冷房病に

月経前症候群(PMS)の症状で、月経前になると「むくみ」、「イライラ」、「鬱症状」、「下腹部痛」の出ていた25歳Mさん。

生理2週間前から生理まで「婦宝当帰膠」を飲んでもらいました。冬は冷え性ではないのですが、夏になると冷房により冷え性の仲間入りをするということ、緊張症、などのことから「気血の巡りが悪い」ことが伺えました。

そして試した1周期目より、それらの症状が軽減し、快適に月経前を過ごせるようになりました。そして、ここ最近は、「冷房病」に加えて「夏ばて」をするというので、その対策として体調に合わせて「コエンザイムQ10」の入った製剤である「玄武顆粒」、「人参乾姜粒」を症状が起こる時期に合わせて使ってもらいました。もっと体力が弱っている人なら「活命参」もオススメです。

Mさんの場合は、それらをうまく組み合わせることで、すっかり症状がなくなり、この夏、快適に過ごすことができそうです。

「冷房病」と一言に言っても、その症状は「冷え」だけでなく様々です。過度の冷房により、自律神経失調症が起こり、「頭痛」「肩こり」「めまい」「腹痛」「むくみ」「生理不順」などの症状を引き起こします。

冷房病による「めまい」などの症状は、耳鼻科の検査ではなにも問題は見つかりません。その場合に、西洋医学では「病名」がつきませんので、治療ができません。そこで強い味方が東洋医学です。

「冷房病」も甘く見てはいけません。それを機に夏だけでなく、その後も自律神経失調症と付き合っていくことになるかもしれません。そうならないように、気をつけてほしいものです。是非、東洋医学による治療を行われることをオススメします。

活性酸素は大敵!

「活性酸素」は様々な要因により発生しますが、それは「老化」「動脈硬化」「癌」などを引き起こす悪者です。またそれがたくさん存在すると、不妊の原因になる、とも言われています。

それもそのはず、「動脈硬化」を引き起こすイメージから、血液がドロドロになる、その結果、血液中のごみを掃除してくれ、菌と闘ってくれる「白血球」の動きが悪くなる、免疫力が低下する、体力がなくなる・・・となれば、そんな体では力強く元気な赤ちゃんを授かり、産むことはできないでしょう。

不妊脱出のためには、血液サラサラで、気も血もスムーズに流れる若々しい体になることが大切です。

そこで、活性酸素を発生させる原因となるものに気をつけましょう。

不規則な生活スタイル、晩遅い食事、運動不足はもちろんのこと、この時期、ますます強くなる紫外線も活性酸素を増やすものの1つです。

それらのことに気をつけると共に、お薬では、「紅サージ」「冠元顆粒」などがオススメです。

また、日常の食事では、活性酸素を取り除いてくれる「カロチン」を多く含む食べ物を摂取すると良いでしょう。例えば、動物性のものであれば、「レバー」、「ヤツメウナギ」など。植物性のものであれば、「ニンジン」、「モロヘイヤ」、「春菊」、「小松菜」、「かぼちゃ」など。

その中でも今の時期だと「モロヘイヤ」や「かぼちゃ」が旬です。どんどん食事に取り入れて、活性酸素の少ない元気な体を作ってください。

満月のお届けもの

今日は満月。満月の日には出産が多いといわれるように、女性の体のリズムは「月の満ち欠け」ととても密接に関係しているものです。

満月の今日の日に、漢方を服用し出産されたMさんより、出産後の「感動のお便り」が届きました。

32歳Mさんは、昨年の夏より周期療法による漢方治療を始められました。昨年の初めには妊娠されたけれども流産されたこともあり、やはりしっかりと体質改善をすべきだと思い、漢方の扉を叩かれたのです。

もともと生理は不順で、血栓ができやすい体質の「抗リン脂質抗体症候群」で、それに加え、「高プロラクチン血症」もあることもあり、病院ではお薬による治療を受けられていました。

しかしその病院から出されている高プロラクチン治療薬の「カバサール」や排卵誘発剤の「クロミッド」は服用すると辛くなり、その副作用に悩まされていました。そこに、それらに変わる漢方薬と出会えたことは、Mさんにとって「救いの手」以外の何ものでもなかったのです。

Mさんから届いた手紙には、1ヶ月になるIちゃんの可愛い寝顔の写真とともに「感動のひとこと」が添えられていました。

<Mさんの感動のひとこと>

先月無事に元気な女の子を出産しました。

高プロラクチン血症や抗リン脂質抗体症候群など不安な中での妊娠でしたが、こうやって無事に出産を終えて、漢方に出会えてよかったな、と改めて思いました。

今ははじめての育児で、とても大変でわからないことばかりですが、この大変さも幸せだな、と感じる毎日です。

これからもよろしくお願いします、そして、ありがとうございました。

立てば芍薬・・・

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しい姿を花に例えて言われたこの言葉。その言葉通り、芍薬が咲く姿は可憐で美しいものです。

少し前の時期から芍薬が咲いています。その花は姿だけでなく、姿が見えないところでもそれがあることを気づかせてくれるように、とても甘い良い香りがします。その香りからも花の美しさを感じ取れるものです。

しかし、芍薬はその花ばかりが魅力的なのでなく、その「根」も私達女性の強い味方となってくれる薬を生み出すものなのです。

「芍薬の根」は様々な薬に使われ、「滋養作用」を利用した薬としては、血虚症状の生理不順や虚弱体質などには「当帰」「茯苓」などと配合した「当帰芍薬散」、月経不順に用いられる「阿膠」「人参」などと配合した「温経湯」、血虚改善の基本薬の「物湯」に「当帰」の量を増やし、もっと調経作用と補血・補気作用を持たせた「婦宝当帰膠」、病後の体力改善には「十全大補湯」などがあります。

どれも周期療法でよく使用するお薬です。

見た目も美しい「芍薬」。それは自分自身の美しさを見せるだけでなく、その「根」は私達女性をも健康で美しくしてくれるのです。

人参のいろいろ

だんだんと「宮廷女官チャングム」が私達にとって面白い話題となってきました。

「医女」として生きることを決めたチャングム。これから様々な薬草、湯液や鍼灸について学んで行くようです。私達も一緒になって、学んできたことの再確認のためにもしっかりと内容を逃さないように観ています。

前回の話題で興味深かったのは「人参」について。

人参は部位や処置の仕方によって名前が変わります。

水洗いしたままの生の人参を「水参」、細根を切り落とし乾燥させたものを「生干人参」、85℃のお湯につけて乾燥したものを「御種人参」、湯通しの後に皮を剥いで乾燥したものを「白参」。

切り落とされた細根を乾燥させたものを「髭人参」、蒸籠で2~4時間蒸し乾燥させたものを「紅参」、蒸した後の湯を煮詰めたものを「参精」。

煎じ薬、エキス剤などそれぞれの用途によって、どの人参を使うのか、分けられています。

そして、チャングムの中で話題になっていた「紅参」。滋陰の効能に優れ、脱水症状や病後の衰弱に適しているようです。誤った使い方をすれば、良くなるものも悪くしてしまうことは言うまでもありません。ドラマの中ではこれからそのような話題が、どんどん出てきて、それによりチャングムは成長していくのでしょう。

もともと昔から不老長寿や万病薬として使われてきた「人参」。

その使い道は様々です。

主な働きは「補気作用」で、「補気」「健脾」「安神」の治療を求めるときにこれを使用します。

また「人参」に「黄耆」や「熟地黄」などと配合した「十全大補湯」、              「黄耆」「白朮」などと配合した「補中益気湯」、                         「当帰」「竜眼肉」「酸棗仁」などと配合した「帰脾湯」のように、あらゆるものに使用されています。

しかし、「万人に良いもの」というわけではなく、高血圧や実熱証などの人には適しません。もともと暑がりやのぼせる人が疲れたからといって「滋養強壮のドリンク剤を飲んでいる」というのも同じことで、適さない行為です。余計に暑がりやのぼせの症状が出ることになります。

本当に今飲みになっているお薬(健康食品、サプリメントなど)は、今のご自分に合っていますか?

「人参」でも何でも、そのときの自分に一番合ったものに出会うためには、やはり専門家にご相談ください。

アヒル

毎週土曜日に放映されている宮廷女官「チャングムの誓い」。チェゴサングン(ハンサングン)様とチャングムが重い罪を着せられた原因となった「鴨【ヤー】(アヒル)」。

その効能は、清涼作用があり、肝陽上亢を抑えるものです。具体的な治療としては、「鼻血」「頭痛」「浮腫」「慢性腎炎」などです。

番組では「毒を下すもの」とされていましたので、同じカモ科の鳥でも、どちらかと言えば「鵝【オー】(ガチョウ)」のことではないかと思います。

その効能は、「血」は解毒薬となり、咽喉のつかえを治し、「胆嚢」は解熱、咳止め、痔の治療に用い、「油」はあかぎれを治し、「涎」は骨が咽喉に刺さったのを治すようです。

番組では、誰が考えてもおかしいことが王様までもが信じてしまい、2人を含める関係者が次々と尋問され、終には命までも落としてしまう納得のいかないことになってしまっています。

「アヒル」も「ガチョウ」もフランスの食卓ではその「肝」は「フォアグラ」で有名ですが、あまり日本の食卓では馴染みのないものですので、もう少し馴染みのあるもので「鶏【ジチー】(ニワトリ)」について見てみましょう。

鶏の薬用部分は「卵」「卵の殻」「肝」「胃膜」「鶏冠(とさか)」「血」など様々です。

その効能は、五臓の補益、脾胃虚弱の治療に用い、「卵白」は熱っぽく腫れているものに外用し、「卵黄」は心悸亢進を治し、「卵黄油」は筋肉を育成する、「卵殻」は骨を丈夫にし、胃酸を抑制する、「孵化して胚になった卵」は補益し、めまいを治す、「肝」は視力快復、「胆嚢」は百日咳を治す、「胃膜」は消化を助け、「鶏冠」は月経異常を治す、「血」は出血、喘息を治す、ようです。

それらの効能の中で、「月経不順」について。

 ★毎日「鶏冠(とさか)」を2個煮て食べ、毎月3~5回服用する。

「機能性不正出血」について。

 ★健康な雄鶏の血を20ml取り、毎日2回熱くして服用する。

馴染みのある「鶏」ですが、「鶏冠」や「血」は一般の日本の食卓にはやはり馴染みのないものですね。

男性不妊症など

男性不妊症の改善薬として使用されるものはいくつかあります。

「なぜその症状があるのか」はその人の体質によるものですので、全ての人がそれらの薬を服用すれば良いというものではありません。手当たり次第にたくさんの健康食品や薬を服用されるよりも、ご自分に合ったものを選んで服用された方が効率が良いものです。

例えば少し太り気味である人であれば、「温胆湯」と「イーパオ」をおすすめします。

また、「疲れやすい」「やる気が出ない」などの症状を持っている人であれば、「海馬補腎丸」により底力をつけ、改善を計ります。

男性不妊症のご相談は、女性の不妊相談に比べて少ないのですが、実際はその症状で悩んでいる人は多くおられます。是非、そのままにせずにご相談ください。今お飲みの健康食品やお薬も、せっかく服用されるのであれば、ご自分の症状に合ったものを飲んで欲しいですから。

たんぽぽ

春の陽気が溢れる中、その陽気をいっぱい吸い込んでしまったかのような黄色の花で、勢い良く咲いている「たんぽぽ」。咲き終わったあとの綿帽子も私達を楽しませてくれます。

このキク科の「たんぽぽ」は、見るだけではなく、味でも私達を楽しませてくれます。

「花」は「酢の物」、「てんぷら」に、「葉っぱ」は「サラダ」に、「根っこ」は水にさらして「きんぴら」に、乾燥し炒ったものは「コーヒー」に。

薬理的には「抗菌作用」、臨床的には「健胃」「利胆」「利尿」作用、漢方的には「清熱」「解毒」の効果があり、「乳腺炎」の治療薬などにも使用されます。

「乳腺炎」の初期には、「たんぽぽ(蒲公英)」に「金銀花」「連翹」などを配合したり、患部には全草の汁を貼り付けたりして冷やします。

野に咲く「たんぽぽ」も花から根まで全て食用になり、「清熱」「解毒」「利尿」「健胃」作用により私達の健康を支えてくれます。ワンちゃんの散歩道になっていないところに咲く「たんぽぽ」で、是非、お試しください。

春の野草

春の野にはたくさんの自然の恵みがいっぱい溢れています。今まで眠っていたものが、芽を吹き出すその力には、いつも驚かされるばかりです。

この「芽吹き」の光景が見られるのは、厳しい冬があったからこそ。そう思えば、寒かった冬も恨めしく感じずに過ごせるでしょうか???

この時期の新芽はどれも柔らかく、食用や薬用になるものが多くあります。

その中でもとても馴染みのある「よもぎ」。新芽を摘んで、よもぎ餅、よもぎ団子、よもぎ焼餅、よもぎ風呂・・・いろいろと楽しめる身近な野草です。

よもぎの葉の成分には、ビタミンA、B、C、Dなどが含まれ、美容と健康には抜群なのです。

また、漢方では、「痛み止め」「止血」「温裏」の効能があるために、「腹部の冷痛」「下痢」「鼻血」「吐血」「下血」「不正出血」「帯下」「胎動不安」「腫れ物」などの改善のために用いられます。

婦人科では、煎じ液を「不正出血」「切迫流産」の止血薬としてよく使用されます。

特に「虚寒性」の出血には、「阿膠」「当帰」「地黄」などと配合した「芎帰膠艾湯」が、「生理痛」「下腹部痛」には「当帰」「香附子」と配合した「艾附暖宮丸」が使用されます。

民間療法として、よく今でも煎じ液をお腹が痛いときに服用したり、外で擦り傷などの怪我をしたときは、生の葉を揉んで汁を出したものを傷口に塗ったり(これは良く効きます!)、天日で乾かしたものをお風呂に入れて(これも気持ちいいです!)冷え性改善のために使用したりしますよね。

根っこをお酒に漬けたものは「喘息」に良いのだそうです。

身近な「よもぎ」で、お金のかからない「健康法」を是非お試しください。

おめでた?

37歳Yさん。1年前より、漢方薬の周期療法による不妊治療中。

細身で色白のYさんは、風邪をひきやすい体質で、疲れやすく「気虚」の症状が顔色、舌の状態、脈状、全てに出ているタイプです。

漢方を服用する前は、婦人科医院にて排卵促進剤やホルモン剤による治療をしていました。しかしなかなか良い結果を得られないばかりか、卵巣は腫れ、亢進状態になり、基礎体温表も自分のものではなく、完全に薬により作られたものになってしまいました。

しかもますます疲れやすくなり、通院後は帰宅すると横になることがしばしば。

「この体質を何とかしないと、ますます妊娠できない体になっていくような気がする」

と何となく危機を感じたYさんは、ネットにて当店を検索し、来店されることになりました。それがちょうど1年前のこと。

「気虚」体質の改善を重きにした周期療法の漢方治療が始まりました。お薬は「婦宝当帰膠」「帰脾錠」をベースとし、高温期には「衛益顆粒」などを入れたもので改善を進めていきました。

そして9月。妊娠5週目の報告。

「気虚」体質の人は、流産しやすい体質でもあります。まだまだ気が抜けません!そのまま順調に・・・順調に・・・!・・・と思う気持ちとは裏腹に、はかなくもその小さな命は育つことができませんでした。

今まで妊娠反応すら出なかったYさんの体に、その反応が出たことだけでもかなりの改善だったと気持ちを入れ替え、そしてまた、体質改善の漢方治療は続けられました。

そして12月。妊娠陽性反応の報告。

今度こそ順調に・・・!今度は胎嚢が確認され、その中で聞こえる予定の心音を待つばかり。

しかし、12月末になっても心音は確認されず。結局その胎嚢は、袋のままで中身のないものだということが確認されました。

しかし、今回は胎嚢まで確認されて、着実に前回よりもまた一歩、進んでいることがわかります。もう少し卵の質が良くなれば、しっかりと育ってくれるようになるはずです。

このペースで行けば、次の朗報は今度の4月頃に聞けるかも知れません。春の陽気と共に、嬉しい便りが早くに届きそうです。