10年間の子宮内膜症治療を経て

38歳、結婚暦15年Kさん。結婚後5年間妊娠しなかったために、婦人科を受診したところ、「子宮内膜症」と診断されました。

それから半年間、生理を止める治療を行い、その後生理不順を整えるためにクロミッドとhMG-hCGによる不妊治療を受け(排卵はしていたのですが)、人工授精も何度も行ったけれども嬉しい結果には繋がりませんでした。

気が付くと、月日は10年間も経っていました。

10年経ったある日、婦人科の医師より「卵胞の中に卵が見えないので、人工授精ができません」と告げられたのです。

あまりにも長く続けてホルモン治療をした結果です。一般に、ホルモン剤による治療を続けていると体が慣れてしまい、だんだんホルモンに対しての反応が悪くなってきます。

そうなった場合当店では、しばらく3ヶ月程度、ホルモン治療を休み、漢方により体の調子を整え、体からホルモン剤をなくすようにすることをオススメしています。もしご本人がホルモン治療を続けたい、とお思いであれば、3ヶ月程度休んだ後にまたホルモン治療をされることを勧めています。

Kさんは「卵がない」と言われるまで、漢方薬には出会っていませんでした。

途方にくれたKさんが、漢方薬店に足を運んでから約1年後、嬉しい便りを聞くことができました。

漢方薬での治療は、初めの4ヶ月は「生理痛が酷いこと」、「冷え性がきついこと」、「内膜症であること」より、Kさんに処方したお薬は、「血の巡りを改善すること」に焦点を当てた活血剤でした。それにより生理痛が改善したことで、5ヵ月後より本格的に周期療法によるお薬を処方しました。

この様に、根本に存在する「生理痛」や「冷え」などの体質を改善することで、結果として「妊娠しやすい母体つくり」に繋がっていくのです。どうしてもホルモン治療が「近道」だと思いがちで、それを「休むこと」や「完全に漢方薬に切り替えること」に抵抗を持たれる方が多いですが、返って「遠回り」であったということが多いのです。

「遠回りだ」と思われがちな漢方薬の「近道」を是非歩んでほしいです。