腎陽虚と腎陰虚

大学1回生のSさん。高校在学中から生理不順。

家系的にも「血の症」に関係する体の不調が付きまとうのでしょうか、お母様もお姉様も生理不順だそうで、鍼灸治療に通われていたそうです。

Sさんの場合は、高校生の時の過度のストレスから精神的に崩れ始め、それが引き金となり、体のリズムが乱れて生理不順になりました。全く生理が来ない月が何ヶ月も続き、精神は興奮状態のため夜は眠れない日々が続いていました。

Sさんが鍼灸治療に来られたのは、2年前。

1年間で周期が35日くらいまで回復するようになりました。3ヶ月前より鍼灸治療に加え、漢方薬も服用され、現在相互作用での治療を続けておられます。

先周期より変化が見られ始めました。

今まで不安定だった高温期がしっかり出来るようになりだしました。今までも高温期が出来ると、必ず生理は来たのですがその高温期がなかなか出来ない時もあり、不安定でしたが、先周期よりしっかり出来始め、今周期も高温期が出来ました。

Sさんの場合は、高温期に必要な「腎の陽気」が足りなかったこと、また低温期の「腎の陰気」が少し弱かったこと、精神的なことですぐ心が乱れるタイプであること、が生理不順の原因でした。

従って、Sさんには

月経期には「冠元顆粒」、

卵胞期には腎の陰気を補う「瀉火補腎丸」、

高温期には腎の陽気を補う「至宝三鞭丸」、

月経の全周期通して「逍遥丸」と「桂枝茯苓丸

を処方しました。

高校卒業から何年かブランクの後、希望にあふれた大学生になったこともあり、精神的にも安定し、それに「漢方」の力が加わったので、どんどん20代らしくなってきました。肌には艶、眼には力がみなぎってきました。後、もう1周期、高温期が安定すれば、もう自分の力で大丈夫でしょう。