効果的な煎じ薬

ホルモン数値の中でもLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の値は正常であれば1:1に近く、LHがFSHよりも高い場合には多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を疑います。

28歳Hさん。結婚2年目。FSHが7Mllu/ml、LHは18Mlu/mlという検査結果で、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されました。生理は来るものの35日以上の長めの周期で、排卵せずに生理が来る「無排卵月経」であることは、高温期のない基礎体温表から見て取れました。

PCOSの場合は、排卵がないために黄体化ホルモンは分泌されず、LH値が高いために男性ホルモンである「アンドロゲン」分泌が上昇していることがあります。その場合は、毛深くなり、ニキビの症状も出てきます。

Hさんの場合は、そこまでの症状はありませんが、ホルモン数値や無排卵の基礎体温表からPCOSは明らかで、子供を希望するのであれば早くに改善するのが良いでしょう。

PCOSに対する西洋医学での治療法はホルモン治療になり、黄体ホルモン剤の「デュファストン」を投与して、
2~3日後の生理開始日より5日目から排卵誘発剤の「クロミッド」を服用を5日間服用し、その後4~5日後の排卵を待つ方法があります。

その他低用量ピルの服用による治療法もあります。ピルにより脳下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌を抑え排卵が抑制されることで、その他のホルモンにより子宮内膜の環境が整い、LHとFSHのバランスを落ち着かせる、というものです。

しかしどちらもホルモン剤による治療法で、「クロミッド」の長期継続使用は卵巣を刺激し過ぎる結果となり、人によっては「ピル」などの薬は吐き気など起こすこともあり、体調が優れなくなることがあります。

ホルモン治療を休みたい、もともとホルモン剤を受け付けない、ホルモン治療は避けたい・・・という場合には、漢方薬の煎じ薬がおすすめです。

PCOSは西洋医学でもその完治は難しく、長期にわたっての継続治療が必要です。そのためにはなるべく体に負担の少ないもので、根本から治療できる漢方薬を是非おすすめしたいのです。

今までもPCOSで悩んでいた33歳Oさんも漢方薬のPCOSに効果のある煎じ薬を服用され妊娠された例があり、その煎じ薬によりホルモン剤を使わなくても自力で排卵できるようになった例は多くあります。

その煎じ薬の生薬には、「当帰」「赤芍」「白芍」「地黄」「菟糸子」「山薬」「女貞子」「沢蘭」などが入り、女性が崩しやすい「肝経」や「脾経」の調整を行い、主席卵胞をしっかり育て、排卵まで繋げていきます。

Hさんにもこの煎じ薬の服用にて今後の周期を見てもらうことにしました。

またHさんのその他の症状の「むくみ」「だるい」「夜間頻尿」「肩こり」なども考え、PCOSの煎じ薬に併せて「婦宝当帰膠」などのエキス剤や錠剤にて調整していきます。

3周期もすればそれらの効果が見えてくることでしょう。まだまだ若いHさん。今のうちにしっかり体質改善をしていれば、今後経験する予定の育児も元気に楽しくできるようになることでしょう。