PMSとタバコ
41歳Tさん。小学校にあがったばかりの一人っ子の僕のママです。
高校の頃から肩こりが酷く、整体などに良く通っていたようです。しかし根本治療には至らずに今日まで過ごしてきました。
症状は肩こりだけでなく、生理前のイライラ感、頭痛、頚の痛み、時には我慢できないくらいの排卵痛などもあります。毎月巡るこの周期にうんざり。しかし「自分の体質なのだ」と諦めていました。
Tさんのお母さんも肩こりが酷いようですので、遺伝的なものもあるのでしょうが、鍼灸治療に来られたときのTさんの顔色は黒っぽく、目の下には少しクマがあり、肩は強張った状態でしたので、明らかに「お血」があることが見て取れました。
「お血」はなぜ体の中に出来てしまうのでしょうか。
「気が巡る」ことにより血も巡るのですが、その気が滞るようなことが身に起こっている場合、同時に血も滞り、「お血」となるパターン。
「気」が不足しているために気を巡らす力が弱くなり、血の流れも緩やかになって「お血」が生じるパターン。
「冷え」により血が凝滞した結果「お血」となるパターン。
「熱」により血液中の津液が消耗され、血の流れが悪くなって「お血」が生じるパターン。
それらの原因により「お血」が体内に生じ、「刺すような固定の痛み」「青紫や青黄の色をした腫瘍や塊が形成される」「紫暗色の血塊を伴う出血」「舌の色が紫暗、お斑、浅黒い顔色、皮膚や髪の毛の光沢消失」などの症状を生じさせます。
Tさんの場合は、顔の症状や体全体の懲りの状態から、何か「お血」を生じさせることを毎日していることが伺えました。
几帳面なTさんは、毎日きれいに掃除をしないと気がすまないタチで、その性格が原因でストレスがたまってしまうことはあるでしょう。こういうことも「気の停滞」を生み出します。
「コーヒーを飲みすぎていませんか?」「タバコは吸っていませんか?」
の問いかけに、その答えはどちらも「Yes!」しかもそれは尋常でない量でした。
お茶代わりにコーヒーを毎日数杯飲み、タバコも毎日吸っているというのです。鍼灸治療に来る前にもいっぷくされたのでしょう、タバコのにおいがしていました。従って、タバコの量は聞くまでもなく、Tさんの症状からかなりの量を吸っていることがわかります。
「Tさんの症状の全てが大部分タバコが原因で起こっています。毎月巡ってくる症状の改善と肩こりに別れを告げたいのであれば、止めましょう!」と助言。
聞くと、お子様を妊娠され授乳中は止めることができたと言うので、その必要性がわかれば止めることができるはずです。
せっかく鍼灸治療にて調整し、漢方薬にて血の巡りを良くしようとしても、毎日それ以上の力のある「タバコ」により、その効果を阻害されてしまっては、もったいない限りです。Tさんの意思さえしっかり固まれば、タバコも肩こりも様々な症状にも「さようなら」をすることができるのです。
週1回の鍼灸治療と「冠元顆粒」「星火逍遥丸」「桂枝茯苓丸」などの漢方薬により、排卵痛・PMS・お血改善を行い、コーヒーを控えめにし、タバコを止めれば、必ず明るい未来がやってくること間違いなしです!今までの辛い生活は嘘のようになるはずです。
もしTさんがこのことに気づいていれば、もう1人、2人とお子様にも恵まれていたことでしょう。まだこれからでも遅くありません。少し離れたお子様にはなってしまいますが、タバコを止めた暁には快適な生活と明るい家族が待っています。まずは禁煙を頑張りましょう!