10月10日は長い道のり?

35歳のNさん。当店にて漢方を服用され始めたのは昨年の6月。その時点で結婚5年目。

結婚4年間は避妊をしていましたが、5年目より「子作りを!」という計画でしたが、なかなか恵まれず。せっかく妊娠した昨年の4月に7週目で流産をしてしまいました。

ショックからまだ立ち直れない流産後2ヵ月の昨年6月に、漢方薬の力を借りようと来店されました。

漢方薬を服用されてから半年後の11月末。妊娠検査薬にて陽性反応。

しかし、12月初めの検査にて、「胎嚢は確認できるが、中で出血している」との報告を受けました。

大変です!まずは、「きゅう帰膠艾湯」と「当帰芍薬散」をお勧めしました。

その後、12月半ばには中での出血は治まりましたが、かなりの「悪阻」と「お腹の張り感」に悩まされる毎日。

あまりにも食べられない毎日が続いているようですので、「衛益顆粒」などを服用してもらいました。

そのうち、悪阻は治まりましたが、年明けには風邪をひき、西洋薬は服用できないために漢方薬を服用し、また何とか難を逃れました。

安定してすっかり安心していた4月半ば、出血が起き、また漢方薬の止血剤を。

そして、8月初め、待望の元気な女の子を出産されました。臍の緒が体に巻き付いていたようで、かなりの難産でしたが、元気に産まれてきてくれて、ホッとしました。

いろんなことがあった10月10日でしたが、これからのことを考えると、こんな期間なんて短い道のりなのでしょうね。

順調に

6月に当店で妊娠チェックをされ、感動の瞬間を共に味わった32歳のNさん。

あれから3ヶ月が経ちましたが、順調にお腹の中の赤ちゃんは育っています。

しかし、今日までの3ヶ月間に、いろんなことがありました。

6月半ばの7週目の検診で、胎嚢が通常の半分ほどの大きさで、昼と夕方には出血する毎日。産科医にはこの出血は子宮口のポリープのもので、大丈夫と言われましたが、心配する気持ちに拍車をかけて、吐き気やムカムカ感に負われる日々が続きました。

6月末には血塊が下り、病院へ。

心音は聞こえているということでしたので、赤ちゃんには問題はなかったようですが、「田七人参」などをお勧めしました。

7月初め、8週目の検診で、小さい胎嚢の中で小さい赤ちゃんが育っている、との報告を受けました。今はすっかり出血も止まりました。

7月半ば、10週目の検診にて赤ちゃんは3cmに育っていました。出血もあれ以来なくなり、ひとまず安心。

そして、現在、順調に育っているとの報告を受けています。

でもまだまだ油断は禁物。安胎の漢方を飲みつつ、安静にしてゆっくり育てて行きましょう。

残念な知らせ

漢方を服用して1年、やっと授かった小さな命。

あまりにも小さすぎて、弱すぎて・・・、10月10日は持ちそうにない、と小さな命が思ってしまったのか、流産しやすい6週目で明るい世界に出る前に、逝ってしまいました。

「持ちそうにない」なんて思わなくてもよかったのに。

でも一度流産すると、妊娠しやすくなりますので、初めて妊娠経験された時の流産はそれほど心配されなくても大丈夫です。

妊娠して10月10日までの間、何回か流産しやすい危険な時期というのがあります。その時期は、「冷えること」「落ちるようなものに乗ること(自転車やバイク、飛行機など)」「振動などのストレスをかけること(長時間のドライブ、過度の運動など)」などに、注意してください。

特にこの時期は、外気が暑いために室内や乗り物の中は冷房によりかなり冷えています。足元が冷えないように「素足にサンダル」といった格好は、避けてください。

せっかく授かった小さな命に「危険だ」と思われないように。

流産の後

妊娠13週目で稽留流産をされた26歳Tさん。

掻爬手術を受けられて、術後順調と言われたようですが、3回目の生理から出血量がかなり多く、血の塊が出て、基礎体温表も二相性にならず排卵もされていない様子で、流産後半年経った今もまだ妊娠しないので、心配されてのお問合せです。

漢方では、月経期の出血量の多さや塊は、「お血(おけつ)」として捉え、子宮内に古い血や汚れたものが溜まっているとみなし、十分な排泄をするように調節します。

掻爬の際、どうしても内膜を傷つけてしまうため、「お血」ができてしまうのは仕方がありません。従って、流産後の掻爬手術をされた後は、漢方ではまずは「お血」処理を行います。

しっかり「お血」の処理をしておかないと、内膜症を起こしたりする可能性も出てきます。

基礎体温表が二相性になっていないのは、卵の育ちが少し不十分であるためでしょう。漢方にて「お血」の処理をして、卵胞期を整え、しっかり卵が育つように体調を整えることをおススメします。

流産の可能性

結婚暦13年目のNさん35歳。

今まで自然妊娠にて6週目で流産を2回繰り返されていました。その原因は、抗リン脂質抗体が陽性であったためでした。これがわかったのは2回目に流産された時でした。

抗リン脂質抗体が陽性であった時の産科の所見としては、「反復流産」があります。「妊娠中・後期の子宮胎児死亡」、「重篤な妊娠中毒症」、「血栓症」、「子宮内胎児発育遅延」、「自己免疫疾患または膠原病」がある場合はその疑いがあります。

抗リン脂質抗体が陽性の人には、低用量のアスピリン療法をされますが、その療法の役割は依然として不明であるのが現実です。抗血小板作用は動脈血栓の予防にはなりますが、不育症に対して臨床的に有効かというデータはほとんどないということも言われています。

それに対してペパリン療法の不育症の治療の有効性は多く報告されており、スタンダードになりつつあります。

Nさんの場合は、高温期にのみアスピリン剤であるバファリンを服用されていました。それに加えて、漢方薬を服用され、4周期目にて自然妊娠されました。

今回は何とか流産せずに持たせたい!

即、産婦人科に入院され、止血剤、黄体ホルモン剤注射、カプロシン(ヘパリン)の皮下注射、バファリンの服用が胎児が確認されるまで続きました。

その後もカプロシンとバファリンの服用は続き、併せて漢方薬も服用されていました。

流産は「気虚」が主な原因であるために漢方薬は、主に補気剤を使用していました。

ところが、30週目に入ったとき、出血!

即、入院され、その後出血はおさまりましたが、結局32週目に帝王切開にて双子の赤ちゃんを出産されることになりました。もちろんまだまだ赤ちゃんは小さかったのですが、抗血小板作用のあるお薬を服用されているためか、どうしても赤ちゃんを持たせる力が不足してしまうのでしょうか。かなりの早産になりましたが、誕生からまだ1ヶ月経たない赤ちゃんは今元気に育っています。

やはり、抗血小板作用のお薬を飲まれている抗リン脂質抗体が陽性の人は、流産や早産の可能性が大きくなってしまいます。Nさんのように漢方薬を服用されるのが良いことかと思われます。

妊娠中の心がけ

ほとんど同時期に妊娠されたおふたり。

お一人は、食べ悪阻。もうお一人は、食べられない方の悪阻。

「食べ悪阻」はお腹が空くと貧血のような症状が出て、ふらつき、ムカムカするためにお腹が空くとすぐに何かをお腹に入れないとならない状態になります。初期の頃はそれほど体重は増えないので安心して食べてばかりでした。

安定期を過ぎてから、徐々に体重が増え始め、「赤ちゃんの分だから・・・」と安心して、初期の頃に癖がついた「食べること」を続けていたために、体重がどんどん増えていく一方。

妊娠後期にはだるさが増し、むくみも出てきて、やる気も出ず、ぐったり・・・。

出産は予定日より3日遅れ。「羊水」が少なかったために1ヶ月間赤ちゃんは病院に検査入院していました。母親は病院まで母乳を届ける毎日。そんなことだから産後の養生も出来ずに赤ちゃんが退院後、母親はホッとした途端に貧血で倒れてしまいました。

一方、「食べられない悪阻」の方は安定期まで動けず、ムカムカ続き。

しかし、安定期に入ったら元気になり、仕事にも復帰し、休日には時間のあるときは2~3時間くらい歩き、運動をして赤ちゃん分以上は体重が増えないように運動をしていました。

妊娠後期にも元気でむくみなど全く出ず、出産5日前まで働いておられました。

出産も予定日通り。母子共に元気で問題なく過ごされています。

このおふたりの例でも言えるように、出産までの養生が産前産後の母体に与える影響がかなり違ってきます。妊娠されても安心せずに、元気な赤ちゃんと元気な母体のためにも安定期後は無理なく動き、体重はあまり増やさないように気をつけてください。

31週目で

第2子になかなか恵まれず、「出来た」と思ったら昨年流産をされ、妊娠しやすい体作りをしたいと昨年10月に来店されたTさん。

12月に目出度く妊娠し、31週目を迎えられた本日。検診にて「逆子」だと言われました。

第1子も逆子で放っておいたら治ったので、今回もそのまま放っておいたら治るかと思っていたけどなかなか治らないので「逆子の治療」を希望で来店されました。

「逆子」はお腹の中の環境が悪く、赤ちゃんが居心地が悪いと感じるためになるものです。

原因は、「冷えること」が多くあります。

ここ最近は街では冷房がかかっていますし、夜も昼の熱気にて温まった部屋で寝るために知らないうちにお布団からお腹が出ていたりと体が冷えがちです。

おそらくTさんの場合も何らかのきっかけでお腹の環境を悪くしていたのでしょう。

「逆子」には、右の至陰(しいん)のお灸にて治療します。もぐさを米粒の半分の大きさに小さくひねって据えても良いし、棒灸にて暖めても良いです。ご自分でも簡単にできます。

その至陰をお灸で暖めることによって、お腹を暖め、お腹の環境を良くしていることにつながります。従って、棒灸にて出産まで至陰を暖めていると、安産にもつながります。

Tさんの場合は、それに加えて、脾経(ひけい)の経絡にも力がありませんでしたので、「冷え」に加え、「貧血」もあると判断し、自宅での至陰のお灸に併せて「婦宝当帰膠」を飲んでいただくことにしました。

逆子でお困りの方は、是非、お近くの鍼灸院にて至陰のお灸の指導を受けてください。逆子のまま産むことになったり、帝王切開になるよりも、ずっと胎児にも母体にも良いですから。

妊娠6ヶ月で顔面麻痺!

昨年7月から漢方薬を服用されて6ヶ月目に妊娠されたYさん。結婚5年目で34歳。

それまでは病院にて不妊治療をされていて卵の質が悪い、ということと右の卵管が閉塞しているということで、体外受精も2回されていました。「今月にまた体外受精を」という予定だった矢先の12月に自然妊娠発覚!漢方による体質改善ができた結果です。

やっと妊娠して安定期になった6ヶ月目。突然右側の顔が麻痺に!!!「妊娠」と「春という季節」のストレスが重なって、知らず知らずのうちに身体が疲れていたのでしょう。

通常であれば顔面麻痺原因のヘルペスウィルスには、抗菌剤やステロイド剤を使用するのですが、妊娠しているために服用できず、困って来店。

そこで当店の「シベリア霊芝」と「天津感冒片」を服用していただき、併せて週2回の鍼灸治療にて2週間で完治。 危機を逃れることができました。

シベリア霊芝  

    天津感冒片  

あと、出産まで4ヶ月足らず。これからもストレスには気をつけて!