受験シーズン

1月のセンター試験から始まり、今、受験シーズン真っ只中。

かなりのストレスに月経が不順になってしまうことも多くあります。

月経不順には、周期が早まってしまう「経早」、周期が遅れてしまう「経遅」、周期が短くなったり遅くなったりする「経乱」があります。

19歳のYさん。昨年は思い通りの結果にならなかったために予備校生活を選びました。「予備校生活も1年間で済ませたい。今年は落ちるわけにはいかない。」という思いが昨年よりも更なるストレスとなり、「経遅」の症状が久々に今月出ました。

昨年は元々過敏症のために、幾度となく気欝に陥り、月経が遅れることはしばしばありました。しかし、過敏症の治療に週1回のペースの鍼灸治療を重ね、昨年春より「経遅」の症状も出ないようになっていました。

ところが、今年に入り、いよいよ「受験」というこの時期。やはり「気欝」が激しく、「経遅」の症状が出てしまいました。

「気欝」により、情志が抑鬱して肝気の疏泄が悪いために、「気滞血お」となり、衝脈・任脈・子宮をめぐる経絡の血液運行も停滞し、排泄されず、月経が遅れるのです。

改善策は、血液の運行を良くするように停滞している経絡の流れを疏通することです。

Yさんの場合は、おそらく受験が終わる来週末に「ホッ」として気が緩むとともに、経絡の流れが良くなり、来潮するものと思われます。

しかし、今の時点では受験が終わるまでは待てず、「気欝」の症状があると頭も働かなくなるために、鍼灸の力を借りて、疏通することにしました。

こんな場合漢方では「冠元顆粒」や「桂枝茯苓丸」「逍遥丸」などにて治療をするのですが、Yさんの場合は過敏症のために漢方は服用できないために、鍼灸にて治療をされました。

明日からまた続く試験では、すっきりした頭で挑むことができることでしょう。

春を迎える前に

今日は、二十四節気の大寒の最後の日で、「節分」です。新しい春を迎える前の厄払いの行事の「豆まき」が各地で行われています。

豆をまくのは、厄年の人。その厄年の人が節分の夜に厄払いをし、翌日には春が訪れるという慣わしです。

その豆ですが、「五色豆」と「福豆」があります。

「五色豆」はその名の通り、5色の豆なのですが、「青・赤・黄・白・黒」の色は、陰陽五行に基づく「木・火・土・金・水」つまり「春・夏・土用・秋・冬」の色なのです。この自然界の5つの色で邪気を祓い、福を招くのです。

そして「福豆」。

これは「福は内、鬼は外」との掛け声と共に撒かれるもので、これも邪気を祓い、福を呼ぶのです。豆は「魔滅(まめ)」の意味より、「鬼やらい」に使われるようになったとか。

また年の数より1つ多い数の豆を食べるのは、来る年の福を願う心を託したためだそうです。

この「鬼は外」の「鬼」ですが、何も悪いものの象徴ばかりではないのです。

その昔は「疫病」などが流行り、そのなす術もなかった人々の命を奪う奇妙な病は、すべて鬼や怨念などのせいにされていたために、「鬼」と言えば「恐い顔」となってしまったのですが、恐い顔になってしまったのも室町時代からとのこと。

鬼は人々の生活を脅かす妖怪ですが、悪霊を抑える力強い「善鬼」として「鬼瓦」としても扱われてきましたし、今でも古いお家の屋根には「鬼瓦」が睨んでいる姿も見られることでしょう。

平安時代では、その「鬼瓦」も愛嬌のある顔で家を守っていたようです。

節分の日の「豆まき」の時、いつもお父さんが「鬼」のお面を被っていると知っているのに、泣いてしまう4歳のTくん。平安時代の「愛嬌のある鬼」だったら泣かなくても良かったかもしれませんね。Tくんは今年も泣いてしまったのかな?

排卵期の腰痛

10年以上のホルモン治療を半年前に止めて、漢方と鍼灸の治療に変更されたYさん32歳。

今まで10年以上もホルモンにより生理を起こさせていたことの名残で、少し卵胞期が長くなっています。今周期は特に長引いているようで、本日周期20日目で、まだ排卵しない様子。

そんな中、「腰痛が起こった」と鍼灸治療に来店されました。

よく診てみると、「腰痛」という位置でも痛みでもなく、「仙骨部が下に引っ張られるような重だるさ」がYさんが感じている症状でした。

卵胞期は陰であり、そこから高温期の陽に移るのですが、その途中の排卵期は陰の中に陽が存在する期間です。つまり、卵胞が陰でその陰を動かす力が排卵の陽であるのです。

その陽の力が足りないために、排卵ができずにいる状態となり、胞脈(子宮を巡る脈)が滞り、その表裏にある仙骨部や下腹に痛みや重だるさを生じさせているのがYさんの症状です。

Yさんの場合は、長年のホルモン治療による「腎気」の不足もありますので、「腎気」を強め、「任脈」を通じさせるような治療を行いました。

加えて排卵を促進させるように「陽」を増やすツボにも治療を行いました。

Yさんのように排卵の力不足だけでなく、不妊や生理不順の原因は、先天的なものの異常を除くと、多くは「腎気不足」や「衝任脈の気血不足」によるものです。

そのバランスを整える治療をすれば、月経周期が整い、妊娠することも可能になるのです。あくまでも自然の流れに逆らわず、自分の力を呼び起こすように治療をすることが大切です。スムーズに治っていくためには、無理なホルモン治療を何ヶ月も続けることは避けたいものです。

インフルエンザ?!

やっとやっと妊娠された43歳Sさん。

ここまで長い長い道のりでした。妊娠反応が出たのも今回初めてのこと。

でも妊娠反応が出たばかりの初期なので、これからもまだまだ気をつけないといけないのですが・・・!

妊娠の報告に旦那様と来店されたSさん。そのお顔には大きなマスクがかけられていました。

「どうしました?お風邪ですか?」

「もしかしたらインフルエンザかも・・・」

大変です!

風邪でもインフルエンザでも同じですが、妊娠中は西洋薬は服用することはできません。こんな時期に抗生物質などのきつい薬を服用すると、胎児の発育に問題が生じる可能性があります。

こんな時に唯一頼れるのが漢方薬です。西洋薬は服用してはいけませんが、漢方薬は服用しても大丈夫です。しかし、漢方薬だからといって、決してご自分で判断して服用しないようにしてください。ここは大事な注意点です。

Sさんには、「天津感冒片」と「衛益顆粒」、「板藍茶」をお勧めしました。

やっとやっと初めて授かった命なのに、こんな風邪(インフルエンザ?)菌なんかに負けてはいられません!しっかり漢方にて撃退しましょう。

この時期に妊娠されている方は、この風邪菌が飛び交う今のこの時期は、あまり人ごみの多いところにでないようにして、疲れがでない程度にゆっくり休み、療養することが大切です。人ごみに出た日には必ず「うがい」「手洗い」を忘れずに。

ぷれ更年期

★生理時の出血量が減ってきた★生理の周期が短くなってきた★顔がほてることがある★腰や手足が冷えやすい★息切れや動悸がする★頭痛、めまい、吐き気がある★疲れやすい★肩こり、腰痛、手足の痛みがある★膝や手首など関節が痛むことがある★ダイエットをしても体重がなかなか減らない★目がかすんだり、肌や口の中が乾いたりする★髪にハリがなくなった、白髪が目立つ★爪が割れやすくなった★寝つきが悪い、眠りが浅い★怒りやすく、すぐにイライラする★くよくよしたり憂鬱になったりする★固有名詞が思い出せなくなった★小さなことや昔のことが気になる★意欲が低下したと感じる

さて、該当するものはいくつありましたか?

これらの症状は「更年期症状」と呼ばれるもののうちで代表的なものです。

このような症状が、最近の40歳前後の女性に多く見られるようになっています。所謂「ぷれ更年期」です。

だんだんと女性が社会の重要なポストにつくようになった現代では、男性に負けじと、どうしても頑張りすぎてしまった結果、女性ホルモンのバランスを崩し、更年期のような症状を訴える人が増えてしまったようです。

こんなときは、それ以上無理をせずに「婦人科」や「漢方」の扉を叩いてください。

婦人科では、場合によっては、低用量ピルや各種ホルモン剤の服用をする治療を行ったりしますが、まだ「ぷれ更年期」の程度であれば、漢方で十分に対応できます。ホルモン剤ではなく、自然の薬草を使って、自分の力を呼び起こすようにする方が体に無理なく自然です。

「ぷれ」でない「更年期」が訪れる前に、自分の体質を見直し、30代から改善できることを早めにしておくことも大切です。自分の体の主張に対して騙し騙しで進まずに、きちんと向き合って対処していくようにしてください。

心落ち着くところ

41歳Yさん。

ご主人も子供が大好きで、早く子供が欲しいな、と思いながら、自然に時が流れるまま過ごされ、気がつくと、40歳が目の前に迫った歳になってしまっていました。

それを機会に、病院での検査をされたのですが、これといった問題点もなく、強いて言えば少しエストロゲンの値が低いことと、ヒューナーテストが少し良い結果でなかったことくらいでした。

人工受精を何回も試したけれども成功せず。いつも医師からは「卵の状態も良いですから、良い結果となるでしょう」と言われるために、いつも妊娠した気になり、しかしいつも生理が来て、がっくりする・・・、の繰り返し。

「やはり体質改善をしなければ」と思った2年前、ネットで検索した東京の漢方薬局へ問い合わせをされ、1年間、そこで処方された煎じ薬を服用していました。

京都にお住まいのYさんでしたが、わざわざ東京まで足を運び、体質の改善を望まれたのです。

そこでは、「お腹が硬いことが不妊の原因だ」と言われ、それを改善するためのお薬を処方されていたそうです。おそらく「お腹」というよりも、「子宮内膜がふかふかとした柔らかいものになる」ような処方だったのでしょう。

しかし、低温期の乱れは改善せず、嬉しい結果も得られないまま1年が経ってしまいました。

だんだんと焦りが出てきた1年前、新たにネットにて不妊治療を行っている漢方薬局を検索し、当店に辿りつかれたのです。

そしてまた新たな周期療法による漢方薬の治療が始まりました。

ただ「早く早く」と思うYさんの気持ちと、漢方薬による「長年に出来上がった体質の改善」が緩やかなスピードであるために、約1年間服用された昨年末にまた焦りが出てきました。

そして有名な婦人科医院の扉を叩かれたのです。

そこでYさんは「卵巣機能不全による不妊症」であると診断されたのでしょうか、「卵巣をしばらく休め、次の周期に良い卵が作れるようにしましょう」と言われ、「ノアルテン」の服用を指示されました。

「ノアルテン」は女性ホルモン薬です。

これは、女性ホルモンの不足やバランスのくずれで起こるいろいろな症状を改善するものですが、Yさんの場合は、少し月経周期は短いものの排卵は行われていて、周期の乱れもないにも関わらず、排卵を止め、いつもの周期では生理を来ないように調整されました。

いつも「自然にしたい」と願っていたYさんにとって、その治療は意に反するものでした。

一度はその治療にかけてみようかとも考えましたが、やはり意に反することはやりたくない、と迷いつつもまた別の婦人科医院の扉を叩きました。

そして、そこでは、Yさんの「なるべく自然のままでやりたい」という意向に沿った治療法で行ってくれること、を説明されました。やっと自分の留まる場所を見つけることができたのです。

これからは漢方薬にて体質改善をしつつ、誘発剤などを使用せずに自力で作った卵胞を採卵し、体外受精を計画されています。

Yさんは自分に合うものに辿りつくまでいろんな扉を叩き、途中で諦めることなく探し続けてこられました。その甲斐あって、ようやく心が落ち着く場所に辿りつき、不安が取り除かれ、新たな気持ちで治療に望むことができるようになったのです。

きっと近いうちにYさんは喜びを手にすることができるでしょう。

もし、今の治療に何か不安や疑問を持っている人は、Yさんのように諦めずに、是非「自分が信用でき安心できるところ」を見つけてください。心が落ち着かなければ良い結果は生まれないものです。

診断に有効なもの

5歳になる男の子Kくん。今まで何の病気もなく、元気に過ごしていました。

ある日、朝食後に「うんち」に行ったところ、血が混じっていました。Kくんもお腹が痛んだりすることもなく、熱っぽいことも何もなかったので、しばらく様子を見ることにしました。

しかし、次の日も次の日も「うんち」に血が混じるために、小児科病院へ。

注腸検査をしたところ、結腸部に1cmの大きさの腫瘤があることがわかりました。出血はこれが原因でした。

これは「若年性ポリープ」と呼ばれる良性のポリープです。多発部位は、S状結腸から下部結腸で、4~5歳によく見られるものです。注腸検査や結腸内視鏡検査で診断ができます。

Kくんは、その後、内視鏡によりポリープを切除しました。内視鏡による手術だったために、回復は早く、3日後にはまた元気に外で遊ぶことができました。

Kくんの場合は、下部結腸のポリープだったので、血便以外の症状もなく、手術も軽く済みましたが、小腸に存在するものであれば、腸重積を起こすこともあり、「腹痛」「腹部腫瘍蝕知」「血便」の3主徴が見られ注意が必要です。

子供に限らず大人でも体調を示すものとして、「うんち」はとても大切なものです。特に、お子様は、自分で症状を訴えることが不十分なために、体調の指標となるものは要観察です。毎日の「うんち」のチェックは欠かさずに、異変のあるときは、すぐに小児科にご相談ください。

こんなに早く

33歳Mさん。ご結婚5年目で恵まれないので、昨年2月より婦人科病院にて不妊治療に通われていました。

少し性腺刺激ホルモンが不足しているための「無排卵周期症」という診断で、「セキソビット」の服用と、hcgの注射による治療をされていました。

不妊治療のストレスと薬の副作用からか、夏には月経周期が乱れ始めました。

不安になったMさんは、11月に当店を友人に紹介され、来店されたのです。

卵管が少し細いこと以外は何も問題はなかったために、低温期と高温期の安定のために、「低温期」は「瀉火補腎丸」と「杞菊地黄丸」を「高温期」には「参茸補血丸」を、全周期通しては「婦宝当帰膠」をお勧めしました。排卵誘発剤の「セキソビット」はそのまま続けられるということでしたので、排卵期のお薬は処方しませんでした。

漢方を飲み始めて1周期が終わった頃、まだまだ月経周期は乱れたままで、しっかりと卵が育っていない、と検診で言われたようです。

かなりがっくりされたMさんでしたが、長い目で見て改善して行けばよい、というように気持ちを切り替え、漢方薬は2周期目も同じもので様子を見てもらうことにしました。

そして今月半ば、生理が来るはずの時期にも体温が下がらないために、半信半疑で検査薬にて確認してみたところ、陽性反応!

慌てて安胎のお薬に変更されに来店されたのです。

今月末に検診に行く予定のMさん。そろそろ通院に嫌気がさして来た頃でしたが、次回は期待に胸を膨らませての通院となります。まだ小さいけれども喜びの鼓動が確認されることでしょう。

思わぬ結果

結婚3年目の30歳Aさん。

30歳になったので、婦人科検診に行ってみようと思い、病院へ。

内診の結果、思わぬことが判明しました。

2㎝ほどの「子宮筋腫」が確認されたのです!

あと1年くらいは夫婦二人で楽しく過ごすつもりで、来年くらいから子供を考えようとしていたAさんですが、このままだと妊娠が望めないかもしれない、と慌ててネットにて検索され、当店に来店されました。

子宮筋腫の主な症状は、「月経時の経血が5~10倍に増える」、「貧血になる」、「トイレに頻繁に行きたくなる」、「排尿・排便がしにくい」、「腰痛」、「下腹が太ってきたように感じる」などですが、Aさんにはそれらの症状はなく、自覚症状として困っていることは、「冷え症」くらいでしたので、まさかこんなものが子宮の中に出来ているとは思ってもいなかったのです。

「子宮筋腫」は、現代の女性の5人に1人は持っているといわれています。これは子宮の壁などにできた良性の腫瘍です。閉経を迎えると、小さくなるものですので、極度の月経過多や貧血など生活上に支障をきたす症状でなければ、そのまま経過観察にて過ごすことができます。

ただ、Aさんのように妊娠を望まれる方は、場所によって着床障害となったり、妊娠中に胎児と共に大きくなったりすることで、流産しやすくなったりと、妊娠しにくい可能性が増してしまいますので、何らかの対処が必要です。

西洋医学的には、ホルモン剤を投与して治療される場合が多いですが、それでも症状が改善しない場合は、筋腫を取り除くことになります。

「取り除く方法」は開腹により「切除や摘出する方法」が主流ですが、最近は「血管内に通した管で薬を腫瘍に送り込む方法」や、「超音波により焼却する方法」もあるようです。

Aさんは、妊娠希望まで1年間と少し期間があるために、体に負担の少ない漢方薬にて筋腫を小さくすることを希望されての来店でした。

おススメしたのは「爽月宝」に「桂枝茯苓丸」です。

1年程漢方薬を服用しながら筋腫を観察していく計画です。

Aさんももっと早くに検査をされていれば、筋腫ももっと早い期間で小さくなったことでしょう。「避妊をしているから妊娠しない」ことは100%ではありません。避妊していても2年間、妊娠の傾向がない場合は、検査だけでも行くことをおススメいたします。

漢方の周期療法

漢方の「周期療法」とは、西洋医学のメカニズムと東洋医学の考え方をドッキングさせた「月経調整法」です。

「月経期」・「卵胞期(低温期)」・「排卵期」・「黄体期(高温期)」の月経周期により体内のホルモン分泌が異なりますので、それに合わせて漢方薬の処方を変えていきます。

先天の気が宿り、生殖能力の源となる「腎(経絡の一つ)」の機能を高め、精神状態や月経に関係が深い「気」と女性ホルモンに深く関わる「血」の機能や巡りを正常にすることで、自分の体にある力を呼び起こし、月経周期が整い、妊娠できるようにするものです。

これは、妊娠を望む人のみのものではなく、女性の体の不調を整える療法なのです。

「月経周期が乱れている」「生理痛が酷い」「月経が来ない」「月経の量が少ない」「月経時に頭痛が起こる」などの症状でも、気・血の巡りを整え、腎の機能を高めることで、それらが改善していくものです。

妊娠を希望していない人でも、何らかの症状がある場合は、その原因である体質を漢方で改善されてはいかがでしょうか?

意外と早くに結果が出るものです。