排卵障害の1つ

排卵障害には高プロラクチン血症など様々な原因がありますが、その1つに多嚢胞性卵巣(PCO)があります。卵巣の皮が固くなり、卵巣の中に十分に成長していない卵胞が多くでき排卵を妨げているのです。

症状としては、「不妊」「生理不順(間隔が長い)」「無月経」「肥満」「にきび」「不正出血」「多毛症」などがあります。

診断は、脳の下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)が過剰に分泌されること、卵巣に多数の卵胞の嚢胞状変化が確認されること、などの基準が当てはまることによりなされます。

もし無月経のまま治療をせずにいると、稀に子宮体癌の発生に繋がることもあると言われています。

しかし治療といっても、排卵誘発剤を使用して排卵を促すか、カウフマン療法やピルを使用して月経を起こすことしかできず、それにより根本治療には至らないのが現状です。ただ質の良い卵が育ち排卵すれば妊娠は可能なために、不妊治療では排卵誘発剤がよく使用されます。

しかしこの誘発剤、あまり長く使用すると、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりますので、 期間を区切って、3周期使用すれば、3周期休み、そしてまた3周期・・・と卵巣の様子をみながら進めていくのが良いでしょう。卵巣が腫れてしまってから休めるのでは遅いです。回復にも時間がかかりますので、反って治療を長引かせることになってしまいます。

また西洋薬の排卵誘発剤は多胎妊娠を多く招きます。その症状の程度にもよりますが、できれば漢方薬の「爽月宝」「冠元顆粒」などにより調整していくのが良いでしょう。

漢方薬にて多胎になったり卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になることはまずありません。あくまでも漢方は自分の力を引き出すだけで、自分の力以上の無理な力を加えるわけではないからです。

「排卵障害かな」と感じている人は、まずは検査をし、自分の状態を把握しておくことが大切です。その上で、自然派志向の人は是非漢方薬をお選びください。

補腎でまだまだ

あと何年かで50歳を迎えるUさん。

昨年までは病院の治療も漢方薬の周期療法もしっかり続けておられました。しかしどんどん変わっていく体、なかなかホルモン剤にも反応してくれなくなった体に、もう薬漬けの不妊治療は止めようと決意されたのです。

漢方薬に出会ったのは一昨年の終わり頃。漢方薬にもっと早くから出合っていれば、ここまで来ずにもっと変わっていたかもしれません。

しかしそれは結果論であって、早くに出会っていても同じことだったかもしれませんが、明らかに漢方薬に出会ってからUさんの体は元気を取り戻し、排卵期のおりものが増加するなど卵巣がしっかり働いてくれている指標となることが多く現れたのは事実です。

今年に入り、Uさんはもう治療を止めたと言えども急速に体が衰えていくのを黙って見ていることはせずに、自分なりに「漢方薬の補腎薬は飲み続けよう」と決め、「婦宝当帰膠」「杞菊地黄丸」「補陰湯」を続けておられます。

それから無排卵の月経が2度来潮。その状態に体温を見るのも測ることも嫌になり、基礎体温表をつけることを放棄。3月に入って世の中は冷え込んでいるのに自分自身が温かいことに気づき、思い出したように体温を測ったところどうやら高温期に入っている様子。しばらくその高温が続き、そして来潮。

もう卵が出来ることもそして排卵することも諦めていたUさん。きちんと排卵して高温期になり、正常な月経が来たことにとても幸せを感じたと言われました。

そうなのです!「高温期がある」ということは「きちんと排卵した」ということで、「排卵した」ということは「卵がきちんと出来ていた」ということであり、まだまだ女性ホルモンが出て、卵巣が働いているという証なのです!

まだまだ諦めることはありません!しっかり補腎をしていれば、これからも卵巣が働き卵ができることでしょう。いつまでも希望と夢は持ち続けてください。その夢は時期によっていろんな形に変わっていくでしょうが、夢を持ち続けることはとても大切なことです。Uさんの今の夢は何でしょうか?これからも夢に向かって輝くUさんでいてくださいね。

原因は?

「下唇の下の方に赤い筋が現れるんですけど、何でしょう?鍼で何とかなりますか?」

26歳Eさんが3ヶ月ほど前に鍼灸治療に来られた際に言われました。もともとアレルギー体質で頚肩凝り症のEさんは、近くにお住まいの2年前にはほぼ週1回のペースで鍼灸治療に通っておられました。

その間、頚肩凝りが良くなっただけでなく、アレルギーの症状が出ることも少なくなり、肌の調子が良くなり、以前はシーズンに1回は耳が痛くなり、耳鼻科のお世話になっていた症状も全く無くなったと言うので、楽しく治療に通っておられました。

しかし半年前に大阪から飛行機で1時間半ほど離れたところへ居住することになってしまいました。3ヶ月に1回くらいの割合で、その他の用事も兼ねて、Eさんは鍼灸治療に足を運んでくださっています。

3ヶ月前のEさんの「下唇の下の方の赤い筋」の症状は、場所的に明らかにホルモンバランスが崩れているものと思われました。Eさんは少し前に歯医者に掛かった時、抜歯の際の強い麻酔が原因だと思っていたようです。麻酔をしたのはその側の下歯でしたので、その影響でアレルギー反応が出たのだと思ったのです。

しかしその麻酔をしてからやや1ヶ月は経過しているのにまだその赤い筋が出ているのは、おかしいことです。麻酔の影響であればもう回復しているはずです。それがまだ存在するのですから他の原因であるはずです。

「きっとホルモンバランスが崩れているはずですから、基礎体温表をつけてみてください」と指示しました。

そして約3ヶ月が経ちました。

あれからEさんは真面目に基礎体温表を付けていました。そして自分の体調が手に取るようにわかってしまう基礎体温表に、驚きと楽しさを感じているようでした。

「ちょうどお正月前後に無茶してたらこんなになって、生理が来なかったんです!」

その時期の基礎体温表は、延々と低温(卵胞)期が続いていました。そしてミニ高温期が出来て、来朝していました。またその時期のお肌の調子は最悪だったらしく、顔は赤く腫れあがり、熱を持っていたようです。まさに血熱です。出るべきものが出ずに熱となってEさんの弱い皮膚に症状が出たのでしょう。

今周期はきちんときれいな体温を現し、予定通りに来朝していました。

そして「下唇の下の方の赤い筋」の症状は、以前より薄く、出ない日もあるようになったようです。

その症状が、Eさんが無理をしていることが分かるリトマス紙のようなものだと言うことを告げ、Eさんには生活スタイルに気をつけてもらうように話をしました。

以前であれば定期的に鍼灸治療にて調整することができましたが、距離が離れてしまった今は、ある程度のことは自分自身でケアしてもらわなくてはなりません。今までの無理しすぎていた生活から、自分をケアする良い方向へ進めるように3ヶ月ごとにこれからも指導をしていく予定です。

陽性反応!?

「いつもより生理が遅れているので、妊娠検査薬にてチェックしたら陽性反応が出たんです!」と喜ぶTさん。

基礎体温表を見てみましたが、決してきれいな基礎体温表になっていず、排卵の時期も特定できないくらいのもので、低温と高温の差もほとんど見られない状況でした。

体温表を見る限りでは妊娠したようには見受けられないものなのですが、もしかしたら計り方がよくないのかもしれません、陽性反応が出たということですので、しばらく漢方の安胎薬を服用しながら様子を見てもらうことにしました。

妊娠が成立すると、絨毛膜から胎盤が形成され、その胎盤の絨毛組織からヒト絨毛性ゴナドトロピンと呼ばれるホルモンが急速に分泌され、妊娠を存続させます。この分泌されたヒト絨毛性ゴナドトロピンは、尿に排泄されます。

ヒト絨毛性ゴナドトロピンを分泌する絨毛は受精卵由来であるために、絨毛の存在は「受精卵の存在」を意味し、さらに「妊娠」を意味していることになるのです。

この陽性反応がすぐに陰性になることは多くあり、ごく初期の流産で、臨床的には確認されないまま自然流産をしていることはよくあることなのです。不妊治療をしていたり妊娠を常に意識している人だからこそ、陽性になることを確認できるのであって、通常の場合は、それも確認しないうちに通常のように来朝していることになっていることでしょう。

ただ不妊治療や黄体機能不全でヒト絨毛性ゴナドトロピンを投与している場合は、陽性反応が出てしまいます。

また妊娠していない女性や男性でヒト絨毛性ゴナドトロピンが確認される場合は、hCG産生腫瘍などが考えられますので注意が必要です。しかしこれは極めて稀な疾患です。

また閉経後の女性で、妊娠とは無関係なヒト絨毛性ゴナドトロピンが尿中に認められ、陽性反応が出ることがありますが、妊娠の時とは異なり、その数値が増加することはなく一定であるために妊娠ではないことがわかります。

反対に妊娠している人で、ヒト絨毛性ゴナドトロピンの値が低かったり、異常に高すぎたりする場合は、妊娠の異常が考えられます。妊娠中であれば、定期的に検査に行きますので、適切な処置がなされるでしょうが、それ以外の場合は、何らかの処置が必要かもしれません。何か不思議に感じたときは、早めに産婦人科へご相談ください。

もっとチーズを!

器質的疾患がなく、生理不順や不妊症で悩む人達は、比較的体力のない人、血圧や体温が低めの人、が多いように見受けられます。

その原因として「朝食をしっかり摂らない」「不規則な生活」「寝不足」などが多くあげられます。つまりそのような不規則なことをすることによって、血圧や体温を調節している自律神経が乱れてしまい、結果としてそれらの症状を引き起こしてしまうのです。

動脈硬化の予防には、血圧は低い方が良いのですが、低血圧であれば「冷え症」「むくみ」「だるい」「頭がぼーっとする」「めまい」などの症状を伴い、辛いものです。

その改善策としては、「朝食をしっかり摂る」「十分な睡眠をとること」「適度な運動を行うこと」を心がけてください。

朝食がどうしても食べられない人には「ケイギョク」「婦宝当帰膠」などが飲みやすくて良いでしょう。

朝食を食べることができる人には「チーズ」を取り入れると良いというデータも出ているようです。朝食でなくても1日に50gを目安に特にチェダーチーズを食べると、低血圧の改善につながると言われています。

何となく「チーズ」と言えば、脂肪分のかたまりで、「太る」というイメージがありますが、反対にエネルギー代謝を促進し、肥満解消に効果があるとされているビタミンB2を多く含むためにその心配もありません。また、皮膚や粘膜を整えるビタミンAも豊富のために、美容にも良いです。

またお酒の共にチーズを食べるのも理にかなっていて、チーズに含まれる8種の必須アミノ酸の中のメチオニンは、アルコールの分解を円滑にしながら肝臓の働きも高める作用もあるというので、もってこいのおつまみということになります。

血圧が低めで、むくんだり、冷えたり、やる気がでなかったり・・・で悩んでいる人は、是非、生活スタイルを改善するとともに、「ケイギョク」、「婦宝当帰膠」、「チーズ」などを食生活に加えてみてください。きっと元気が出てくるはずです!

春と肝

東洋医学では、「春」は「肝」に当てはまり、その時期には経絡の「肝経」にトラブルが起きやすい時期になります。

また「春」は「木」の性質を持ち、「青」の色に偏りやすくなります。つまり、「木」が真っ直ぐ上に伸びるように、体内に巡っている「気」が上がりやすくなる時期であり、そういう状態になると、顔色や眼の色が青っぽくなったりします。

イライラして青筋を立てている人、気が上って独り言や歌を歌う人、肝経が乱れ生理不順になる人、ニキビが酷くなる人、などがこの時期、周りに増えていませんか?

それは「春」の「いたずら」なのです!

それらの症状はこの時期の一時的なものですが、長引いたり、そのまま症状を持ち続けることのないように、調整が必要です。

まずは「疏肝理気」が必要です。

漢方薬では「逍遥丸」です。その中に含まれる「柴胡」と「薄荷」が肝気を疏肝してくれますし、「当帰」と「芍薬」は肝気を柔らかくしてくれます。また「茯苓」、「白朮」、「甘草」、「生姜」が健脾し、脾を苛めないように予防してくれるので安心です。

しかし、あまりにも肝気が欝滞しすぎて「脾」を痛めつけてしまった場合は、「逍遥丸」では少し力不足のために「開気丸」の力を借りることになります。

不妊や生理不順などで悩んでいる人達は、もともと「脾」が弱いことが多いものです。従って、「春」が深まって「肝の気」が多くなり、「脾」を苛めるようになるこの時期は、ますます「脾」が弱り、基礎体温表が乱れてしまうことになります。

当店でもこの今の時期、「開気丸」の処方をよく使っています。

食材では少し「酸味のあるもの」を摂ると良いです。今、旬の甘夏や八朔なんか良いでしょうね。後は、気が欝滞しないように、適度な運動や深呼吸を心がけてください。

「肝」の強い気に負けないように、しっかり「脾」の力を立て直し、これから本番を迎える「春」に備えていきましょう!

子宮腺筋症も怖くない

子宮腺筋症とは、子宮の筋層にできた子宮内膜症のことです。

子宮の内膜が筋肉の中に入り込み増殖して発病します。子宮筋腫のように子宮が腫大し、子宮の筋肉層に潜り込んだ子宮内膜が、月経時にはその場で出血をしてしまうために、酷い生理痛が起こるとともに出血が止まりにくくなります。

それが度重なると、卵巣や腸との癒着が起こり、子宮内膜症を合併することも少なくありません。

これを西洋医学的に根本的に治療するとすれば、子宮を摘出すれば良いのですが、未婚や妊娠を希望している女性にとってはそれは避けなければなりません。病巣の部分だけを取り除く手術もありますが、多くは病巣が広範囲に及んでいることが多いために根治には繋がらず、再発する確率が高いと言われています。

そこで、おすすめしたいのは、病巣を取り除き、その後は再発しないように体質改善を漢方薬にて行っていく方法です。

つまり内膜症や癒着が起こりやすい体質であることがもともとの原因ですので、活血・疏肝作用のある漢方により、その体質を徐々に改善していけば再発には繋がらないということです。またもともとその様な体質であることがわかっていれば、漢方薬を続けることで腺筋症を含む内膜症、子宮筋腫にもならずに済むわけです。

35歳Mさんは、その方法で成功し、現在妊娠中です。

Mさんには活血・疏肝に加えて、補腎作用のある漢方薬も加えて、腎も強めるようにしていきました。その土台作りによりMさんはめでたく授かることができたのです。

現代医学では治療が難しいと言われる「子宮腺筋症」ですが、西洋医学と東洋医学の良いところをうまく利用することで、その症状改善も夢ではありません!是非ご相談ください。一緒に良い方法を見つけて行きましょう。

眼と肝と腎の関係

35歳Yさん。職場で今まで以上にパソコンを使う機会が増え、画面も大きく、デュアルディスプレイで仕事をこなしていかなくてはならなくなってから、だんだん遠くのものが霞んで見えるようになってきました。

今までなら夕方にそのような状態になっても寝て朝起きたら眼もすっきり、ばっちり遠くまで見えていたのが、最近は朝から遠くが霞むようになってきました。おまけに夕方の車の運転はかなり危ない状態になるほど、辺りが見えにくく、焦点が合わなくなってきてしまいました。

さらにパソコン機器に囲まれて電磁波の中で仕事をしているためか、その時期に責任ある仕事を任され、かなりの精神的ストレスがかかったためか、生理不順にもなってしまいました。

仕事をバリバリこなす一方、Yさんは妊娠も希望していたので、生理不順になることはこの上なく悲しい出来事だったのです!しかも昔から「眼が良いこと」が、視力の悪い人口が増えたこの現代では、唯一Yさんの自慢できる事柄だったのに、それが果敢なくもなくなってしまうかもしれない事態が起こっているのです!

これは何とかしないとなりません!Yさんはすがる思いで漢方薬を求めて来られました。

Yさんの中で起こっていることは「肝血不足」です。また「肝腎陰虚」もあるようです。

「肝」は眼を養うのですが、眼の使いすぎにより肝血が不足し、また仕事の残業により寝不足もあったことから「肝を養う時間」に就寝できていず、寝不足が「腎」をも弱らせてしまった結果、生理不順を引き起こしてしまったのです。

その治療には主に「滋補肝陰作用」のある「杞菊地黄丸」を使用し、併せて「婦宝当帰膠」による「補血・疏肝理気作用」により、何とか肝血を潤すように持って行かなければなりません。

周期に合わせてその他の漢方薬も組み合わせ、Yさんの症状の改善を計っていきました。

初めはあまり変化がわからなかったのが、3周期ほど続けた頃から徐々に変化が現れ始めました。

今まで卵胞期が長くなっていた生理不順の状態も、少しおりものが見えるようになってきて変化が現れてきました。それと同時に朝から眼が霞むこともなくなってきたのです。さらに夕方の焦点が合わなくなる症状もなくなりました。

要するに、水晶体や眼筋の働きが年齢のために衰えたのではなく、無理な眼の使いすぎやストレスにより「肝」「腎」にかなりの負担がかかったことが原因でそのような症状が出たのです。もちろんそのまま放っておくと、もう視力も元に戻らなくなってしまったでしょうから、Yさんが何もせずに過ごしていたら、原因は年齢ということになっていたことでしょう。

早めに「肝腎」の調整をして良かったですよね。まだしばらくYさんは、現代人の希少価値である「視力2.0」を掲げることができそうです。

子供に守られるママ

「1人目を出産した後のママが一番きれい」とよく言われます。

それはママになったということ、そして子供を持てたという「幸せに満ち溢れている顔」をしているからだけでなく、今まで体に溜めていた悪いものを出産により子供と共に外に出すからなのです。

出産をした人よりも出産をしていない人の方が、子宮や卵巣などのトラブルが多いこともそのようなことが関わっているのかもしれません。

出産後は子供が自立するまで特別なことがない限り、ママは子供を守り続けます。出産前ももちろんお腹の中でママは子供を守り育てていくのですが、その反対のお腹の中の子供がママを守ってくれることもあるのです。

灯油やガスなどの不完全燃焼により生じる一酸化炭素。一酸化炭素は酸素よりも約250倍も赤血球内のヘモグロビンと結合しやすいために、頭痛、耳鳴り、眩暈、吐き気の初期症状を経て、昏睡状態に陥ってしまうという、空気中の濃度が高いと危険なものであることはよく知られています。

40歳Cさん。夜中に産気づきかけたのと少し寒くて眼を覚ましました。「あなた、病院に行かなくちゃ!ねぇ、ストーブは消しちゃったの?」隣に寝ていたご主人に声をかけましたが、ぐっすりと眠っている様子。隣の部屋で寝ていた子供達にもこれから病院に行くことを告げるために様子を見に行ったCさんは、家族の異変に気づきました。

家族はみんな寝ているのではなく、一酸化炭素中毒にて昏睡状態に陥っていたのです!

即救急にて病院に運ばれ、家族みんなの無事が確認されました。また病院にて出産したCさんの赤ちゃんも高圧酸素療法により、一命を取り留めました。

あの晩、Cさんだけがなぜ中毒にならなかったのか・・・?それは体内の赤ちゃんが、ママの代わりに一酸化炭素を吸収してくれていたからなのです。またそのお陰で家族みんなの命も救われました。

体内にいながらにして家族を守る赤ちゃん。赤ちゃんの、生命の、「力」は想像以上にすごいものですね。

女性の健康週間

3月3日はひな祭り、3月8日は国際女性の日であることから、3月1日~8日は「女性の健康週間」とされ、この1週間に各地で女性の健康づくりについてのセミナーや講習会などのイベントが行われていました。

月経開始の12歳頃の「思春期」から、30歳前後の「成熟期」を経て、閉経までの50歳前後の「更年期」、そして閉経後の「老年期」。

それぞれの「期」で女性の体はどんどん変化していきます。その基となるのが女性ホルモンの「エストロゲン」。「エストロゲン」は思春期以降に卵巣から分泌されるホルモンで、このホルモンのバランスが保たれることで、月経周期が整い、妊娠できる体になっていくのです。

しかしそのバランスが崩れることで、卵巣機能も崩れ、「不妊」「月経痛」「子宮筋腫」「卵巣嚢腫」「子宮内膜症」「ニキビ」などの疾患を引き起こすことになるのです。

またそのホルモンが減少してくることにより、「更年期障害」「骨粗鬆症」「動脈硬化」「高脂血症」などの疾患を引き起こすことになります。

女性であるがゆえに健康と密接に関わっている「エストロゲン」。うまくそれが分泌され、卵巣がしっかり働いているかどうかを自分で確かめことが大切です。その手段としてあるのが「毎朝基礎体温をつけること」なのです。

このことは婦人科医も良く知っているはずのことなのですが、病院にて治療を行っている人が「先生から基礎体温表はつけなくていい、と言われていますのでつけていません」と言われることが多くあります。

おそらくホルモン療法を行っている最中は、自分の力での基礎体温ではないので参考にならない、との判断なのでしょうが、ホルモン療法を行っている時でも基礎体温は大切なものです。ホルモン剤にしっかり反応しているか、この時期までは反応していたのに、ここからは反応しなくなった、などの情報を掴むことができます。

それにより、ホルモン療法をもう少し続けると良い結果を得られるか、このまま続けていても体を壊すだけなのか、がわかるのです。

初めての相談の中でも基礎体温表をつけていない人が多くいます。妊娠を希望していなくても、自分の女性ホルモンの経緯が良く把握することができますので、是非、女性であれば初潮から閉経まで基礎体温表をつけていくことをおすすめします。

その体温表より、今自分の体の中で何が起こっているのか、把握することができ安心です。例えば、若い人であれば「ニキビ」が出てきたら、確かに基礎体温が乱れていたり、動悸やホットフラッシュ、不眠などが出てきたら、女性ホルモンの不足が基礎体温表に現れているはずです。

その様にバランスが少し崩れた時だけ、婦人科に行って調整したり、そうならないように日頃「婦宝当帰膠」「加味逍遥散」などの漢方薬で予防したりすることで、いつまでも健康で美しい女性であることができるのです。