情報いっぱいの基礎体温表

基礎体温は、大体同じ時間(朝7時頃)で十分な睡眠(6時間以上)を取った後に、安静のままで測った体温を言います。女性は、生理周期によって体内でホルモンの変化が起こるため、基礎体温が変動していきます。

この基礎体温表にはその人がどんなタイプなのか(無排卵や無月経、冷え性や神経質なども)の情報が詰まっています。

従って、私達は、「不妊」や「生理不順」の相談を受けるときは、必ず「基礎体温表」を持ってきてもらっています。「更年期」などの症状の場合も、基礎体温がどのようになっているのか、見せていただくと症状が起きた原因が判断しやすいのです。

周期には個人差がありますが、理想的な基礎体温は以下のものです。

 ☆低温期と高温期の差が0.3~0.5℃あるニ相性になっていること

 ☆低温期から高温期への以降は、スムースで3日以内

 ☆高温期は12日以上持続すること(16日以上の持続は妊娠の可能性)

基礎体温表より排卵の有無がわかり、タイミング療法には重要な指針となりますし、黄体ホルモンの状態も知ることができます。

もし、黄体機能が不十分で黄体ホルモンが不足していると、高温期は上昇幅が低くなったり、高温期の日数が短かったり、体温の上下が激しくなります。こういうタイプは妊娠しにくく、妊娠しても流産する可能性が大きいのです。

「妊娠」に関係なく、女性は「基礎体温表」をチェックすることで、自分のバイオリズムやタイプを知ることが出来ます。是非、初潮を迎えてから閉経まで、「基礎体温表」で体のリズムをチェックしてください。体温は正直ですので、なかなか楽しいものです。

外子(そとこ)と内子(うちこ)

先週末、社員研修にて北海道は「知床の地」を訪れました。

「知床旅情」で歌われているように 、知床半島にはたくさんのハマナスが植えられています。今の季節は実をつける頃。薔薇に似た葉の低木には、ほんのり橙色をした実がたくさんなっていました。

果実にはビタミンCが多く、薬用酒として「疲労回復」に用いられています。花は「月経不順」に用いられています。乾燥させたハマナスの花をお茶に入れて飲まれると良いでしょう。ほんのり薔薇の香りがして、リラックス効果も望めます。

「北海道」と言えば、海の幸!

研修会終了後、北海道ならではのものを捜し求めて、夜の街を探索しました。

「川湯温泉」にて見つけた「味楽寿司」という名のお寿司屋さん。そこで「北海道ならではのもの」に出会いました!

それが「外子(そとこ)」と「内子(うちこ)」。

タラバガニのメスは卵を抱いていますが、 卵は2種類あり、お腹の外側に付いているのが【外子(そとこ)】、体内に入っているのが【内子(うちこ)】です。

つまり、成熟していない排卵前の卵が「内子」で、成熟した排卵後の卵が「外子」ということです。

人間もこんなにもたくさんの成熟卵ができたなら、「不妊」で悩むことはないのだろうな、などと思いながら、ジュルッとした「内子」とプチプチした「外子」に舌鼓を打っていました。

8週目の掻爬手術後

32歳、アメリカ在住Mさん。

今年3月の一時帰国中に不妊の相談で来店されました。アメリカでは多くの中医師が在住し、漢方薬を扱っていますので、今後の継続のためにも、Mさんが在住されている近くの中医師より購入してもらうように、こちらでいくつかの錠剤の漢方薬をお勧めしました。

勧めたものは「桂枝茯苓丸」「温経湯」「当帰芍薬散」「爽月宝」です。それらとイソフラボンを服用し続けられた4ヵ月後に妊娠!

しかし残念なことにその命は、大きく育つことはできませんでした。先月妊娠8週目にして心拍の確認ができなかったために、掻爬手術を受けられました。

おそらくまだ「卵」に元気がなかったのでしょう。

このような状態になった今は、「体力を早くに回復させること」、「子宮の内膜の修復を行うこと」が大切です。

まずは、「婦宝当帰膠」と「爽月宝」を1ヶ月服用してもらい、その後「婦宝当帰膠」「六味丸」「温経湯」「当帰芍薬散」を服用いただきます。

Mさんが在住されているところにないものはアメリカまでEMSにて発送し、あるものは地元で購入していただくようにしました。

よく海外在住の方よりお問い合わせをいただきますが、やはり言葉の通じにくい海外では、中医師といえども本当にわかってもらえているのか不安なことがあるために、「日本語で」「日本人の体をよく知っている日本人」に処方を考えてもらいたい、ということになるのでしょう。

荷物のチェックの厳しい国では薬の発送は難しいですが、アメリカなどでは可能です。世界各国にお住まいの方々、お気軽にお問い合わせください。

卵子の若返り法

日に日に進歩する生殖補助医療。

晩産化時代になりつつあるこの世の中で、35歳以上の高齢出産をサポートする医療として「卵子の若返り法」の研究が進んでいます。

卵子は、年齢と共に「若さ」がなくなり、「生殖力が弱まる」とされています。そこで、開発研究が進められているのが次の「若返り法」です。

「若い女性から卵子の提供を受け、核だけを入れ替えて若い細胞質を活用する」、というものです。この有効性が確認できれば、高齢になっても遺伝子のつながりのある子供を持つことができる可能性が大きくなります。

ただ日本では、第3者からの卵子提供は、日本産科婦人科学会で認められていませんので、これが他の国で行われていても我が国では実現できず、向井亜紀さんのように子供に日本国籍が認められないようになってしまうかもしれません。

しかしこれは、技術的には可能であっても、大きく「倫理」に関わる問題になってきます。

本当に「両親以外の遺伝情報が混ざることはないのか」、立証されていませんし、「出産後の子供への影響」なども何もわかっていないだけに不安な面も大いにある分野です。

ただ、様々な生殖補助医療が進歩する中で、「安全」でかつ「自然界に反することでない程度」のものが発展し、容易に利用できるようになり、この「晩産化時代」をサポートして行ってほしいものです。

妊娠中に大切なビタミン

健康な皮膚や髪を作ってくれ、美肌のためにビタミンCと共に欠かせないビタミンB6。

妊娠中は、通常の6倍もの量が必要だそうです。

ビタミンB6は、タンパク質や脂肪の代謝をスムーズにする働きをしています。不足すると、アミノ酸の代謝異常を引き起こし、これが「悪阻(つわり)」の原因の一つになるという説もあります。

妊娠中は、特にしっかり摂取して、不足しないように心がけてください。

妊娠中だけでなく、生理前症状をお持ちの方もしっかり摂取してください。月経前のだるさ、頭痛、肌荒れ、などの症状も軽減してくれます。

少子化社会

本日、衆議院選の公示がされました。日本の選挙が世界で注目されるのは、珍しいことですが、今回の選挙は世界で注目されているようです。

一番問われているのは「郵政民営化」ですが、その中でも「少子化社会」も争点にあげられています。

「なぜ少子化が進むのか」

その問題分析を徐々に行いつつあるらしいですが、その「分析」そして「対策」に大いに期待したいです。

いくつか挙げられている中でも、「子供ができない」のではなく「作らない」夫婦が多くなっていること、があります。この原因として、「子供を育てながら共働きがしにくい」「教育費の負担」「産婦人科の減少」などがあります。

また、「子供が出来ない人」への「不妊治療費」の補助がまだまだ十分ではない、ことも挙げられるでしょう。

これらの問題点をこの機会にしっかり把握し、もっと子供を持つことが負担にならない社会を作ってもらいたいですね。

選挙後の政治に、より「不妊治療が安価で受けられるように」、また「出産後の教育費なども負担にならないように」、「出産後も働きやすいように」・・・、などの期待をかけたいものです。

幸運をもたらす出来事

今の日本では「子供が出来なかったから養子をもらう」といったことは、あまりしませんが、他の国では「養子をもらう」ことはよくあることです。

「不妊治療で大変だ」という話をした人が、「なぜ養子をもらわないのか」と他国の人から言われた、という話を聞いたことがあります。

先日の新聞の記事に、こんなことが書かれていました。

あるモンゴル人の女性の話です。

彼女が23歳のときに妊娠中にも関わらず、ラクダに乗って寺参りをした帰り道、気分が悪くなり、双子を死産。それ以来、7年間妊娠しなかったので養子をもらいました。養子をもらってから5年目に娘が生まれ、続いて2人の息子に恵まれました。

わが家に迎え入れた子供が「幸運」を運んでくれたのです。「別の命」をこの世に運んでくれたのです。ですので、モンゴル人の彼女は養子の息子を一番大切にしているのだそうです。

養子でなくても、こういった「こうのとり」のような役目をしてくれる「キー」があるものです。その幸運の「キー」を是非見つけてください。

ノアルテンとルトラール

「ノアルテン」は、女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合薬です。いわゆる“ピル”と呼ばれる薬の仲間で、「中用量ピル」にあたります。

卵巣機能不全による不妊症の治療薬として、通常、月経周期5日目より約3週間連続服用し、次の周期に妊娠成立を期す目的で使用されます。

副作用で多いのは、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛み、予定外の出血などです。

「ルトラール」は、黄体ホルモンとして働く「黄体ホルモン薬」です。黄体ホルモンの不足による不妊症などに使用されます。

副作用は、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛み、頭痛などです。

5年前から4年間に渡り、無月経だった36歳のYさんは、上記のお薬を1年前から飲み始め、月経を起こす治療を病院で受けています。

結婚は2年前。

当初は、月経7日目でFSHが50、LHが25とかなり高めでしたので、その治療は有効ではあったのですが、今は正常値になっていて、しかもこの治療により卵巣が腫れてるにも関わらず、「月経が来ない」という恐怖から抜けきれずに、これら2つの薬を止めることができません。

今年の春より漢方薬も併せて治療に加えたい、とのことなのですが、今の治療のままでは副作用によりどんどん子宮内膜も薄くなっていて、もし受精したとしても受精卵が育つ柔らかなベッドがないために育たないでしょう。

Yさんには、しばらくホルモン剤を休み、質の良い卵とふかふかのベッドを作るために、漢方薬のみの治療にするように説得しているのですが、なかなか「月経が1月でも来ない」恐怖から逃れられずにおられます。

今、来ている「月経」は自分の力ではないこと、どんどん赤ちゃんが育たない子宮内膜になっていること、などなど。

これらのことの方が「月経が来ない」ことよりも重大であり、取り返しがつかないことにならないうちに自分の力を目覚めさせる「体質改善」をされた方が良い、ということをもっと認識してほしいです。

東洋医学から見た不妊症

東洋医学の古典では、妊娠経験のない人を「全不産」または「無子」といい、一度妊娠経験があるけれどもそれ以後妊娠しない人を「断緒」といいます。

その原因は、先天的な染色体異常などを除くと、「腎気不足」と「衝任脈の気血不足」がほとんどです。

もう少し詳しく原因を見てみると、以下の4タイプに分けられます。

☆腎虚による不妊:

先天的に虚弱で腎気が不足している。または不摂生により精血を消耗し、衝任脈が栄養されずに腎精を失ってしまった。

つまり、虚弱体質の人や、夜な夜な遊びまわっているなどの不摂生が長年続いた人は、腎精を失ったことで不妊になってしまったのです。

☆血虚による不妊:

体質が虚弱で陰血が不足していたり、脾胃が虚弱で気血を生化できない。または、過度の血や津液を消耗してしまった。

つまり、虚弱体質の人や、胃腸が丈夫でない人、過度のダイエットをしたことがある人は、血虚が体の中で起こっているために不妊になってしまったのです。

☆胞寒による不妊:

月経期間中は胞宮が開いていて、この時期に房事を行うと、気血を損傷して風寒を受けやすくなる。外寒、内寒により寒邪が胞宮を凝滞させてしまった。

つまり、月経中に子宮を痛めることをし過ぎた人、月経中にも関わらず過度の運動などをしてきた人、は気血を損傷してしまったために不妊症になってしまったのです。

☆痰お互結による不妊:

肥満体質の人、または油物や味の濃い食べ物を好む人は、痰湿が内生して気機の運行が悪くなりやすい。また、イライラしたり、憂鬱になったりすることが多くて肝気欝結となり、疏泄が失調すると気血不和になる。このような人は、痰湿と血おが交互に阻滞して、胞宮を閉塞してしまった。

つまり、太っている人、油物・味の濃い物を食べ続けた人、いつもイライラしている人、憂鬱になることが多い人は、痰湿と血おが体の中に生じ、それにより不妊症になってしまったのです。

ご自分のタイプはどれでしょうか?

東洋医学は、個人個人の原因を究明し、それに対して治療を行っていきます。個人の原因を取り除くように持って行くことで、体本来の機能を目覚めさせ、今まで乱れていたホルモンを自力で整えようとしていくのです。

妊娠しやすい体温表分析

今日は月1回行っている「不妊相談会」の日。

昼の1時から5時までの時間帯で25人が訪れます。当然のことながら予約時間はかなりずれ込み、いつも1時前から相談会を始めますが、終わる時間は6時過ぎ。それでも妊娠されて喜ばれる顔が見たい一心で、じっくりと相談を受けています。

何人か妊娠されていますので、今までの妊娠された人のデータも含め、今一度、基礎体温表を分析してみました。

全体として言える事は、

  ☆ 低温期が安定している

ということです。

「低温期が安定している」ということは、卵胞がしっかり育っている、つまり卵の育ちが良い、ということです。

卵の育ちが良ければ、排卵後、高温期もしっかりとした高温期になりますし、「流産すること」も「胎膿の中の育ちが悪いこと」もまずはありません。もちろん、排卵障害であればこれには当てはまりません。

高温期が安定することも、まず根底にあるのは「安定した低温期」なのです。

低温期が「波状型」であったり、「高めの体温」であったり、「短め」であったりする場合は、まずは、低温期安定の治療を目指してください。