金と銀

その葉が寒い冬でも耐え忍んで枯れないことから「忍冬」と言われる「スイカズラ」。

またその花が咲き始めたときは「白」であるのにそのうちに「黄」に変化することから「金銀花」という名もあります。今その花が咲いています。

甘い香りが漂い、素敵な名前を持つお花。中国ではその昔から茎や葉が忍冬という生薬名で用いられてきましたが、茎よりも金と銀の花のほうが「解表・清熱・解毒」の効能に優れていることから近年では花の部分を使用しています。

主にその解毒作用を利用して、化膿性疾患に用いられます。乳腺炎、ヨウ・セツなどのおできには「ケイガイ」「防風」「桔梗」などと配合した「ケイ防敗毒散」、膿性の臭いのある帯下には「当帰」「川きゅう」などと配合した「八味帯下方」などがあります。

また消炎作用を利用して、風邪時の発熱・頭痛・咽喉痛には「ケイガイ」「連翹」「薄荷」などと配合した「銀翹散」がよく使われます。

この「金銀花」をベースとし「蒲公英」「紫花地丁」「野菊花」などの清熱・解毒作用のある生薬と配合したものが商品化されようとしていますが、これは熱をもったニキビや皮膚の症状改善のために使用される予定です。またそのような症状ばかりでなく、周期療法でも少し熱があることで起こっている症状に対して、それを改善する目的で取り入れることができそうです。

香りも良く見るだけでも美しい金と銀の花は、昔も今もこれからも私たちの様々な症状を改善してくれる心強い花でもあるのです。