診断に有効なもの

5歳になる男の子Kくん。今まで何の病気もなく、元気に過ごしていました。

ある日、朝食後に「うんち」に行ったところ、血が混じっていました。Kくんもお腹が痛んだりすることもなく、熱っぽいことも何もなかったので、しばらく様子を見ることにしました。

しかし、次の日も次の日も「うんち」に血が混じるために、小児科病院へ。

注腸検査をしたところ、結腸部に1cmの大きさの腫瘤があることがわかりました。出血はこれが原因でした。

これは「若年性ポリープ」と呼ばれる良性のポリープです。多発部位は、S状結腸から下部結腸で、4~5歳によく見られるものです。注腸検査や結腸内視鏡検査で診断ができます。

Kくんは、その後、内視鏡によりポリープを切除しました。内視鏡による手術だったために、回復は早く、3日後にはまた元気に外で遊ぶことができました。

Kくんの場合は、下部結腸のポリープだったので、血便以外の症状もなく、手術も軽く済みましたが、小腸に存在するものであれば、腸重積を起こすこともあり、「腹痛」「腹部腫瘍蝕知」「血便」の3主徴が見られ注意が必要です。

子供に限らず大人でも体調を示すものとして、「うんち」はとても大切なものです。特に、お子様は、自分で症状を訴えることが不十分なために、体調の指標となるものは要観察です。毎日の「うんち」のチェックは欠かさずに、異変のあるときは、すぐに小児科にご相談ください。