第14回ひよこママの会

第14回 ひよこママの会<記録>

開催日 : 9月24日(水)

時間 : 13:30~15:30

内容:

1.自己紹介

2.「気になること」、「聞きたいこと」の質問コーナー

 1)離乳食のすすめ方が知りたい。

 2)夜中2時間ごとに起き、そのうち一度は動き回ってなかなか寝ない。

   (昼寝は午前中は1時間、午後は30分程度)

 3)人見知りが続き、なかなか他人に抱っこしてもらえません。

   (母親のいない時は大丈夫だったりもする)

 4)「バイバイ」や「頂戴」の真似ができず、言葉が分かっているのかな?と思ったり気になったりする。

<「気になること」、「聞きたいこと」の質問の回答>

 Q1:離乳食のすすめ方が知りたい。

 A1:決まったやり方は無い。個人個人で異なるので、ウンチを見ながら 消化の程度を確認して一つ一つ試してみる。

 Q2:夜中2時間ごとに起き、そのうち1度は動き回ってなかなか寝ない。

 A2:個人的に回答

 Q3:人見知りがつづき、なかなか他人に抱っこしてもらえません。

 A3:個人的に回答

 Q4:「バイバイ」や「頂戴」の真似ができず、言葉が分かっているのかな?と思ったり気になったりする。

 A4:個人的に回答

<「診察室からみた赤ちゃんの発達」と「ありふれた病気」>

 (1)1~2ヶ月の赤ちゃん・・・泣く・笑う・眠るのもマイペース

  自分の内なるリズムで生きています。お母さんの顔はしっかり見て、顔を覚えてる時期です。

 (2)4ヶ月・・・人の顔を見つけたらにっこり笑顔

  家族でも家族以外の人でも、あやしてもらうのが大好きな笑顔の時期。

 (3)6ヶ月・・・人の顔を、じーっと見つめる

  家でいつも見る家族の顔と、初めて会う人の顔の違いが分かってくる時期です。

 (4)8ヶ月・・・なんだか不安

  顔の違いが認識でき、人見知りが当たり前の時期です。

  *自閉症の子供は、人見知りをしないことが多いです。

 (5)1歳・・・人の仕草を観察し、真似したい

  何回も何回も同じことを繰り返す、また繰り返してほしい時期です。

  *「もっと、もっと」が素晴らしい発達のためのエネルギーです。

 (6)1歳半・・・駄々こねと、「いや!」が大好き

  自分で「選択」する時期です。少し待って、本人の選択を待ちましょう。

  *ダダこねしだすとOK!!

 (7)2~3歳・・・新しい場所では、恥ずかしくてもじもじ

  人や場所に慣れるとやんちゃ

 (8)4歳・・・我慢ができる

  発達段階での大きな節目の時期です。

<赤ちゃんの時期に大切なことは>

 ○ 笑う・声を出す・泣くなどすると、お母さんは答えてくれる

  = 生涯にわたって人への安心感が育つ

 ○ 人と人との交流を楽しんで

  2歳までは、TVをつけっぱなしにしない!想像力が育ちません。

 ○ 赤ちゃんや子供が一所懸命に考えてるときは、まわりの大人は待ってあげる。

  ⇒ 育児において「待つ」ことはとても大切、考える力を育ててあげて

    心の発達を促し、想像力を育ててあげましょう。

<乳幼児の食生活>

 ○ 母乳か人工乳か?・・・人工乳の改良は進んでいる

  初乳には、感染症の発症を抑える分泌型lgA抗体、白血球、ラクトフェリンなどが含まれます。しかし、最近の人工乳には感染防御因子も含まれてきています。感染症に関しては、大きな差はなくなりつつあります。飲みすぎの傾向は「人工乳」のほうにあります。

 ○ 「 to know your own child 」 (あなた自身の子供のことをよく知る) が基本!

<ありふれた病気>

[かぜ症候群]

 *ウィルスと細菌はどこが違うでしょうか?

  <大きさ>

  細菌・・・大きい(顕微鏡で見える)

  ウィルス・・・小さい(顕微鏡で見えない)

[抗生物質]

 細菌・・・うまく使うと効く

 ウィルス・・・全く効かない

[経過]

 細菌・・・放置すると重症化することあり

 ウィルス・・・安静にしていると抵抗力で自然に治る

[一般症状]

 細菌・・・ぐったりする、重症感あり

 ウィルス・・比較的元気のあることが多い

[血液検査]

 細菌・・・悪化

 ウィルス・・・ほぼ正常のことが多い

 Q)子どもにはウィルス感染と細菌感染、どちらが多いでしょうか?

 A)「カゼ」の90%はウィルスで発症します。よって、抗生物質は効きません。ただし、子どもではウィルス感染の後に、細菌の合併症(肺炎・中耳炎など)を起こすことも多く、合併症を防ぐ意味でよく抗生物質を使います。

<<嘔吐や下痢>>

冬に多いウィルス性胃腸炎のウィルスは、胃腸系に好んで感染する。よって、嘔吐から始まり、下痢に移行していく。これらの症状は、ウィルスを体外に排泄する防御反応であるので、安易に止瀉薬などは用いない。

基本は、水分を余分に取り、食事は通常と同じ内容を続け、脱水症状を予防し、同時に正常な腸内細菌叢を回復させる。

また、嘔吐した直後では何を入れても嘔吐してしまうので、嘔吐後1時間は何も入れない。

水分の与え方は、1さじ毎に10~15分間様子を見ながら少しづつ量を増やす。(少量を頻回に与える)

<<腸重積>>

注意が必要!

血便。お腹が痛いので泣いて嘔吐する。(お腹が痛いので、足を引き寄せてお腹の緊張を緩めて泣く)バリュームを入れて、整復して治る。

<<発熱>>

赤ちゃんの体温で、37.2~3℃(夏場では、37.5~6℃)はまだ平熱。また、1日に±1℃は日内変動する。

電子体温計は、予測体温でありやや高めに表示されることも考慮する。

たとえ39度あっても元気に遊んだり寝ていれば、体温を下げる必要は無い。ただし、ぐったりしたり母乳が飲めない場合は下げたほうが良い。発熱反応は、体の免疫系が活性化している証拠である。原則として、家庭内では「熱冷まし」は用いない。心配な場合は、小児科に来院し医者の指示を仰ぐ。

<<熱性痙攣>>

熱が上がり、急激に短時間で起きる痙攣は、すぐに治まり安心だが、熱が上がり
3日くらい経って起きる痙攣は注意が必要。

<<乾燥性皮膚炎>>

乾燥は、湿疹の原因となる。保湿を心がける。

重症の場合は、ステロイド剤も恐れずに使う。最初は強力なステロイド剤を用い、徐々に弱い薬に減弱し、最終的には保湿剤のみ用いる。

<赤ちゃんのときに気をつけないといけない事故>

誤飲・誤嚥

たばこ(特にジュースの空き缶などを灰皿代わりにし、その残液を飲んだ場合は特に危険!死に繋がることも…)

ピーナッツ(気管で膨れるので注意!)

水の事故(赤ちゃんは、外よりも家の中で溺れることが圧倒的。浴槽や洗濯機は特に危険なので、「残し湯」をしない)

<「ワクチン接種」について>

予防接種は、きちんと決められた時期(それ以外の時期だと、副作用が出た際や、事故の際に保障が受けられないことも)に接種するほうが良い。副作用の心配は確かにあるが、子供が病気にならないという益のほうが大きい。

DPT(三種混合)、MR(麻疹風疹混合)ワクチンは「かかりつけ医」で!

BCG、ポリオ ワクチンは保険所で!!

MRワクチンは、1回の接種で98%以上が抗体を獲得するが、ある時期から抗体価が低下する。そのために、小学校に上がる前か小学1年生の時期に2回目の接種を行う。

これらのワクチン接種は、かなり痛いほうに属するので、痛覚の発達して無い赤ちゃんの時期に急いで接種するほうが良い。

<育児の役割分担>

母親 - 主役

父親 - 協力者

祖父母 - 強い味方

知人友人 - 上手にお付き合い

保育施設 - 子どもの立場に立って選択

小児科医 - 子育ての理解者

☆☆「第13回ひよこママの会」からの伝言☆☆

育児において「待つ」ことはとても大切、考える力を育ててあげて

心の発達を促し、想像力を育ててあげましょう。

14回目のひよこママの会

初参加のAちゃんママ、Hくんママ、もうすぐ1歳になるY君ママが集まってくれました。保険所の健診があったり、予防注射があったり、定期的な健診が有ってたりで、お友達の参加が少なく寂しいかなと思ったのですが、みんなとても楽しそうで、わいわいがやがや、子育て論議に花が咲きました。

Aちゃんママは「とっても幸せ!」お母さんにしていただいたことをAちゃんにもしてあげたいと目を細めて話してくれました。「親から子へ」子育ての極意が伝えられていることにうれしく思いました。

なかなか授からなかったH君のママ。ちょっと高齢の出産になり大変でしたがやっと授かったH君がご夫婦の絆を強めてくれました。更に実家を取り巻く複雑な人間関係に「福音」をもたらしたようで、仲を取り持つH君の存在はおおきいですね。うれしいお話でみんなの笑顔がひときわ輝きました。

参加者の中ではお兄ちゃん格のY君。しっかり顔を見つめてくれます。ママとよその人を識別しママと離されるのが嫌でママにしがみついて不安そうにしていました。やはり実家のおじいちゃんやおばあちゃんのアイドルになりみんなから愛されているようで、お話をするママさんも幸せわせそうで、私も幸せ気分になりました。

小児科医の橋本先生は、病気のお話、予防接種のお話、乳児期の心のはぐくみ方などなど一杯一杯お話してくれました。子育てベテランの青山看護師さんは優しいまなざしでママと赤ちゃんを見てくださり的確なアドバイスをしてくれました。

本当に赤ちゃんの存在はすばらしい!周りを幸せにしてくれるからです。良い笑顔に包まれ幸せ一杯の「ひよこママの会」でした。

男性不妊・ICSIを蹴って妊娠

42歳の男性Nさんは結婚して5年になります。どうも子供がいないのは自分のほうに責任があるのだろうと薄々感じていました。

38歳の妻Mさんもそろそろ子供が欲しいと言い出し、クリニックに通いだしました。妻のほうは順調に検査もクリアーし基礎体温表(BBT)もきちんと整いだして、いよいよNさんのほうに矛先が向いてきました。仕方なしに妻につれられて泌尿器科受診をしました。

予想通り精液量も少なく、総精子数も少なく運動率も基準値に入らず、診断は「精液減少症」 「乏精子症」の診断を受け、「もう自然妊娠は無理、顕微授精 (ICSI) しかありません」と言われしょんぼり帰ってきました。予想はしていたものの診断が下るとやはりショックを隠せません。

漢方薬の相談を受け、早速「夫婦同治」一緒に服用してもらいました。「腎精不足、お血、脾腎陽虚」という体質と捉え漢方薬を服用していただきました。3ヵ月ほど服用した後、検査数値も改善の兆しが見えてNさんも希望を持て、奥さんの励ましを受けて続けてくれました。

10ヶ月後、何と自然妊娠されたのです。ビックリしたのはご夫妻。目を潤ませる感激の涙に感動しました。いま、Mさんは始めての妊婦生活にドキマギしながら期待と不安に日を送っています。「順調に」と一緒に祈っています。

子宮内膜が薄いのに妊娠 

Hさん35歳、結婚してから17年。18歳で結婚したので11年間避妊していました。もうそろそろ赤ちゃんが欲しいと思ってもなかなか出来ないので6年前に不妊治療を始めました。

クロミッド、hMGの注射、黄体ホルモン補充と2年間続けていた矢先、「クモ膜下出血」をひきおこし、治療を中断、体調を整える日々でした。

1年後に治療を再開しホルモン療法を1年間してきました。余りにも長期に渡るホルモン療法に不安を感じ、2006年に当店に相談に来られたのでした。周期療法を進めながら、「クモ膜下出血」の再発防止も考慮しながら時折、卵胞チェック、子宮内膜チェックをしてもらいました。

今年の夏「もう(漢方治療が)2年過ぎちゃった。いまさらホルモン治療やIVFなど受けたくないし、このままでいい!」と言ってくれ、「今年は何とかしなくては!」と思っていたところ、「高温期が続いている。検査したら陽性反応がでたんです。何を飲んだら良いの~!」と連絡有り、正直驚きました。

Hさんの毎回の卵胞チェックではCD12日目で16から18mmありおよそ20mmで排卵しているだろうと予測していました。ところが子宮内膜が6mm、7mmしかなく、いつも「子宮内膜が厚くなればね~」と話していたのでした。約2年半漢方薬を飲み続け「どうして出来ないのだろう?」、以前卵管造影の時余りの痛さに失神した苦い経験があるところから、「卵管が詰まっていそうなのでもう一度卵管の検査して」と提案。年末までに妊娠しなったら「気が乗らないけどいきます」と約束してくれたのでした。2年半も一生懸命漢方薬を飲み続けてくれたHさん。何とか願いが叶いますようにと祈らざるを得ませんでした。その願いが叶い何と妊娠したのでした。

毎回毎回生理が始まると好きなお酒にピッチが上がります。今回ばかりは「お酒飲んではダメよ」。「飲んでません」との会話にうれしさがこみ上げてきました。よかったです!

愛犬をなくして泣き止まなっかった日々。涙も枯れてきた頃の妊娠判明。難病を抱えてのうれしい妊娠。優しいご主人に漢方薬をお勧めし「夫婦同治」、結果をもたらしてくれたのでした。

これから、心拍確認。10ヶ月の妊婦生活がまっています。長かったママへの道のり、やっとスタートラインに立てましたね。

基礎体温表がガタガタ  

最近、基礎体温表(BBT)が犬の歯のような(犬歯状)上下の激しい状態の方が多く見られます。

0さん(39歳)の基礎体温表(BBT)は低温期も高温期もなく激しく上下しています。36度以下から急に36,6度に上がったと思うと、急に36,3度に下降、いったいどうしたの?と聞きたくなる表です。しかもこの波状の激しい中、AIH(人工授精)、IVF(体外受精)を実施してきて、さらに続けようとされているのです。この状況下の中ではいずれも成功しません。ホルモン(E2とP)のバランスが崩れているからです。

このように基礎体温表(BBT)が上下にガタガタの場合は、視床下部からのホルモン分泌がうまく行ってないことがあります。プロラクチン値が高い、あるいはFSHが高いなど検査やホルモン剤が必要な場合があります。

漢方的には感情の起伏をコントロールすることが大切になりますし、<補腎薬>をきちんと処方することが重要になります。0さんはいまホルモン剤をお休みして気分を和らげながら、補腎、活血、養血、疏肝、平肝のお薬を服用して高温期が安定してきました。

もう少し低温期が安定してきたら、自然妊娠も可能でしょう。楽しみです!

基礎体温表が一直線

基礎体温表(BBT)が2相性にならず低い数値で安定している方がいます。いわゆる無排卵の基礎体温です。

若い人で10代、20代の場合は生殖器官の未発達、発育不良に見られます。また、過激なダイエットにより無排卵になることもあります。30代~40代では、不妊治療のホルモン剤の過剰摂取の影響で卵巣が悲鳴を上げて無排卵状態になることがあります。

若い人の無排卵は、視床下部や脳下垂体の働きが悪くて卵巣の機能が働かなくなってしまうケースがあります。元々初潮が無く、ホルモン剤をつかって人工的に月経周期を作って来た人もいます。自力では排卵、月経が来ないのです。

Mさん(28歳)も初潮がなく、高校時代からホルモン剤で生理をおこしていました。28歳で結婚するまで自力の排卵は無く、いつもホルモンで周期を作っていました。結婚して赤ちゃんを望むようになり、ホルモン剤で卵胞を育て排卵させようとしても、卵が見当たりません。卵胞が育たないのです。医師からも「赤ちゃんは望めない」と言われ、悲嘆しお母さんに相談して当店を訪れてくれました。

まだ、20代。諦めるのはまだ早いです。Mさんには「初潮が無いことは、先天的な生殖の能力が不足している」ことをお話し、時間がかかることを了解してもらい、「35歳までには授精可能な卵を作っていきましょう」と話しました。このままでは早発閉経です。

放っておくわけには行きません。漢方薬で補腎、補血、活血しながら、今治療中です。体つくりの期間と位置づけ、ジムに通い、趣味を生かすことを提案して、実行してもらっています。時間がかかりますが、きっと良い道が開けると思います。

基礎体温が全体に低い

基礎体温表が全体に低いケースもよく見られます。低温期が36度以下、高温期が36,5度に到達しない、いわゆる低体温です。基礎体温表(BBT)の35度台を上下し、下段に書ききれない方もいます。

Aさん、34歳は基礎体温表の体温表示欄をご自分で書き換え、34度から36度の範囲に記入してこられました。見ますと低温期は34,7度くらい35度には行きません。高温期は高くて36度まで。随分低いです。

この体温ではあまりにも低すぎて卵もすくすくと育ってくれません。冷たいところで小さくなっているかわいそうな卵をイメージします。凍りついた卵巣・子宮かもしれません。やはりホカホカの温かいところで卵の成長を見守りたいですね。

子供の頃、山の植樹に参加したことがあります。北海道の山奥です。春、雪解けの頃に山焼きをします。枯れ木や草を燃やしますが、土の中はまだ雪が残っています。土の表面が焼かれ、ゆきが解けて程よい加減の時に、唐松の苗木を植林するのです。夏にはしっかり養分を吸って根着くのですが、冷えている方の子宮はいつも雪が残っている冷たい環境で発芽もままならないのではと想像しています。

卵胞期は、やはり36,2~3度の体温が必要で、高温期は36、7度程度は欲しいですね。しっかし成長した卵胞はしっかりした黄体を作ってくれます。充分な女性ホルモンと充分な黄体ホルモンこそ妊娠しやすい身体になるのです。

漢方薬では<補腎陽>のお薬が中心になりますが、エネルギーを与える<補気剤>も当然必要になります。Aさんは漢方薬を服用して6ヶ月。今月の基礎体温表(BBT)は体温が戻り、36度から37度の枠の中に綺麗に納まりました。きっとホルモンバランスもよくなってきたことでしょう。卵の成長が楽しみになりました。

基礎体温が全体に高い 

基礎体温が全般に高いケースは良く見られます。低温期が36,7度近く。高温期は37,2~3度の高さになり、体温表(BBT)を開いて思わず「わぁ~高い!」と声が出てしまいます。

昨日初めて来られたTさん37歳、Sさん43歳も体温が高く、基礎体温表(BBT)の上1/3に綺麗に治まっています。つまり低温期36,7度以上、高温期37、3度と体温表の下部2/3は空欄になっています。「体温が高すぎますね」 「これでは質の良い卵は出来ませんね」とお話しすると 「何故わかるのですか?」と驚かれます。

お2人ともホルモン剤を使って誘発していますし、高温期には黄体ホルモン剤が投与されしっかり服用されています。当店には、「最近、良い卵が出来ないのです」、「卵ができても空砲です」、「授精しても分割が途中で止まってしまうのです」、「質の良い卵がほしいのです」という目的をもってこられます。

一般に基礎体温表(BBT)が全体に高いのはあまり良い体調とはいえません。特に卵胞を育てる時期に体温が高いと卵の質を落とします。卵が成長するのには適温がありますし良い環境が必要です。ホルモン剤を長期に渡り使用していくと高くなる傾向があります。黄体ホルモンを使うと体温が高くなり次周期の月経開始が高いところから始まることになります。漢方薬で体温を下げて、適温の中で卵胞が育つよう体調を整えて行かなければなりません。

T さんもSさんにも、周期療法の処方をしました。きっと6ヵ月頃には綺麗な2相性の基礎体温表(BBT)になり、卵胞の成長も良くなることでしょう。楽しみです。

どうして? 悲しい出来事!

先日お店に3歳の男の子を連れて訪ねてこられた若いお母さん。

『先生、こんなに大きくなりました!』 と声をかけていただき、ふっと見るとOさんではありませんか!「あらぁ、Oさん。Aちゃんね!大きくなったね!」 Oさんは赤ちゃんがほしくて漢方薬の周期療法をはじめ、5ヶ月で待望の小さな命を宿したのでした。妊娠初期はつわりで苦しみました。漢方薬も飲みたくても受け付けず随分辛い思いをしました。そして3000gを越える大きく元気な赤ちゃんを無事出産したのでした。

Oさんからは感謝のお手紙が届き、私もとても感動しました。大きくなったAちゃんを連れて「ひよこママの会」にもかわいい顔を出してくれました。いつも漢方薬を飲んでて生まれた赤ちゃん、そしてママたちがどうしているかな? 子育て慣れたかな? 大丈夫かな? と気になるものです。OさんもAちゃんもきっと幸せに暮らしていると思い込んでいました。

3歳になったAちゃん。どこかはにかんで照れています。そんなAちゃんを抱いてOさんは耳を疑うような発言をしたのです。 「いろいろ頑張ったんだけど、お父さんも死んだし…」「お父さんって誰の?まさかAちゃんの?」 本当に驚きました。声も出ません!「先生のおかげでこの子ができ、この子がいたから、悲しみを乗り越えられたのです。ありがとうございます!」 そのような言葉はもう真っ白になった頭の中でむなしく聞こえてくるばかりでした。Aちゃんのお父さんが…何と言うことでしょう。幸せ家族が増えてとてもうれしかったのに、今、悲しみの2人に出会うなんて。Oさんは溢れる涙がもう尽きたのでしょう。淡々と語ってくれました。 「また来てね~!待ってますよ!」 立ち去る母子にかける言葉がやっとでした。これからと言うのに・・・。

悲しみが癒えない7月です。