ホルモン治療をすすめられて

結婚5年目、32歳Hさん。

結婚当初より子供が欲しかったのですが、なかなか恵まれなかったため、2年前に婦人科を訪ねました。

そこで言われたことは、
「少し排卵が12日目と早い時もあるので、排卵時期を調整しましょう。」
そして排卵誘発剤を処方され、それを使用することで排卵を遅らせるように持って行く治療がなされました。

しかしその治療を行っていくうちに、眩暈、吐き気、だるさなど今まで味わったことのないような不調に見舞われ、3周期目でその治療を止めることを決意されました。

その後、お薬を止めたのに、その不調は続き、排卵ももっと早くなり、毎回11日目ほどになり、高温期も短くなってしまいました。

そして約1年後、まだその症状が続いたままでしたので、何とか西洋薬ではなく漢方の力を借りたい、と当店へ問い合わせをされました。

そしてHさんの体質から「気虚」が根底にあると捉え、冷え性もあることから「婦宝当帰膠」と「帰脾錠」をお勧めしました。

ところがHさんの体は西洋薬に限らず漢方薬も含め、全ての薬に拒否反応を示すようになっていたのです。「婦宝当帰膠」を服用すると、手が痺れるような感覚がすると言われました。

今までにこの薬でそのようなことが起こった例がないために、Hさんにとっての「薬」の存在が変わらない限り、全ての薬を続けることは無理だと判断しました。

そこで、Hさんが選択したのは「鍼灸治療」でした。

2週間に1度のゆっくりとしたペースの治療でしたが、徐々にHさんの体は改善してくるのが見て取れました。

そして半年後、目に見えて改善されたことは基礎体温表でした。排卵日が13~14日目になり、高温への立ち上がりが良くなり、高温期もしっかり14日間あるようになりました。だた少し高温の安定が、時々悪くなることがあります。

その頃Hさんは、婦人科の病院へは排卵の時期を確認するために、卵胞のチェックだけに通っていました。
先日病院に行った際に、
「大分と整ってきたので高温期だけお薬を飲んでみられますか?」
といわれました。

それは高温期を安定させるためのホルモン剤に他ありません!

2年前に薬で体調を崩したものをせっかくここまで整えたのに、ここで薬を使うことによってまた体調を崩すことになっては勿体ないことです。

Hさんもそれは感じていて、この調子の良い時期でもう少しタイミング療法で行きたい、と返事をされました。

さぁ、これからがスタートです!

そろそろ漢方薬も大丈夫でしょう。是非、このまま自分の力で自然で行きましょう!この夏から秋にかけて、きっと良いことが起きるでしょう。

乳癌の新検査法

近年の乳癌検査は、マンモグラフィーという画像診断装置が普及していますが、この装置により検査をした人は口を揃えて「痛かった!」と言います。

それも胸の豊かな人ならまだその痛みもマシなのかもしれませんが、ない人は尚更痛いものです!しかも微量だけれども被爆が起きてしまいます。

そこで痛くない装置を日立メディコと筑波大学が共同で開発したことが発表されました。

それは、超音波センサーを乳房に軽く押し当てるだけで、組織の硬さを数値化し、乳癌のしこりの硬さを見つけ出すというものです。

どのような硬さが癌であるのか、なかなか触診では判断しにくいものです。

しかし、乳癌による日本国内の死亡率は年間約1万人ほどで、そのほどんどが早期に発見できなかったために完治できず、死へと導かれた人々です。もし早くにわかっていれば・・・と家族が思うことは多々あることです。

検査するにも痛みを伴ったり、リスクを負うようなものではなかなか検査へ行く勇気が起こりません。

何でも早期に発見することが大事ですので、このような装置が開発されたことはとても喜ばしいことですよね。

妊娠中のトラブル

妊娠中のトラブルで、悪阻の次に多いのは「便秘」です。

赤ちゃんがお腹の中にいることで、通常よりもお腹が張るために便秘でお腹が張るのか、何なのかわからなくなってしまい、気がつくと「そういえば、ここ3日間出てない!」といったことが良く起こります。

市販の便秘薬は、妊娠中はあまり使用しないほうが良いものです。

なぜならば、便秘薬を使ったことで反対に下痢になってしまうと、妊娠中は「下痢」は危険症状となるからです。くれぐれも気をつけてください。

まずは薬に頼る前に、自分の力で解消することが一番です。

中国の医師が推薦していることとして、次の事があります。

 ★ハチミツとごま油を練って、スプーンで食べる
  ・・・ハチミツは自然のものを使用してください。
    ごま油も純度の高いものを使ってください。

また、一般的に言われる解消法としては、

 ★ヨーグルトを空腹時に食べる
 ★朝起き掛けに「さ湯」を1杯飲む
 ★リンゴ果汁をつくって汁だけ飲む(カスは捨てる)

などの方法をオススメしています。

それらのことをやっても便秘がきつい時は、是非安全な漢方薬をお試しください。

下剤ではなく、腸の働きを助け、腸内の水分がうまく調整されるようにする漢方にて、お辛い便秘を解消します。

是非ご一報ください。

笹の力

中国の伝説から生まれたお祭り「七夕」。今晩はどれくらいの人達が空を見上げていることでしょう。

「七夕」は、もともとは中国での話の牽牛星(けんぎゅうせい)と織女星(しゅくじょせい)が、天帝を怒らせたために天の川を挟んで引き離され、1年に1度七夕の日の夜だけ逢瀬(おうせ)が許される、と言う伝説に由来するものです。

二人の願いが叶うことにあやかって、この日に願い事をする星祭りが行われているのは皆様もご存知のこと。

日本では、平安時代にその伝説は伝えられたようです。

平安時代というと、「恋の花咲く時代」というイメージがありますが、その時代にも星に願いを込めて、「恋のみのり」を待ち望んでいたのでしょうか。しかし、みのらぬ恋の行方は、みのった人への恨みつらみ・・・。
恐い時代でもありましたよね。

・・・というのは想像の話で、その時代では、機を織る女性が機屋に神様をお迎えし、穢れを持ち帰ってもらうと言う信仰があったようです。実は七夕は「恋」のお願い事ではなく、習い事の上達を願うのが本来のお祭りの意味なのです。

今日は「願い事」を星に伝えてくれる「笹の葉」。

普段はそんな力ではなく、殺菌作用や防腐作用があることから昔から笹に食べ物を包む習慣があります。「ちまき」はその代表例ですね。お餅から笹の香りがほんのり漂うのも食欲をそそられるものです。

また、「心火の熱」を冷ます力があることから、漢方では発熱、脱水、神経の興奮などの症状で、顔が赤くなりのぼせる、口渇、口内炎、鼻血、黄色い尿などが見られるものを改善するために使われます。

つまり、疲れすぎて口が渇き口臭がするとき、尿が濁ってしまうとき、お子様などはすぐに口内炎が出来てしまったりしますがそんな時、笹の葉を使った「ササヘルス」がオススメです。

年中何かの形で重宝される笹の葉。今日はしっかりみんなの願いが叶うように、がんばって!!!

第7回ひよこママの会

今日は、漢方を飲んで産まれた赤ちゃんとそのひよこママとの会でした。第7回目の今日は、小児科の先生と看護婦さんが悩めるひよこママの強い味方になってくれました。

今日梅雨にもめげずに集まってくれた赤ちゃん達は、5ヶ月~1歳半までの幅広い月齢でした。

1歳半のひよこママが5ヶ月の赤ちゃんを見て、「わぁ、こんな時があったんだぁ。忘れちゃったなぁ。」って言うくらい赤ちゃんの成長は早く、1歳半のお子様がとても大人びて見えました。

そして「子育てはいかがですか?」の先生の質問に、通常は「大変です!」と返事が返ってくるのが、5ヶ月のひよこママは

「母親になって嬉しい。とっても幸せです♪」

とのお返事。

ここまで来れた幸せ。自分の子供の泣き声が聞ける幸せ。母親と言われる幸せ。いつも傍にある子供の笑い顔、寝顔・・・。

今までの様々な苦悩を乗り越えてきてのその言葉は、とても重みがあり、心からの気持ちであることが伝わり、私達も何ともいえない嬉しさを感じました。

その言葉を聞き、幸せなお顔を見ると、本当に良かったと思えます。

小児科の先生も、次のように話されています。

「楽しみながら育てられることはとてもいいことです。母親が楽しんでいる、喜んでいるというのは、必ず子供にも伝わります。そう感じながら子育てができるのは、子供にとっても良いことです。」

「子育ては子供との交流が大切。子供が小さい時に母親と築いた【絆(きずな)】というのは、大人になってから大事な支えになるものです。今の時期にしっかりと絆を築いてください。」

赤ちゃんは日々成長するものです。パパやママのしぐさ、行動、話し方、何でもしっかり見ています。言葉がまだ話せないからといってわかっていないのではありません。

その辺も気をつけて、同じするなら楽しみながら子育てできるようにしたいものですね。

夏ばて

湿気の多いこの時期、「湿邪困脾」という胃腸が「湿気」で困った状態になります。つまり、体が水気でビタビタになって、食欲が低下し、だるく、元気がなくなるのです。

普通の状態でも水気の多い小さなお子様は、この時期、辛い思いをすることでしょう。

1歳10ヶ月になるAちゃん。産まれてから2回目のこの季節。昨年は空梅雨だったためか、まだ大丈夫だったようですが、今年の梅雨は堪えるようです。

Aちゃんのママは、Aちゃんが食欲もなく、ぐったりしていて元気がないので、小児科へ連れて行きましたが、
「夏ばてですね。」
とお医者さんは言われただけ。

こんな状態では可愛そうだと漢方薬を求めに来られました。

「夏ばて」対策としてまず大切なのは「食事」です。

「暑そうだから」と冷たい水やジュースを与えすぎては余計に胃腸の機能が低下します。その点に注意してもらうことが大前提です。

衛益顆粒」や「晶山仙」をベースに、「湿邪困脾」になっている場合は「六君子湯」等が最適です。

Aちゃんには胃のジャブジャブしたのを改善し、「健脾利湿」の目的で「六君子湯」を選びました。ママも少々夏ばて気味でしたので、ママには「晶山仙」を出しました。

これで、すぐに元気なAちゃんの笑顔が見られるようになるでしょう。

もう更年期?

45歳Hさん。ここ最近だるくて何もやる気が起こらず、足はむくみ、お腹は張るし憂鬱で、代謝が落ちてきてちっとも痩せない。少し運動をしようと歩き始めるけれども昔痛めた膝が痛み、長時間アスファルトの道を歩くことができない。

昔からある「肩こり」「頭痛」「腰痛」はますます酷くなる一方。それに加えて貧血症状があるので、何がどうなって、だるくて憂鬱な今の症状が起こっているのかわからないくらいの様々な症状。

「更年期なのでしょうか?」

そう尋ねられたHさんは、更年期というにはまだ早いお歳です。当店では47歳の人も不妊のための周期療法にて頑張っておられるくらいですから、45歳だと「まだまだ」といった部類に入ります。

「だるい」のは今の梅雨の時期、湿気のために健康な人でも多少だるく感じ、それが酷くなると「むくむ」「足だけ冷える」といった症状が起きるものです。

よくお話を伺うと、「子宮筋腫」を持っているとのことですので、おそらく「貧血」が進み「だるい」症状に拍車をかけているのだと思われました。

まずは「貧血チェック」のために血液検査に行くことをススメました。もし鉄の数値が10未満であれば、新薬の力を少し借りて鉄の補充をすると回復が早いでしょう。

10以上であれば漢方の力(「婦宝当帰膠」「参茸補血丸」「双料参茸丸」「ヘム鉄アスリーブ」など)で補充して回復させることも十分に可能です。

そして全ての代謝が低下し、だるい症状を亢進しているようですので、「ケイギョク膏」をオススメしました。
代謝が低下すると、巡りも悪くなり、足の先に行った血、水分が戻りにくくなり、足に溜まります。それが「むくみ」です。

水は冷たいものですので、水が溜まってむくむと、足が冷えます。

ケイギョク膏」にて、徐々に症状が改善されることでしょう。

45歳はまだまだ若いです!

「更年期だ」と思ってしまっている人は、もっと元気に輝いて過ごせるように漢方で是非ケアしてください。

夏越の祓

今日、6月30日は「夏越の祓(なごしのはらえ)」。

ちょうど1年の半分が過ぎる日で、1年が過ぎる日の12月31日にも大祓をするように、半年分の穢れを祓う神事が各地で行われました。具体的には各神社で行われるのは「茅の輪くぐり」。これをくぐることで、穢れを祓うのです。

旧暦では今日で夏は終わり。明日から秋に入ります。

夏には疫病が流行り、その厄払いの行事でもありました。

この厄払いにちなんだお菓子である「水無月(みなづき)」。今日はこのお菓子を食べることで、1年間の無病息災が約束されると伝えられてきました。

この暑い時期になかなか庶民では手に入らなかった「氷」を見立てて作られたと言われているこのお菓子ですが、上に乗っている「甘納豆の小豆」には「厄除け」だけでなく、「清熱燥湿」「利水消腫」作用があるために、この時期に多い「むくみ」「だるさ」「便秘」にはもってこいのものなのです。

夏ばて気味のぷれぷれパパ・ママ、ひよこパパ・ママ、お子様達、是非、「水無月」を食べて、この時期の不調を乗り越えましょう!

ではここで、★★とっても簡単水無月のレシピ★★を紹介!

とっても簡単ですので、是非この時期のおやつに手作りしてみてください。

<<材料>>

★小麦粉(バイオレットがあればなお良い) 100g

★砂糖 100g

★水 300g

★甘納豆 100g

<<作り方>>

①小麦粉はふるいにかけ、砂糖と混ぜ、水を加えます。

②電子レンジOKの容器に甘納豆を敷き詰め、①の液を流し込みます。

③電磁レンジで7分。チンッ!出来上がり!適当な大きさに切り分けて、冷蔵庫で冷やします。

アディポネクチン値

最近良く耳にする「メタボリックシンドローム」という言葉。

「肥満」であることが大敵のように言われています。現代は車社会になり、生活水準も上がり、交通機関も発達したために、運動不足傾向になり、気をつけないと「肥満」という道へと導かれることになっています。

その「肥満」のキーワードとなるものの1つに「アディポネクチン値の低下」があります。

「アディポネクチン」とは、「善玉アディポサイトカイン」のことで、動脈硬化を予防してくれるものです。これに対して「悪玉アディポサイトカイン」は、動脈硬化を促進させるものです。

「内臓型肥満」になると、善玉の「アディポネクチン」が減少し、悪玉が増え、インスリン抵抗性が高まります。そして血糖値が上昇し、糖尿病を引き起こしやすくします。その悪玉は、脂肪細胞が脂肪を貯めこんで大きくなればなるほど、多く分泌されるようです。

通常はこのようなメタボリックシンドロームの検査に使用される「インスリン抵抗性」ですが、不妊治療の検査、特にPCOS(多嚢胞性卵巣症候群の検査にも使用されています。

その検査によりPCOSと判断された場合、それを改善するために、インスリン抵抗性改善薬を出されるようです。

インスリン抵抗性を改善させ、内臓脂肪を減らし、アディポネクチンを増やすことにより、PCOSの体質が改善されるとされているためです。

この治療をされている人を多くは聞きませんが、もし有効であるのなら、増加傾向にあるPCOS症状の画期的な改善方法となることでしょう。

漢方では、PCOSの場合、「爽月宝」や「冠元顆粒」などを使用します。排卵を促進させ、自力で排卵するように持って行きます。

PCOSの症状でお悩みで、「クロミッド」などの排卵促進剤への反応が悪い人は、是非漢方薬をお試しください。

自家中毒症

「自家中毒症」とも言われる「周期性嘔吐症」。

神経質なお子様がかかりやすい病気です。

症状は、頻繁な嘔吐が繰り返し起こり、頭痛、腹痛なども伴いながら何日間も続くこともあり、脱水状態に陥ることもあります。この症状は、10歳を過ぎると自然に治まります。

それが起こるきっかけとして、緊張するような行事があるとき、例えば、「学芸会」「運動会」「参観日」などの前によく起こるのです。

思い起こせば小学校1年と2年の頃、必ず年に1回、嘔吐をしていた覚えがあります。しかし「周期性嘔吐」のような激しいものではなく、ほんの少し1回だけ嘔吐する、といったものでしたので、治療をするまでもなく、時が過ぎていきました。

記憶によると、緊張する行事の前でも何でもなかったような気がしますが、まだ慣れない小学校生活に多少のプレッシャーをかかえていたのかもしれません。

その頃は、病院へもなかなか行きませんでしたので、西洋薬も漢方にもお世話になる機会に巡りあいませんでした。

こんな時漢方では、発作を予防し、繰り返し起こるこの症状を起こらないようにする手助けをします。

おすすめは・・・

五苓散 

★苓桂甘棗湯 

★桂枝人参湯 

上記のものをうまく使い分け、調整することで、激しい発作からお子様を守ります。

もしこの様な症状を持っているお子様がおられたら、是非ご相談ください。繊細なお子様をお助けします。