赤ちゃんの発達

漢方を2年間飲んで妊娠し、やっと妊娠したのに悪阻で悩まされ、出産まで大変だった日々を送ったKさん、漢方とともに過ごした1年の後、妊娠し、悪阻もなく出産、授乳中の今も漢方と共に過ごしているMさん、10ヶ月の周期療法にて妊娠し、妊娠後は悪阻が酷く漢方も受け付けず、何とか「婦宝当帰膠」だけ出産まで、そして今も飲んで赤ちゃん共々元気なNさん・・・などなどの「ひよこママ」が集まっての会、名づけて「ひよこママの会」の第6回目を本日開催しました。

参加メンバーは、妊娠前から漢方と共に過ごしてくれているママ達とその赤ちゃん達。赤ちゃんは5ヶ月から1歳6ヶ月までの仲間が集まってくれました。みんな元気に歩き回ったり、動き回ったり、泣いたり、笑ったり・・・。漢方で生まれた赤ちゃんは、お肌がすべすべでとても元気です。

今日の小児科医の先生の話は「赤ちゃんの発達」について。

その中でも「言葉の発達」の前段階について。

 ★4ヶ月頃に、人の顔をじっと見る。にっこり笑いかける。

 ★話しかけると、それに答えるように「あーあー」「うーうー」など返事をする。

 ★8ヶ月頃に、人見知りをする。

 ★1歳頃に、「指差し」をする。

言葉を話すようになる前段階として、これらのようなことをするのです。これらのことをたくさんして、話ができるようになるのです。

そしてこの時期に大切なこと。

 ★笑う、声を出す、泣くなどすると、ママは答えてくれる存在でいること。 → これが生涯、人への安心感へと繋がるのです。

 ★人と人とのやりとりを大切に。 → テレビをつけっぱなしにしないように!

「3つ子の魂100まで」と昔から言いますが、せめて3歳くらいまでは親の愛情をたっぷり注いであげることが、大切です。そのことがすくすくと発達していく手助けとなるのです。付かず離れずの位置でしっかり見守ってあげるという「愛情」が、成長するための肥やしなのです。

医心方 小児篇

現代までの乳幼児の大部分は、6歳以前に亡くなっていたと言います。

細菌やウィルスなどの存在がわからなかったその昔は、病気は呪いや怨念、悪霊、鬼などのせいにされていたり、その治療法は、予想も付かないものであったりしたようです。

永観2年(984)に丹波康頼が撰したわが国現存最古の医書である医心方」。その中に記されている内容で、小児の病気としてよくある「夜尿症」について。

「雀のねぐらを見定めておき、夜になったら雀を驚かせ、雀が飛び立ったら『雀よ。汝の目を除くぞ』と言えば、3日で治る」

という予想もつかない治療法です。どういう根拠からこのような治療法が出てくるのか、何をどうこじつけようとしても無理な話のような気がします。ただこの方法で治った子供が多く居たからこそ、こうして書物に残っているのでしょう。一度試してみてもおもしろいかもしれません。

漢方では「夜尿症」の改善には、いくつかのお薬をお子様のタイプによって使い分けます。

来店される多いタイプは「小建中湯」もしくは「八味丸」です。お子様なので、大人の定量よりも減らしてお薬を飲んでもらいます。お子様の年齢や体重でその量を決めます。

「夜尿症」は神経がナイーブな男の子に多く見られます。ナイーブなので、決して怒らないようにしてくださいね。

車酔いに

これから日本はゴールデンウィークに入ります。休みの長い人では、今日から来週末まで10日間の休みとなっているようです。

ここ最近、テロ事件により海外へ行く旅行客が少なくなっていましたが、今年は同時多発テロ以来最高の出国者数となる予定だそうです。

海外だけでなく、国内でもUターンラッシュを含めて、車や電車で移動する人が増える時期です。

「飛行機」「電車」「車」「船」・・・これらの乗り物は、まだ耳の三半規管が発達していない子供にとっては辛いものです。「揺れる」ことで、その動きについていけない子供達の三半規管の働きが、「乗り物酔い」を引き起こしてしまいます。

GW中、常備しておきたいお薬はこれです!

 ★「半夏瀉心湯」(商品名:ハンゲコー)

 ★「五苓散」(商品名:ゴレーン

毎年、この時期になったら、この2つのお薬をお子様のために買いに来られるママがたくさんおられます。旅行の日数分と何回か余分目のお薬を購入され、いつもお子様の辛い顔を見ることなく旅行ができる、と言われています。

家族みんなが楽しい旅行となるために、これらは必需品です!

ことばと絵本

今日は「ひよこママの会」第5回目。冬の間はお休みしていましたが、暖かい春がやって来たので、本日会を催しました。

この会は、漢方を服用されて妊娠・出産された「ひよこママ達」が集う会です。本日のテーマは「赤ちゃんのことばと絵本」と題して、元小学校の教師で、現在は乳幼児発達相談員としてご活躍の先生にお越しいただき、お話をしていただきました。

たくさんの大切な興味のあるお話をしてくださいましたが、その中でも一番大切なこと・・・。

親はどうしても「「早く話せる」「早く何かができる」ことにこだわってしまいます。しかし、そのためには「よく聞く」ことが大切で、たくさんのことを聞き、自分の中で溜め込んで溜め込んで、たっぷり溜まったら、初めて次の事、つまり話すこと、ができるようになるものなのです。「よく聞くことができる」ということが、言語発達を大きく左右させるのです。

また、「聞くことが楽しい」という認識が、「話すことが楽しい」に繋がるので、本を読み聞かせるときは、聞くことが楽しくなるようにすることが大切。決して勉強させるように強制するのではなく、あくまでも楽しく、ママもパパも楽しんで読んであげることが大切。

そして最後には先生がたくさんの本の「読み聞かせ」をしてくださいました。

「ガタン、ゴトン!」「ブッブー!」など音の響きを楽しめるもの、「次はどこへお散歩するのかな?」と次のページが早く見たくなるもの、などなど、先生のお話くださる声やリズムには思わず、私達大人も惹きつけられ、知らず知らずのうちに絵本の世界に入ってしまっていました。

「読み聞かせ」は小学校に入学しても、子供が「もういいよ。自分で読みたい。」と言うまで、してあげるのが良いようです。早々と止めてしまっていたり、テープを流していたりするママやパパは、今一度思い直して自分の声で、「読み聞かせ」をしてあげてくださいね。

目は口ほどに・・・

「目は口ほどにモノを言う」と良く言いますが、「目は心の窓」で、目には心の動きが現れるものです。

中医学では、4つの診察方法として「望」「聞」「問」「切」がありますが、そのうちの「望」に含まれる診察方法に「目の望診」があります。

目に現れている症状を見ると、その人がどこを患っているのかがわかるというものです。

例えば、「目頭」は「心」と関係し、ここに分秘物が多くある人は「心火旺」の症状を持っている、つまり「不眠」「動悸」などの症状を持つ人が多いことや、「黒目部分」は「腎」、「黒目の周りの茶色い部分」は「肝」と関係があり、これらが弱ると瞳孔の調整が弱り、明るいところが苦手になったり暗いところが苦手になったりする症状を持ち、「まぶた」が腫れていたり重かったりすると「脾」が弱っていることを意味します。

その中でも「白目」の部分について。

ここは「肺」と関係していると言います。赤くなると、「肺」が弱って「肝熱」が出てきた症状ですので「杞菊地黄丸」にて対応したりするのですが、お子様の白目の部分に「プツプツとした斑点」を見たときは注意してください。

これは蛔虫(寄生虫)がいるという印だそうです。蛔虫の卵が野菜などに付着し、それが経口摂取され、小腸でふ化し、その幼虫が腸壁内静脈あるいはリンパ系などを経て肺に至り、肺胞から気管・咽頭・食堂を経て小腸まで至るために、白目の「肺」の部分に症状が出るのです。

最近は畑では化学肥料による肥料を使用していますので、蛔虫が小腸に寄生することも滅多なことになりましたが、どこかの土地へ行って、生で山菜を食べるようなことがあった場合は、要注意かもしれません。

要注意の話の1つとして、北海道のきつねの寄生虫である「エキノコックス」が、近年、家庭犬でも確認されるようになってきたようです。その家庭犬が北海道から本州へと移入するようなことになれば、本州でそれが流行するのも時間の問題だといわれているようです。

「エキノコックス」が人に感染した場合、大人で10年、子供で5年かけて徐々にと肝臓にのう胞を作っていきます。場合によっては肺や脳にも移動する場合もあるようです。従って、「エキノコックス」に感染の場合は、「肝」が犯されますので「黒目の周りの部分」に何らかの症状がでるのでしょうか。それが「肺」にまで移動すれば、蛔虫同様、「白目に斑点」がでることになるのかもしれません。

滅多なことですので、ないとは思いますが、白目の斑点には気をつけてください。

お臍のトラブル

お子様のお臍が炎症を繰り返す場合は注意してください。

妊娠初期の胎児の膀胱とお臍はつながっています。その部分は徐々に細くなり、通常は妊娠10週頃までには閉じるものです。

ところがそれが完全に閉じずに不十分な状態で産まれてしまったのが「尿膜管遺残」です。内腔がお臍から膀胱までつながっていたり、お臍と小腸がつながっていたりします。

「尿膜管遺残」があるお子様は、時に膀胱からの細菌により感染することがあり、そのことが原因でお臍に炎症が起こり、膿が出たりすることがあります。このことは、超音波検査にて診断が可能で、その改善としては手術を行うことになります。

ところが、「尿膜管遺残」ではないのに、お臍がジュクジュク膿んでいるお子様が増えているようです。

それは東洋医学で言う「痰湿」と捉えられる症状で、その原因は「夜遅い食事」なのです。

最近は、「塾通い」をしている子供が多くいます。その子供たちは必然として遅い食事を採ることになってしまいます。それがお臍がジュクジュクする原因となっているのです。

もしお子様のお臍がジュクジュクしていたら、気をつけてください。

器質的な原因が何もなければ、ジュクジュクの対処方法として抗生剤を使うのではなく、生活習慣の改善を行うようにもしてください。

夜泣きが大変!

Aさんは毎日4ヶ月の僕ちゃんの夜泣きに悩まされて、もうクタクタ。

1ヶ月前にも来店され、その時は小児鍼のやり方を教え、これを続けて、それでもよくならない場合は、お薬を処方するのでまた来てもらうことにしていました。

本日来店されたAさんは、「やっぱり治りません!夜だけじゃなく、昼間もものすごい大きな声で泣くので困ります!」とのこと。

しかし、良く伺ってみると、お教えした小児鍼は初めの頃はやってみて、「効いたかな」と思ったけど、そのうち毎日はしなくなり、効かないものと思って、止めてしまったとのこと。

もう少し根気良く毎日続けてもらっていれば、今頃良くなっていたかも知れません。

小児鍼といえども鍼をブスッと刺すわけではなく、刷毛で擦ったり、爪楊枝のようなもので軽く突付いたりするだけ。大人の基準で考えると、「こんな刺激で効くのかなぁ???」と半信半疑になってしまうくらいの刺激ですが、赤ちゃんにとってはそれでも大きな刺激になっているものなのです。

それから小児鍼をするときは、しっかり愛情を持って、赤ちゃんに接っすること。「何で泣きやまないのよぉ」などと思わずに。

もう一度、Aさんには小児鍼のやり方を教えて、それに加えてお薬も少しだけ処方しました。

使ったのは「甘麦大棗湯」。「ヒステリックに泣き叫ぶタイプ」に良く効きます。

その他のタイプで、

「寝ぼけて飛び起き、不安、恐怖に陥って泣くタイプ」には、「桂枝加竜骨牡蠣湯」、

「暴れたり、怒ったりして泣くタイプ」には、「抑肝散」が良く効きます。

大概の赤ちゃんの夜泣きには、「甘草」、「大棗」、「小麦」の入った「甘麦大棗湯」が良く効くものです。もし、お困りであれば、是非お試しください。

しっかり確かめて

今月8日には100円ショップのアクセサリー売り場から「金属アクセサリー類」が姿を消しました。

その原因は、市販されている安価な金属製アクセサリー類に有害な鉛が含まれていることがわかったからです。

この有害な鉛は、乳幼児が飲み込んだり、なめたりすることで、脳や神経系の発達に障害を及ぼすことがわかっています。

「鉛中毒」は重金属中毒の中で、一番身近な中毒です。

その中でも「無機鉛中毒」について。

その3主徴は、「貧血」「腹部疝痛」「神経症状(末梢神経障害、橈骨神経麻痺)」です。

具体的には、

造血器系・・・貧血(低色素性小球性貧血)

消化器系・・・「食欲減退」「便秘」「下痢」

神経系の末梢系・・・「筋肉痛」「筋力低下」「下垂手・垂れ足」、小児では「視神経炎による失明」。

神経系の中枢系・・・鉛脳症(頭痛、嘔吐、痙攣発作、昏睡、死亡)

その他の症状・・・腎障害、無月経、不妊症

などです。

特に小児の経口摂取による場合は、致命率も高く、脳後遺症を残すと言われています。

「3歳以上対象」とされ販売されていた「金属アクセサリー」。乳幼児は口が第3の目と言われるほど口で物を確かめ、認識していくものです。思わず口にしてしまった綺麗なはずのアクセサリー、実はそれが有害だったとは・・・!

これだけ世の中に物が溢れてしまっては、安全でないものも知らず知らずのうちに混ざってしまっていることでしょう。子供のおもちゃは、しっかりとチェックされたものを使用することを心がけましょう。

アトピー体質予防に

小学3年と小学1年お子様を持つ38歳Mさん。

まだまだ子育て奮闘中。

上のお兄ちゃんが幼少の頃、アトピーが酷くて大変だったようです。

子供は体中が痒くて掻きむしるし、掻くとどんどん酷くなる・・・。イライラしてはいけない、と思いながらMさんもイライラし、それが子供に伝わり、それがまた子供のストレスになり、ますます悪化するばかりで悪循環。

そのうちに、育児ノイローゼに陥り、Mさんも子供も疲れ果てていました。

こんなとき漢方では、生後間もない乳児に「まくり」(別名:海人草:かいにんそう・かいじんそう)を吸わせて胎毒を下す習慣がありました。

その頃「まくり」は海人草に大黄・甘草を加えて煎じたものが一般的でした。その後、甘草・黄連・紅花・大黄を加えた甘連湯なども「まくり」と言われるようになったようです。

Mさんの小学3年生のお子様は、今は、アトピー症状もすっかり良くなって「保湿クリーム」程度で過ごせるようにまでなったようです。ステロイド漬けだった幼少の頃。もう少し早くに漢方に出会っていれば、予防が出来てこんなに苦労しなくて良かったかもしれませんね。

虚弱体質のお子様に

5歳のお子様をお持ちのMさんよりお問い合わせ。

「年中風邪を引いてばかり。引くと長引き治ってしばらくするとまた風邪を引くので困っています。体質改善に何か良い漢方薬はありますか?」

Mさんはお問い合わせと同時に、お子様に「板藍茶」をご注文されていました。

「風邪をひきやすい」という体質改善のためには「板藍茶」だけでは力不足です。

そのような症状には「小建中湯」を服用されるのが良いです。

「桂枝加芍薬湯」に「膠飴(こうい、かたあめ)」を加えたものが「小建中湯」です。

このお薬は、「虚弱体質」「夜尿症」「夜泣き」「慢性胃腸炎」などの体質改善の基本的な処方として小児用ばかりでなく、成人にも使用されているものです。

Mさんの5歳のお子様の場合は、「板藍茶」と「小建中湯」を成人よりも量を1/3に減らして併用し、服用を続けていただくことにしました。

それらを3ヶ月も服用されていれば、体質の改善が見られることでしょう。今年の夏、来年の冬には風邪の引きにくい元気なお子様に育っていること間違いなしです!