低用量ピル

日本で「低用量ピル」が認可されたのは1999年のこと。欧米では多くの人が使用するのに対して、日本ではまだまだ安全性に対する疑問などからその使用を躊躇する人が多くいます。

そこで今年2月に日本産婦人科学会が、ピルのガイドラインを改訂しました。今まで「避妊目的」のための効用しかなかったものが、生理痛の改善、子宮内膜症・子宮筋腫の予防などの効用も記されました。

低用量ピルを服用中は、卵巣が休眠状態となるために、子宮内膜が薄くなるのです。治療中は妊娠できないために、治療しながら妊娠を望んでいる人には向かない治療方法ですが、子宮内膜が厚くなることで酷くなる症状の改善には効果的です。

低用量ピルにより、月経をコントロールできるわけですが、だからといって「旅行に行くので月経を遅らせたい」という目的で使用するなどは、あまり賛成できません。せっかく正常である月経を無理やり薬で遅らせてしまうのですから、やはり体に負担をかけてしまいます。

安全な使用方法をしっかり把握し、閉経前の女性ホルモン減少によるプレ更年期障害を軽減するためや、骨粗鬆症、子宮体がん防止などにうまく使用することをおすすめします。

漢方では、生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫などに対しては、活血剤・破血剤を使用して改善を計りながら、調整していきます。妊娠を希望している場合でも、それらの漢方薬は使用することができ、それらを使用することで、妊娠率も高まります。

また更年期予防のためには、「当帰」「川きゅう」がたくさん入った「婦宝当帰膠」がおすすめです。これを日頃から服用していれば、ピルのお世話にならないでもよくなるかもしれません。

様々なことに対応できる漢方薬。もしピルを使用するのに躊躇したら、是非ご相談ください。