流産の原因

妊娠した人の中で流産をする確率は、実は結構高いものなのです。

自然妊娠であれば10~15%、体外受精であれば15~20%。

また年齢にも関係あり、35歳を過ぎるとその率は増加し、40歳では50%近くまでなるようです。35歳を過ぎると、妊娠する確率もだんだんと減少する上に、妊娠しても流産してしまう確率が高くなってしまうので、ますます年齢が増すほど不妊治療を焦ってしまうものです。

この「流産の原因」は「母親の不注意にある」と思われがちですが、そうではなく、「染色体異常」であることが多いと言われています。

染色体は父親と母親より1本ずつ貰い、対となって初めて1つの働きをしますが、その染色体の数や構造に異常があったときに流産や奇形となったりするのです。

ではなぜ、染色体に異常が起こるのでしょうか?

その原因は、「卵」の質が悪いこと。

やはり年齢とともに「卵」の質が悪くなることで、染色体の異常も起こりやすくなってしまうのです。だからますます焦ってしまう不妊治療。

ホルモン剤による治療や体外受精の治療に思わず走ってしまうのですが、よく考えると、その治療が「卵の質」を上げることに繋がっていないことがわかるはずです。今の卵で早くにできることを...という治療のみです。

その治療ももちろん必要ですが、それ以上に必要な治療は「卵の質を上げること」です。

これには言うまでもなく、「漢方薬」が大いに力を発揮してくれる分野です!

しかしやはり年齢が上がれば上がるほど、漢方薬もしっかりと効かさないといけなくなり、「シベリア霊芝」などの漢方を使用し高額になり、値段を気にしながら処方をしないといけないことが辛いところではあります。

しかし、確実に「卵の質の向上」の成果をあげ、「内膜の若さ」も保つことができ、「卵巣の働きを高める」ことができています。

是非、流産の原因となる「卵の質」を上げるために、漢方を試してみられませんか?せっかくの妊娠を無駄にしないためにも。

妊娠中の漢方薬

結婚暦2年の31歳のYさん。昨年末にネットにてお問合せの上、来店され、漢方薬を服用されていました。

旦那様が男性不妊の症状をお持ちのために、ご来店までの1年間に人工授精を3回、体外受精を1回されていました。しかし、昨年11月に行った体外受精により、身体のバランスが崩れ、低温期が長く続いたまま1ヶ月が過ぎてしまったとのことでした。

また、人工受精などの不妊治療を始めてから不正出血が続き、月経期間も短くなってしまったようです。

つまり、ホルモン治療により、自分自身のホルモンのバランスが崩れ、結果として子宮内膜が薄くなってしまったのです。これはよくある副作用です。

その改善としてまずはYさんのホルモン治療をお休みしてもらい、周期に合わせてお薬の飲み分ける「周期療法」ではなく、周期を通して服用するもので、「婦宝当帰膠」と「冠元顆粒」をお飲み頂きました。

それから3周期間は体調を整えられ、4周期目に体外受精はまたバランスを崩すのが怖いので、人工授精をされました。

その結果、目出度く妊娠することができたのです!

Yさんは、その2つの漢方薬にて妊娠できたので、そのまま続けてそれらを服用されていました。そしてふっと「妊娠しても服用しても良いのかな」という不安に襲われて、本日問合せをされました。

Yさんが服用されていたのは「婦宝当帰膠」が5mlを2回、「冠元顆粒」を1/2包を2回、でしたので問題はありません。

もしこれが「婦宝当帰膠」を8mlを3回の服用だったり、「冠元顆粒」の定量の1包を3回の服用だったりすると、問題です。血流が良くなりすぎることで、流産を招くことになってしまいます。

変化した身体に合わせて漢方薬を服用する量も変えないといけません。必ず、漢方薬を服用される量に関してはご確認ください。量により目的が異なることになってしまいますので、ご注意ください。

大切な胎児期

今日は満月。

今晩の空は格別に澄み渡り、そこに眩いばかりの満月が姿を現しています。満月の日には、「出産」が多いものですが、今晩はどれくらいの赤ちゃんがこの世に誕生しているのでしょうか。

さてその「出産」ですが、ここ最近日本では生まれたときの体重が2,500g未満の低体重児が増え続けているようです。

その背景には、高齢出産、多胎出産があるのですが、それ以上に、「妊娠時に太らない」という志向が広がっているからだと言います。

最近の雑誌などには妊娠中の体重増加を最小限に抑え、体形を維持するためのノウハウが載っています。妊婦の間では、「私は何キロまでしか増えていない」と言ったことが自慢話になることもしばしば。

しかしこれにも限度があり、カロリーを制限しすぎて、妊婦の体重が増えないために、低体重児が生まれやすくなっているようです。

ただ低体重児で産まれるだけで、その後、元気に育ってくれるのであれば、問題はないのですが、低体重児で産まれることによって、その後の「生活習慣病」の発症率が高くなることが立証されているのです。これは20年も前に、イギリスで既に提唱されていたことです。

その原理は次のようなことです。

母親の栄養が不足していると、胎内で赤ちゃんに渡るはずの栄養も不足し、そのために赤ちゃんは少ない栄養でも生きていけるように変化していきます。その処理能力の低い内臓を持った赤ちゃんが、産まれた後、どんどんその内臓に栄養を流し込まれると、内臓が酷使され、そのことが腎疾患、心疾患、肥満、糖尿病などの発症リスクを上げることになってしまうのです。体脂肪率も2倍程度に高くなることも、実験結果で立証されています。

もちろん、妊娠後、あまり太りすぎるのも中毒症を引き起こし、また難産にも繋がるために、良くはありませんが、あまり太らなさすぎ、または痩せてしまうことは、子供の未来の疾患に繋がることになりますので、良くありません。

そこで頭に浮かんだのが、妊娠中に「漢方薬」を服用されて産まれた赤ちゃんの元気な姿!

是非是非、妊娠中の大切な期間には、母体にも胎児にも良く、必要以上に太らない「漢方薬」を服用されることをオススメします。

紀子さまブーム?

先週、秋篠宮妃紀子さまのご懐妊が宮内庁より発表されました。超音波にて胎児の心拍が確認されたと伝えられました。

この発表が俄かに「子供服売り場」でブームを巻き起こしているようです。名づけて「紀子さまブーム」でしょうか?

子供服売り場の前を通ると、色鮮やかに飾られた可愛い小さな服や靴下、帽子、手袋、前掛け・・・などなどに目移りしてしまい、思わず衝動買いをしてしまっている自分に出会います。買うつもりでなかったけど、買ってみて着せてみると、「買ってよかった。可愛いわぁ。」と。

「親バカ」(叔母バカ?)でもいいから、このブームは乗ってみても良いですよね。

紀子さまは、もし男児をご出産になれば長男となり、皇位継承順位第3位となるために期待に胸を躍らせておられることでしょう。

しかしこの性別ですが、果たしていつ頃はっきりとわかるものでしょうか。

実は、妊婦健診でよくある質問がこの「性別について」なのです。皆様の間でも様々な事情があるのでしょう。紀子さまはまだ妊娠7週目。この時期ではもちろん性別は判定できません。

性別判定ができるのは、早い場合であれば16週頃です。一般的には20週を過ぎてから判定ができると言われています。

産まれるまで性別がわからなかったその昔であれば、お母さんである妊婦の顔つきがきつくなれば「男の子」、お腹が前に飛び出てきたら「男の子」などと言っていましたが、よく妊婦さんのお顔を観察していると、その通りであることがよくわかります。

また脈でも性別の判定ができるのですが、現代では妊娠20週を過ぎると判定されるために、脈により判定を希望される方もなくなりました。

ただ望んだ性別が男の子でも女の子でも、可愛い我が子には変わりありません。紀子さまブームに乗って、どちらが産まれても可愛い我が子(姪や甥も)の春のお洋服を探しに出かけてみませんか。

インフルエンザ?!

やっとやっと妊娠された43歳Sさん。

ここまで長い長い道のりでした。妊娠反応が出たのも今回初めてのこと。

でも妊娠反応が出たばかりの初期なので、これからもまだまだ気をつけないといけないのですが・・・!

妊娠の報告に旦那様と来店されたSさん。そのお顔には大きなマスクがかけられていました。

「どうしました?お風邪ですか?」

「もしかしたらインフルエンザかも・・・」

大変です!

風邪でもインフルエンザでも同じですが、妊娠中は西洋薬は服用することはできません。こんな時期に抗生物質などのきつい薬を服用すると、胎児の発育に問題が生じる可能性があります。

こんな時に唯一頼れるのが漢方薬です。西洋薬は服用してはいけませんが、漢方薬は服用しても大丈夫です。しかし、漢方薬だからといって、決してご自分で判断して服用しないようにしてください。ここは大事な注意点です。

Sさんには、「天津感冒片」と「衛益顆粒」、「板藍茶」をお勧めしました。

やっとやっと初めて授かった命なのに、こんな風邪(インフルエンザ?)菌なんかに負けてはいられません!しっかり漢方にて撃退しましょう。

この時期に妊娠されている方は、この風邪菌が飛び交う今のこの時期は、あまり人ごみの多いところにでないようにして、疲れがでない程度にゆっくり休み、療養することが大切です。人ごみに出た日には必ず「うがい」「手洗い」を忘れずに。

お腹が冷えて

ここ最近、ようやく「冬」の言葉が似合うような気候になってきました。

そんな中、妊娠6ヶ月を迎えるFさんが「逆子」になってしまったとの報告を受けました。

以前も31週目で「逆子」になったことを紹介したときにも記したように、「逆子」になるのは「お腹が冷えていること」が原因なのです。「お腹が冷えて」赤ちゃんが居心地が悪くなので、ひっくり返ってしまうのです。ですので「お腹を温めて」あげれば、居心地がよくなり「逆子」が治ります。

じゃあ、「お腹をカイロなどでどんどん温めればよいのか」と言ったらそうではなく、「お腹を温めるツボ」を温めるのです。

まずは有名な右の「至陰(しいん)」に温灸をします。(熱いお灸ではありません!)ここは足の小指の先のツボになります。この温灸により、下腹部全体(少腹と小腹)を温めていることになります。

次に「腰圧痛点(こしあっつうてん)」に温灸をします。腰の反対にはお腹があります。腰の部分の圧痛点(コリの反応点)を温灸にて緩めることで、お腹を温め、突っ張っている部分を和らげることができます。

それらのツボを温めて、お腹の環境をよくすることで、温灸をしている最中に「ゴソゴソ」っと赤ちゃんが戻る場合もよくあります。その場でなくても、その日の晩に「あ、動いてる!」と感じることも多くあります。

ただし、医師が手でやっても元に戻らない場合、赤ちゃんの状態を現す脈が「苦しんでいる脈」をしているはずです。その場合は、その他に何かの原因があって、赤ちゃんが逆さを向いている証拠で、こういう状態であれば、「逆子」は戻らないでしょう。

そうならないように、季節柄、お腹を冷やさないように、また「至陰」や「三陰交」などのツボのある足も冷やさないように気をつけてください。

悪阻(つわり)解消法

人によって様々な症状が現れる「悪阻(つわり)」。

安定期に入るまでの時期に酷い人が多いようですが、安定期を過ぎてもまだその症状が出ている人も居ます。

通常であれば「気持ち悪い症状」は、その原因を除去すれば良いのですが、「悪阻」の場合は、その原因が「お腹の中に赤ちゃんが居ること」なものですから、その原因を除去するわけにもいきません。

こんなとき、漢方では上焦(じょうしょう)を治す生薬である「黄芩」の煎じ液を服用してもらいます。少々苦いですが、その煎じ液を少しずつ何回にも分けて服用してもらうことにより、「吐き気」や「むかつき」を和らげてくれます。

また、その「黄芩」に加えて、「むかつき」を解消してくれるツボを刺激することで、さらに悪阻を和らげてくれます。

そのツボは、「内関(ないかん)」です。

心包経(しんぽうけい)という経絡に属するツボで、みぞおち部分のつまりを取り除いてすっきりさせる働きがあります。

(前回の「チャングムの誓い」では、毒のある実を食べて失神していた女の子のこのツボに鍼を刺して、毒素を吐かせていました。そのツボです!同じツボでも刺激方法により、吐かないようにさせたり、吐くようにさせたりするのです。)

ただし、まだ安定期に入らない不安定な時期のときは、あまりこのツボを刺激しすぎない方が良いです。その代わりに、みぞおち部分を「みぞおちから外に向かって」やさしくマッサージするのが良いです。

もし、鍼灸院が近くにあれば、その部分に接触鍼か金鍼を当てる(接触させるか当てるだけで、刺しません!)施術をしてもらうことをオススメします。

妊娠することは喜びですが、悪阻は辛いですよね。是非、「黄芩」と「ツボ刺激」にて乗り切ってください。

流産3ヵ月後

41歳のKさん。漢方服用3週期目、鍼灸治療2週期目の7月初めに妊娠がわかり、安胎のお薬を服用されていました。妊娠されてからは、鍼灸治療には来られませんでしたので、自宅でできる安胎のお灸をしてもらうように、指導していました。

ただKさんは、妊娠された時もどちらかと言うと、「弱い脈」をしていて気になっていましたので、本当は鍼灸治療も続けてもらいたかったのですが、なかなか都合がつかなかったようです。

本来は、妊娠の時にでる「滑脈」は、ザワザワとしていて、大きくはないのですが、しっかりと手に触れる脈なのです。それがKさんの場合は、ザワザワしているのですが、力のない弱い脈でした。

Kさんは、その後も週に3~4日のパートを続けておられました。

8月に入ったある日のこと。

仕事中に突然出血!

すぐに病院へ行かれましたが、結局流産という結果となりました。

それからKさんは、ショックから立ち直れずに、毎日涙して過ごしておられたようです。

8月初めにお薬を購入されてから、パタッとKさんからの連絡が途絶えていましたので、その経過を伺ったのは、3ヶ月経った今日でした。

「便りのないのは良い知らせ」とばかり思っていた私達にとっても、その報告はかなりショックでした。

しかし、3ヶ月経ち、まだ少し心の傷は癒えていないけれども「また頑張ります!」とおっしゃったKさんのお顔を見て、また私達も共に頑張ろう、と思いました。

ただKさんは、「気持ち」や「出来事」に一喜一憂して、それが身体に負担を与えてしまうタイプですので、「頑張る」というプレッシャーはまた危険です。

そんなKさんに掛けた言葉・・・。

「頑張らなくて良いのですよ。自然体でゆったりとした気持ちで。」

「あはっ。そーでしたね。」とKさん。

今回の残念な結果も、ご自身の「自分へのプレッシャーによるもの」も一理ある、ということを認識されているのでしょう。その教訓は次に必ず繋がるものです。

今日のその笑顔の中に、次に待つ「喜び」を見たような気がしました。また気持ちを一新して、今度は頑張らないように、待っている「喜び」に向かって進めるはずです。

8週目の掻爬手術後

32歳、アメリカ在住Mさん。

今年3月の一時帰国中に不妊の相談で来店されました。アメリカでは多くの中医師が在住し、漢方薬を扱っていますので、今後の継続のためにも、Mさんが在住されている近くの中医師より購入してもらうように、こちらでいくつかの錠剤の漢方薬をお勧めしました。

勧めたものは「桂枝茯苓丸」「温経湯」「当帰芍薬散」「爽月宝」です。それらとイソフラボンを服用し続けられた4ヵ月後に妊娠!

しかし残念なことにその命は、大きく育つことはできませんでした。先月妊娠8週目にして心拍の確認ができなかったために、掻爬手術を受けられました。

おそらくまだ「卵」に元気がなかったのでしょう。

このような状態になった今は、「体力を早くに回復させること」、「子宮の内膜の修復を行うこと」が大切です。

まずは、「婦宝当帰膠」と「爽月宝」を1ヶ月服用してもらい、その後「婦宝当帰膠」「六味丸」「温経湯」「当帰芍薬散」を服用いただきます。

Mさんが在住されているところにないものはアメリカまでEMSにて発送し、あるものは地元で購入していただくようにしました。

よく海外在住の方よりお問い合わせをいただきますが、やはり言葉の通じにくい海外では、中医師といえども本当にわかってもらえているのか不安なことがあるために、「日本語で」「日本人の体をよく知っている日本人」に処方を考えてもらいたい、ということになるのでしょう。

荷物のチェックの厳しい国では薬の発送は難しいですが、アメリカなどでは可能です。世界各国にお住まいの方々、お気軽にお問い合わせください。

妊娠中に大切なビタミン

健康な皮膚や髪を作ってくれ、美肌のためにビタミンCと共に欠かせないビタミンB6。

妊娠中は、通常の6倍もの量が必要だそうです。

ビタミンB6は、タンパク質や脂肪の代謝をスムーズにする働きをしています。不足すると、アミノ酸の代謝異常を引き起こし、これが「悪阻(つわり)」の原因の一つになるという説もあります。

妊娠中は、特にしっかり摂取して、不足しないように心がけてください。

妊娠中だけでなく、生理前症状をお持ちの方もしっかり摂取してください。月経前のだるさ、頭痛、肌荒れ、などの症状も軽減してくれます。