異変が起きたのは昨年の12月から。今まで順調だった生理周期が乱れ始めたのです。
39歳Iさん。40歳を目の前にした年齢が原因なのか、それとも他の何かが原因なのか・・・?
ちょうど仕事も年齢的に役職者になる試験を受けないとならなくなり、それが重なっていたことも精神的にストレスがかかり、ホルモンバランスを乱してしまったことも原因かもしれません。
その頃から肌にも艶がなくなり、目の下のクマも目立ってきたような気がするし、髪の毛もパサつくし、吹き出物もあごのラインに多く出るようになってきて、今までにないことばかりが続々とIさんの中で起こり始めていました。
Iさんにとっては、これから女性役職者としていつまでも美しく格好良く輝いて仕事をしつつ、子育てと仕事を両立していく理想像へと向かっていくはずだったのが、もう40歳を目の前にまだ子供に恵まれず、それどころか生理が来なくなってしまったのですから、そのショックは大きいものでした。
慌てて婦人科を受診したIさん。結果は卵巣が働いていないというホルモン数値が目の前に出されていました。早発閉経・・・。その言葉が脳裏をかすめました。
「このままではその年齢で閉経してしまいます。少し卵巣を休めましょう。」
婦人科医のその言葉にIさんの頭は真っ白に・・・!しかし医師の言うように、卵巣を休めればまたホルモン数値が正常に戻るかもしれない、まだまだ理想像に向かうことは諦めない!・・・とIさんはその治療をまずは2周期間続ける決意をしました。
そして2周期・・・。
通常の10倍ほどだったホルモン数値は、通常の倍ほどの数値まで下がっていました。しかしまだ正常ではありません。医師の判断によりもう1周期続けることになりました。
そして3周期・・・。
理想像に近づける判定のとき・・・!残念ながら数値は下がらず、通常の3倍の数値まで戻っていました。
薬による治療を3周期続けたので、薬漬けになることを避けたいIさんはその治療は一休みし、自分の力がどこまで快復しているか様子をみることにしました。
しかし何もせずにそのまま放置していれば、Iさんにとってのタイムリミットの年齢になってしまいます。何かしなければ!・・・と思いついたのが漢方薬でした。
Iさんには、良い卵胞を作ること、心にかかるストレスを軽減すること、補気・補血・調経をすることなどを目的とし、「杞菊地黄丸」「星火逍遥丸」「婦宝当帰膠」「冠元顆粒」などを使用し、卵胞期がいかに変化するかをみながらお薬を調整していきます。
良い卵胞ができれば、排卵もするはずで、排卵すれば高温期にもなるはずです。良い卵胞のためには安定した卵胞期が必要です。卵胞期、つまり「陰」を養う時期がとても大切なのです。
この時期に多くのストレスをかかえてしまったり、寝不足続きなどの過酷な生活をしていたり、足腰を冷やしていたりしていると、質の良い「陰」を養うことができません。つまり質の良い卵胞も育たないということなのです。
Iさんもあまりストレスをためないように、気持ちを入れ替えて、プラス思考で進んでいけばもっと良いでしょう。
しかし理想像が完全となることが厳しくなってきた今、Iさんは一方の理想像のために一方を諦めることも考えています。働くことはいつでも可能です。しかし女性として子供を産み、育てることはだんだんと厳しくなってくることです。その目標のために、Iさんは大きな決断を迫られているのです。
しかし決して片方を諦めなければならないことはないのです。全ては「心のあり方」により選択すべき道も変わってきます。ストレスもマイナス思考も全ては「心」に原因があるのです。それは「心」さえ変わることができれば、即プラスの物事へと変わってしまうのです。人生の壁にぶつかったとき、何とか諦めることをせずに「心」を変えて理想像へと向かって欲しいものです。