高温期から月経期への体温差
低温期と高温期の差は、理想的なのは0.3度です。
高温期から月経期になる時は、この差の0.3度ガクンと下がって、月経期に入ります。必ずガクンと下がらなくてはならないか、と言えばそうでもありませんが、「なかなか下がりきらずに生理になる」というのは、「何か邪魔をしているものがある」と考えます。
例えば、「黄体ホルモンが過剰」の場合。
これは多くの場合、ホルモン治療をされている人に見られます。そういった場合は、全体的に高めの体温になっていることが多くあります。つまりこの場合は、ホルモン治療によって、過剰に投与されてしまった「ホルモン」が邪魔をしているのです。
その他には「子宮内膜症」「子宮筋腫」がある場合。
「お血」や「湿熱」があることが子宮内膜や筋層に異常を来たすことになったわけですが、それが「血熱」を生じることにより、その熱により体温をスムーズに下げることができなくなっているのです。
体温が高いままだと、良い卵胞が育ちにくくなります。低すぎる体温だけでなく、高すぎる体温も問題です。高すぎる体温に対しては、邪魔している「何か」が存在するはずです。まずは、それを探ることが大切です。
ヒトクローン胚
韓国の再生医療研究が、倫理問題を巡って危機に陥っています。
折角、世界で初めてヒトのクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作成することに成功し、そのES細胞が様々な臓器や組織に育つことから、病気や怪我で失われた体の働きを元に戻す再生医療に役立てることができるという構想が、倫理的な問題により揺れ動いています。
韓国ソウルの研究チームが、2002年からの研究過程で研究員からの卵子の提供を受け、その報酬を支払っていたことが発覚したことにより、改めてその倫理問題が問われています。
韓国は、儒教国で長子存続を重んじるために、不妊治療も盛んで、代理母出産も実施され、卵子譲渡への抵抗も少ないという国民性があるようです。卵子の売買は禁止されているようですが、それも法的に禁止されたのは、今年の1月からというのには少々驚きです。
日本国内では、文部科学省がヒトクローン胚の研究指針を策定中のようですが、卵子の「ボランティアによる提供のもの」や「不妊治療で使わずに余ったもの」を認めるか否かはまだ決まっていません。
ただ、作成されたヒトクローン胚を母胎に戻すとクローン人間ができてしまうわけですから、研究と言えども、「どこかで自分のクローン人間ができあがっている」というのはかなり奇妙な光景で、やはり極めて慎重に事を運んでもらいたい事柄であるといえます。
しかし映画やアニメには登場する光景であるために、近未来にそのようなことが起きることになっているのかもしれません。実際にあった「鉄腕アトムの物語」のように、それが「物語」でなくなり、もしその光景に出会うようなことがあれば、それがデジャヴといわれるものなのかもしれません。
何だか怖い話です。
夏桂成先生の研修のひとコマ
南京中医薬大学附属病院の夏桂成先生の研修のひとコマ。
70歳を超えられた夏桂成先生、まだまだお元気です。「老中医」として、中国全土、さらに日本でも名が知られている方です。
夏先生の、病院での外来診察は、8時から12時まで。診察の値段は、有名になればなるほどどんどん高くなるそうです。患者様は、高いお金をかけてでも、夏先生の診察を受けに来られています。
研修のある日、訪れてきた外来の患者様が、
「月経期のお薬を午前中に飲むように言われていたのに、間違えて夕方に飲んだら、生理の量も痛みも出てしまいました。」と夏先生に報告していました。中国の患者様はそのお薬がいつの時間帯に飲むべきものなのか知っていて、それを守っているのには驚きました。
基本的に、「月経期」のお薬は「午前中」に、「卵胞期」のお薬は「午後」に服用してもらうように指導されていました。
また、それだけではなく、「卵胞期」は大切な時期ですので、「心理状態」「精神状態」の平穏を保ち、焦らずに十分な睡眠が必要で、タバコは必ず止め、夜更かしを避けて、自然のバイオリズムに順応すること、なども指導されていました。
当たり前のことなのですが、もっと患者様に徹底することが大切だと改めて感じました。 (古村 滋子先生 研修記録より)
夏 先生とともに
中国南京中医薬大学附属病院研修にて
今月24日から29日まで、中国・南京中医薬大学附属病院で「不妊症・周期療法」の研修が行われました。今回は、2003年、2004年に続き、3回目の研修参加となります。
この附属病院には、「周期療法の第一人者」と言われる「夏桂成教授」がおられ、多くの患者様から信頼され、遠方から列車や飛行機で通院されています。
夏教授の診療は、「名医堂」という特別診察室の中で行われます。
「周期療法」とは、月経の周期(月経期、卵胞期、排卵期、黄体期)に合わせて異なる漢方薬を服用して、妊娠の確率を高める治療法です。
女性の体は、月経周期によって、女性ホルモンの分泌が異なり、体調も変わってきますので、その周期に合わせて漢方薬を使い分ける方法は、とても理にかなって効果的であると言えるでしょう。
今回の行われた講義のテーマは、「卵胞期の治療」が中心でした。
卵胞期は、月経周期の中でも、とても大事な時期である、ということを強調されていました。この時期は、「卵の成長を助け」「妊娠を促し」「子孫を繁栄させる」期間であるからです。つまり、周期療法のポイントは、「卵胞期」であり、「質の良い卵胞をつくる」ことにあるのです。
夏教授の周期療法では、卵胞期をさらに「初期」「中期」「末期」と3つの期間に分けて、それぞれに治療をしていく方法を取られていました。妊娠しにくい原因として、「なかなか卵胞が育たない」「おりものが少ない」「子宮内膜が厚くならない」など、様々なものがありますが、卵胞期をさらに分けて細かく治療していくことが、全周期の治療に繋がり、大切であることを痛感しました。
人工授精や体外受精、顕微授精を成功させるには、質の良い卵を作らなければならないことは言うまでもありません。卵胞期の治療を細やかに行うことが成功への道なのです。
(古村 滋子先生 研修記録より)
研修認定書をいただきまいた。
お腹が冷えて
ここ最近、ようやく「冬」の言葉が似合うような気候になってきました。
そんな中、妊娠6ヶ月を迎えるFさんが「逆子」になってしまったとの報告を受けました。
以前も31週目で「逆子」になったことを紹介したときにも記したように、「逆子」になるのは「お腹が冷えていること」が原因なのです。「お腹が冷えて」赤ちゃんが居心地が悪くなので、ひっくり返ってしまうのです。ですので「お腹を温めて」あげれば、居心地がよくなり「逆子」が治ります。
じゃあ、「お腹をカイロなどでどんどん温めればよいのか」と言ったらそうではなく、「お腹を温めるツボ」を温めるのです。
まずは有名な右の「至陰(しいん)」に温灸をします。(熱いお灸ではありません!)ここは足の小指の先のツボになります。この温灸により、下腹部全体(少腹と小腹)を温めていることになります。
次に「腰圧痛点(こしあっつうてん)」に温灸をします。腰の反対にはお腹があります。腰の部分の圧痛点(コリの反応点)を温灸にて緩めることで、お腹を温め、突っ張っている部分を和らげることができます。
それらのツボを温めて、お腹の環境をよくすることで、温灸をしている最中に「ゴソゴソ」っと赤ちゃんが戻る場合もよくあります。その場でなくても、その日の晩に「あ、動いてる!」と感じることも多くあります。
ただし、医師が手でやっても元に戻らない場合、赤ちゃんの状態を現す脈が「苦しんでいる脈」をしているはずです。その場合は、その他に何かの原因があって、赤ちゃんが逆さを向いている証拠で、こういう状態であれば、「逆子」は戻らないでしょう。
そうならないように、季節柄、お腹を冷やさないように、また「至陰」や「三陰交」などのツボのある足も冷やさないように気をつけてください。
気をつけたい不正出血
10年前に乳癌の治療を受けた60歳のCさん。
その時の治療は、手術とホルモン療法を受けられました。最近茶色い不正出血が続いたので検査をしたら、子宮体癌ということがわかりました。
乳癌の手術後にはタモキシフェン(商品名:ノルバデックス)というホルモン剤が使用されることが多いのですが、これを服用すると子宮体癌になる危険率があがってしまうのです。
このタモキシフェンの作用は、女性ホルモンであるエストロゲンの働きを阻害します。エストロゲンは、乳ガン細胞の増殖を促しますので、タモキシフェンがエストロゲンに対抗することで、患側の乳癌細胞の増殖を抑制もしくは停止させたり、反対側の発生を防止する効果があると考えられてきました。
また、タモキシフェンは、閉経前の妊娠率を上げることも明らかになっています。不妊の治療として排卵を誘発する目的で、タモキシフェンを使用している国もあるようです。反対に、閉経前で妊娠を希望しない人は、避妊の処置をする必要があるということです。
この乳癌予防には良い「タモキシフェン」ですが、子宮体癌を招く可能性が大きいことは、近年になって分かってきたことで、医師から説明を受けていない人も多いようです。
乳癌でホルモン療法を受けた人は、その可能性が大きいこともあるために、年に1回の婦人科検診を必ず受診され、「過去にホルモン療法を受けたことがあることを告げること」、「不正出血がある場合はそのことも告げること」を行ってください。
なかなか婦人科検診にてその事実を医師に伝えない人が多いようですが、早期発見、早期治療のための正しい情報は必ず伝えるようにしてください。家族のためにも必要なことです。
無月経克服の次に
34歳のMさん。昨年の9月に生理が来てから4ヶ月無月経の状態。ご結婚2年目で「早くに子供を」と望んでおられた矢先の出来事でした。
早速病院に行き検査をした結果、「多嚢胞性卵巣症候群」という診断でした。今回4ヶ月も無月経だったのは、卵胞が未熟のために無排卵状態となった結果だったのです。
なかなか自力では排卵が起こらない、というので排卵誘発剤によるタイミング法をされていましたが、それでもなかなか恵まれず、「漢方薬の力を借りたい」と来店されたのは、今年の5月でした。
Mさんは、排卵誘発剤を使用してのタイミング法を続ける方針でしたので、漢方薬で改善したい時期は低温期で、低温期に「シベリア霊芝」や「桂枝茯苓丸」などを処方しました。漢方薬により質の良い卵ができることで、排卵後、高温期ができ、受精しなければ生理が来る、という段階を踏んでいくことになります。
漢方薬を服用されてから2周期目の7月にはまだ安定した月経周期ではありませんでしたが、3周期目の8月には、30日に安定し、質の良い卵ができるようになってきました。
そして10月末の排卵期。
やはり自力では難しいようで、内服薬の「クロミッド」を服用したけれどもそれでも排卵せず、結局HMG製剤「フェルティノーム」の注射後、HCGの注射をする「HMG-HCG療法」を行われました。これは強力な排卵誘発法になります。あまり何度も繰り返し行われることは副作用のことのあり、おススメできませんが、今回はとても質の良い卵胞が育ったということで、Mさんたってのご希望でした。
しかし、その結果、昨日に「陽性反応」の報告を受けました!
無月経克服より約半年。次の嬉しいステップに進むことができました。
まだまだ安心はできませんが、また次の嬉しいステップを踏めるようにMさんと共に時を刻んで行きます。
子育てはゆっくりと
全国の児童相談所に、毎日様々な相談が寄せられます。
その中でも、昨年度に受けた「児童虐待に対する相談」は、33,408件。一昨年度よりも25%強増加したことが、集計結果にて明らかになりました。
虐待の種類別の統計は、「身体的虐待」が14,881件(44.5%)、「保護の怠慢・拒否」が12,263件(36.7%)、「心理的虐待」が5,216件(15.6%)、「性的虐待」が1,048件(3.1%)でした。
我が子といえども親のものではありません。思い通りに行かないことはたくさんあるものです。それが思わず「虐待」に繋がってしまうのでしょうか。
47歳のKさんが、「子育て」について次のように書かれています。
「子育てを通して痛感したのは、上を見たらキリがないということ。
自分の子供に対して『もっとこうしよう』『もっとこうなったらいいのに』と期待すればするほど、際限がなく、できないと感じるたびに落ち込んでしまう。
『これくらいでいい』『これだけできるのだから上出来』と、我が子に接してあげることが大切。他人と比べすぎないことが大事だ。」と。
あまりにも他人と比べすぎて本当の「我が子の良さ」を見落とし、我が子が目指していない方向へ無理に導こうとする結果、子供が反抗し、思い通りに行かないために「思わず手が出る」ということになるのかもしれません。
不器用だけれどもその子なりに目指そうとしているものが何なのか、をゆっくり見つめてあげることが大切です。きっと我が子の「良さ」が光っているはずです。
悪阻(つわり)解消法
人によって様々な症状が現れる「悪阻(つわり)」。
安定期に入るまでの時期に酷い人が多いようですが、安定期を過ぎてもまだその症状が出ている人も居ます。
通常であれば「気持ち悪い症状」は、その原因を除去すれば良いのですが、「悪阻」の場合は、その原因が「お腹の中に赤ちゃんが居ること」なものですから、その原因を除去するわけにもいきません。
こんなとき、漢方では上焦(じょうしょう)を治す生薬である「黄芩」の煎じ液を服用してもらいます。少々苦いですが、その煎じ液を少しずつ何回にも分けて服用してもらうことにより、「吐き気」や「むかつき」を和らげてくれます。
また、その「黄芩」に加えて、「むかつき」を解消してくれるツボを刺激することで、さらに悪阻を和らげてくれます。
そのツボは、「内関(ないかん)」です。
心包経(しんぽうけい)という経絡に属するツボで、みぞおち部分のつまりを取り除いてすっきりさせる働きがあります。
(前回の「チャングムの誓い」では、毒のある実を食べて失神していた女の子のこのツボに鍼を刺して、毒素を吐かせていました。そのツボです!同じツボでも刺激方法により、吐かないようにさせたり、吐くようにさせたりするのです。)
ただし、まだ安定期に入らない不安定な時期のときは、あまりこのツボを刺激しすぎない方が良いです。その代わりに、みぞおち部分を「みぞおちから外に向かって」やさしくマッサージするのが良いです。
もし、鍼灸院が近くにあれば、その部分に接触鍼か金鍼を当てる(接触させるか当てるだけで、刺しません!)施術をしてもらうことをオススメします。
妊娠することは喜びですが、悪阻は辛いですよね。是非、「黄芩」と「ツボ刺激」にて乗り切ってください。
