子育ては本能?

人間が「育児をする」というのは遺伝子で組み込まれたものではないようです。人間に一番近い知能とされる「オランウータン」も同じだそうです。

つまり、何の知識もなく、誰もいない孤島で子供を産み落としたならば、どのように子供を育てて行けば良いのか、人間はわかないようなのです。

小さい頃より、母親のすることや他の人がすることを見たり、様々な映像や本を見ているために私達は見よう見まねで育児をすることができるのですが、全くそのような情報がなかったり、教えてくれる人がいなかった場合、私達は本能では子供をどう育てて良いのか、わからないのです。

知識をたくさん入れることができる私達人間やオランウータンは、仲間よりその情報をもらい、より良くそのことを行えるように努めるようになっているのでしょうか。

反対に、「人の間」に居て人から情報を得ないといけない「人間」が、人の間に入り込むことができない、または入ろうとしない、ことは、生きていくための情報を得ることができず、取り残されてしまうことになるということなのでしょう。

「わからないこと」は「恥ずかしいこと」ではありません。「わからない」のは教わっていないので、当たり前なのです。

孤立してしまったがために、誤った理解をし、人を理解できず、殺めてしまう・・・。そんな悲しい結果にならないように、「人の間」に入ってわからないことを教わってください。そして教える側も決して壁を作らずに迎えてあげてほしいものです。もうこれ以上悲しい事件にならないように。

お血・痰湿症

28歳Oさん。156cmの58Kgとちょっとぽっちゃり気味の体質。むくみがちで、ここ数年はどんどん冷え症になってきたと言われていました。

2年前に子宮内膜症と子宮筋腫、チョコレート嚢腫の開腹手術を行い、その半年後より、妊娠に向けて人生設計を立てようとされていました。

手術後は、卵管造影も、精液検査も、フューナーテストも、排卵の検査も何も問題なかったのですが、妊娠の兆しも見えず何周期も時だけが過ぎていきました。

内膜症が再発しない前に早くに妊娠したい、と思う気持ちが先走るだけ。半年間も排卵誘発剤とタイミングにより様子を見続けてきましたが、結果として得られたものは、月経血が減少したこと。これは明らかに、誘発剤により子宮内膜が薄くなったという副作用です。

悲しくなったOさんは、この治療を休み、「妊娠しやすい母体作り」を手伝ってくれる漢方薬を試してみようと問い合わせをされました。

Oさんは、「内膜症」「筋腫」「嚢腫」などがあることから「お血」「痰湿」タイプであると捉えられ、漢方では、まずはそれを改善するように処方をしました。

それと同時にOさんにも生活面で、ある程度努力をしてもらうようにしました。

★食べ物は、「油っこいもの」や「甘いもの」を控えること。これが「痰湿」の誘因となります。

★食事は、野菜中心ににて、キャベツ、ほうれん草、小松菜などの野菜を1食に100g程度とるようにすること。野菜ジュースで代用してもO.K!これにより内臓脂肪が減り、滞っている痰や湿、血の流れがよくなります。

徐々に上記の生活面を改善しつつ漢方薬を服用されたOさんは、2ヵ月後には体重は変わらないけれども腰周りがすっきりとし、ベルトも緩くなったようです。それとともに低温期が安定しだし、徐々に高温期の安定も見られるようになりました。

「お血」と「痰湿」の体質が徐々に改善されたために、卵の育ちもよくなり、体調が整ってきたのです。

4ヶ月漢方薬と生活改善をされたOさんは、次周期より、ホルモン療法をされる予定です。これだけ整ったOさんの体調は、すっかり「妊娠しやすい母体」に生まれ変わっていることでしょう。

次周期の療法の結果が楽しみですね。

虚弱体質のお子様に

5歳のお子様をお持ちのMさんよりお問い合わせ。

「年中風邪を引いてばかり。引くと長引き治ってしばらくするとまた風邪を引くので困っています。体質改善に何か良い漢方薬はありますか?」

Mさんはお問い合わせと同時に、お子様に「板藍茶」をご注文されていました。

「風邪をひきやすい」という体質改善のためには「板藍茶」だけでは力不足です。

そのような症状には「小建中湯」を服用されるのが良いです。

「桂枝加芍薬湯」に「膠飴(こうい、かたあめ)」を加えたものが「小建中湯」です。

このお薬は、「虚弱体質」「夜尿症」「夜泣き」「慢性胃腸炎」などの体質改善の基本的な処方として小児用ばかりでなく、成人にも使用されているものです。

Mさんの5歳のお子様の場合は、「板藍茶」と「小建中湯」を成人よりも量を1/3に減らして併用し、服用を続けていただくことにしました。

それらを3ヶ月も服用されていれば、体質の改善が見られることでしょう。今年の夏、来年の冬には風邪の引きにくい元気なお子様に育っていること間違いなしです!

紀子さまブーム?

先週、秋篠宮妃紀子さまのご懐妊が宮内庁より発表されました。超音波にて胎児の心拍が確認されたと伝えられました。

この発表が俄かに「子供服売り場」でブームを巻き起こしているようです。名づけて「紀子さまブーム」でしょうか?

子供服売り場の前を通ると、色鮮やかに飾られた可愛い小さな服や靴下、帽子、手袋、前掛け・・・などなどに目移りしてしまい、思わず衝動買いをしてしまっている自分に出会います。買うつもりでなかったけど、買ってみて着せてみると、「買ってよかった。可愛いわぁ。」と。

「親バカ」(叔母バカ?)でもいいから、このブームは乗ってみても良いですよね。

紀子さまは、もし男児をご出産になれば長男となり、皇位継承順位第3位となるために期待に胸を躍らせておられることでしょう。

しかしこの性別ですが、果たしていつ頃はっきりとわかるものでしょうか。

実は、妊婦健診でよくある質問がこの「性別について」なのです。皆様の間でも様々な事情があるのでしょう。紀子さまはまだ妊娠7週目。この時期ではもちろん性別は判定できません。

性別判定ができるのは、早い場合であれば16週頃です。一般的には20週を過ぎてから判定ができると言われています。

産まれるまで性別がわからなかったその昔であれば、お母さんである妊婦の顔つきがきつくなれば「男の子」、お腹が前に飛び出てきたら「男の子」などと言っていましたが、よく妊婦さんのお顔を観察していると、その通りであることがよくわかります。

また脈でも性別の判定ができるのですが、現代では妊娠20週を過ぎると判定されるために、脈により判定を希望される方もなくなりました。

ただ望んだ性別が男の子でも女の子でも、可愛い我が子には変わりありません。紀子さまブームに乗って、どちらが産まれても可愛い我が子(姪や甥も)の春のお洋服を探しに出かけてみませんか。

まぁ、いいかぁ、と思ったときに。

結婚5年目。30歳のTさん。

4年前より子供が欲しいと思いながらタイミングにて様子を見ていましたが、なかなか恵まれなかったので、3年前より婦人科へ。

しかし検査の結果は、ホルモンも卵管も通水の検査も問題ありませんでした。しかしそれでも恵まれないために、排卵促進剤の「クロミッド」、「セキソビット」、漢方薬の「当帰芍薬散」など服用しながら人工授精を2回行いました。しかしそれも喜ばしい結果には結びつきませんでした。

次に婦人科で行われた治療は、卵胞ホルモンを補う薬である「プレマリン」、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合薬でピルの仲間で女性ホルモンを補う「プラノバール」、黄体ホルモンを補う「ルトラール」などの薬を組み合わせて、排卵や月経を調整するものでした。

そして2年の月日が流れました。

なかなか改善されないことに、不安と焦りを感じた昨年の春、同じように悩んでいた友人から「漢方薬を飲み始め、2周期目ですぐ妊娠したから行っておいで!」と勧められ、ご友人と一緒に来店されたのです。

とてもデリケートな性格がTさんの気持ちを乱し、そのことが体の機能に影響するために、そのデリケートさを補うこと、そして今まで行ってきたホルモン治療の後遺症を調整すること、を重きに薬の処方をしました。

それに加えて初めの3ヶ月間は、鍼灸治療も併せて行っていました。

当初のTさんの状態は、下肢は冷え、顔はのぼせ、少腹は固く、舌先は赤く、次髎穴付近の腫れが診られました。

それらの体質改善とホルモン剤の副作用を取り除くように、鍼灸治療と「衛益顆粒」「帰脾錠」「シベリア霊芝錠」「杞菊地黄丸」などを組み合わせていきました。

昨年末、「今年中に妊娠したい!」という思いが焦りに繋がり、なかなか良い結果が出ないうちに、年が明けました。

今年に入り、「まぁ、いいっか。今年はもっとゆったりと過ごそう。」と病院通いも止め、漢方の周期療法も周期で薬を服用することに自分で自分にプレッシャーを与えてしまうために、全周期通しの漢方に変更し、のんびりと過ごすことに生活スタイルを変更しました。

そんな中、2月初め、Tさんから妊娠陽性反応の連絡が入ったのです!

知らず知らずのうちに、友人のお腹が大きくなっていくこと、毎月生理が来る自分、にプレッシャーを与えていたのでしょう。そのプレッシャーから解き放たれた瞬間、約10ヶ月で充分に改善されていた体は、Tさんの願いを受け止めてくれたのです。

良かったですね。

もうこれで自分にプレッシャーを与えることがなくなりました。これからは、はっきりと確認されたお腹の中の小さな鼓動と共に、明るい未来に向かって進んでいくのみです。

腟炎・卵管炎

「腟炎」や「卵管炎」などの炎症性の疾患は、中医学では「お血」や「湿熱」が原因であると捉えます。

「お血(血の流れが悪い状態)」や「湿熱(ジメジメムシムシとした状態)」が存在する環境下では、気や血が停滞し、結果として感染症を引き起こすことに繋がります。

「腟炎」は、感染によって膣に炎症が起こったものです。

西洋医学的には、クラミジアなどの細菌に感染したことや、過労などにより抵抗力が落ちたときに膣の周囲に存在する大腸菌などに感染することが原因で起こると言われています。

その炎症が卵管にまで及んだものが、「卵管炎」です。卵管まで炎症が及ぶことで、不妊の原因となったり、流産や早産の原因にもなります。

また、それらの炎症は、生理痛を引き起こしたり、排便痛や排尿痛、不正出血を引き起こすこともあります。

そのような症状がある場合、もしくはそれほど症状がなくても「腟炎」や「卵管炎」に罹っている人は、早急に治療をすることが望ましいです。

その炎症を解決することで、辛かった生理痛、面倒な不正出血、不妊、流産などの症状をも治すことができるのです。

樹齢900年の恵み

古事記・日本書紀によると、世界にはまだ大地がなくドロドロした状態だった頃に、天上の神々が男神・伊弊諾(いざなぎ)と女神・伊弊持(いぎなみ)に「地上はまだ漂うばかりだから、これを固め、国を造りあげよ」と命じました。

その時に、ドロドロの海原を矛でかき回し、矛の先から滴り落ちた潮が凝り固り、島が誕生したこの島が「おのころ島」といわれ、現在の淡路町の絵島、洲本市の成山、南淡町の沼島ともいわれています。

日本列島の最初の陸地として誕生した「淡路島」に日本最古のお社である「いざなぎ神社」があります。その境内にある樹齢900年になる天然記念物の「夫婦大楠」。

日本を産み出した男神・伊弊諾(いざなぎ)と女神・伊弊持(いぎなみ)の命に、その「産み」のパワーを恵んでもらおうということでそのようになったのか、「子授けのご利益がある」と言われています。

大きな楠の木の下で は、樹齢900年も生きてきたその漲ったパワーのシャワーを浴びることができます。

一昨日に撮った小さな写真にて、その「ご利益のパワー」をみなさまに差し上げます!

漢方の力

31歳Kさん。結婚5年目。結婚当初は夫婦2人で楽しもうと避妊をしていましたが、3年目よりそろそろ子供のことを考え始めました。

年齢も20代で、すぐにでも授かるだろうと思っていたのですが、全く兆しも見えず、そして婦人科へ。

その結果は、高プロラクチン血症、排卵障害でした。その後通院されたのは1年間。行った治療は「『カバサール』を週1回服用すること」でした。『カバサール』はもともとパーキンソン病の治療薬としてのみ承認されていましたが、2003年4月に高プロラクチンの治療に対しても承認され、使われるようになっているものです。

Kさんは、タイミングを合わせては、毎回期待に胸を膨らませていましたが、やはり全く兆しも見えないまま時が過ぎていきました。

30歳を過ぎ、悶々としていた頃、ネットにて検索中『漢方による不妊治療』の文字が目に飛び込んできたのです。これだ!!!

早速メールにて問い合わせされたのが、昨年の7月。それ以降、周期療法による漢方治療を始められました。

当初のKさんの状態は、排卵がスムーズに行っていないために、高温期の立ち上がりが悪く、高温期の前半は体温が上がりきらず波状型の基礎体温表でしたので、黄体ホルモンの不足が考えられました。

そのため、排卵期に「五霊脂」や「冠元顆粒」「爽月宝」などの薬の調整を1周期ごとに行いました。

そんな中、10月、高温期初めに出血があり、婦人科では「排卵がうまく行ってないための出血」と診断されましたので、漢方薬は「田七人参」にて経過をみることにしました。

そして翌月、10月の出血は「子宮外妊娠」であったとの報告を受けました。

「子宮外」であったけれども始めての「妊娠」。今まで全く兆しすらなかった「可能性の芽」が吹き始めたことに、Kさんは長い冬を越えた後の「春の暖かみ」を感じられた様子でした。

この芽吹きの時を逃さぬように、また11月より体調を整え次回に望めるよう漢方治療は続きました。

そして、年が明け、旧正月を迎えた2月。Kさんよりメール。

「妊娠5週目です」と。

10月の「初めての可能性」はもう可能性ではなく、確実としたものに変わりつつあることが感じ取れた瞬間でした。

確実に「よろこび」を感じられる漢方薬。

もっと多くの人に、この「よろこび」を感じて欲しいと願っています。

子育てコーチング

小さなお子様をお持ちのパパやママなら一度は感じるであろう「育児ストレス」。

エスカレートして虐待にならないようにしたいものです。虐待までいかなくても、思わず声を荒げて怒ってしまい、後で後悔して悩むことはしばしばあるのではないでしょうか。

子育てに悩むパパやママをサポートし、「子育てコーチング」をされている川井道子さんの「子育てに効果的な7つの決め技」を紹介しましょう。

★承認・・・言葉や行動などから子供のメッセージをしっかりと受け止め、アドバイスは後からする

★傾聴・・・子供の話を聞くときは用事をしている手を止める

★リフレイン・・・子供の発言の語尾などを繰り返す

★先入観を持たない・・・子供はこういうもの、と思い込まない

★質問・・・子供が失敗しても「どうしたらいいのかな?」などと問いかけて一緒にその原因を探す

★沈黙・・・急かないで子供が話し始めるまで黙って待つ

例えば「おもちゃ買ってくれなきゃヤダヤダ!」と言って駄々をこねたら「嫌なのね」とリフレイン。「こんなのしたくない!」と言ったら「そっか、したくないんだ」とまたリフレイン。

これで、子供は「ヤダ」「したくない」という気持ちを分かってくれたと安心し、駄々をこねてた気持ちも収まってしまうのです。

「どうして嫌なの?!」「どうしてしたくないの?!」と子供の気持ちを否定するような言葉を言うと、子供の気持ちが満たされずにますます駄々をこねることになってしまうのです。

ただリフレインの後は、しっかりと正しいことを伝えないといけません。まずは子供の気持ちを受け止めて、安心させてから「おもちゃを買って欲しいのね。でもね、今日はもう買えないよ。」「これがしたいのね。だけどもう帰る時間だよ。」などと伝えること。

受け入れるところはしっかりと受け止め、譲れないところはしっかりと伝える。子供に合わせてじっくりと待つ。

楽しく育児ができるためには、「子供とのコミュニケーションをいかにうまく取ることができるか」に掛かっていると思います。今一度、川井さんの「7つの決め技」がちゃんとできているか、チェックしてみてください。

中国何千年

中国では、人口の増加を防ぐために「一人っ子政策」がなされて久しいですが、「1人しか作ってはいけない」ということ以前に「1人もできない」というカップルが、8組に1組の割合でいると言われています。

(ただ「1人しか作ってはいけない」のではなく、「2人以上作っても良いが税金がかなり高くなる。税金を払うなら良い。」という制度だということは、中国の資産家達の家庭を見るとわかり、その辺が中国らしいな、と思う部分でもあります。)

日本では、その割合は10組に1組だそうです。韓国でも不妊治療は盛んであるし、アメリカなどでは他人のお腹を借りて出産する代理母出産も行われているように、「不妊」の悩みは国内外を問わず、世界中に広がっているものだと改めて感じさせられます。

昔から同様にこの様な悩みはあったのでしょうが、「不妊の悩み」は他人にはなかなか理解されないために治療を受けにくく、そのために近年まであまり治療も進んでいなかったのかもしれません。

しかし近年では、その技術はますます高度化し、高度生殖医療を行う病院が増えてきているために、治療も受けやすくなってきたと言えます。

そんな中、中国でも高度生殖医療を実施する施設も増え、不妊で悩むカップルも治療を受けやすくなったようです。ただ、中国では幼い頃より西洋薬よりも漢方薬に馴染みがあるために、西洋医学の治療にて問題がなかった場合は、多くのカップルが中医学に基づいた漢方治療を選ぶようです。

中国何千年もの歴史の中で育まれてきた中医学には、まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。私達も多くの中国の症例を基にして、日々「何が問題なのか」「何が必要なのか」を探り当て「その人に合った治療」が提供できるように努めています。