分に症状が出るのです。

最近は畑では化学肥料による肥料を使用していますので、蛔虫が小腸に寄生することも滅多なことになりましたが、どこかの土地へ行って、生で山菜を食べるようなことがあった場合は、要注意かもしれません。

要注意の話の1つとして、北海道のきつねの寄生虫である「エキノコックス」が、近年、家庭犬でも確認されるようになってきたようです。その家庭犬が北海道から本州へと移入するようなことになれば、本州でそれが流行するのも時間の問題だといわれているようです。

「エキノコックス」が人に感染した場合、大人で10年、子供で5年かけて徐々にと肝臓にのう胞を作っていきます。場合によっては肺や脳にも移動する場合もあるようです。従って、「エキノコックス」に感染の場合は、「肝」が犯されますので「黒目の周りの部分」に何らかの症状がでるのでしょうか。それが「肺」にまで移動すれば、蛔虫同様、「白目に斑点」がでることになるのかもしれません。

滅多なことですので、ないとは思いますが、白目の斑点には気をつけてください。