妊婦さんの花粉症

3月8日、花粉の飛散量がピークに達しあちらこちらにマスク姿がみられました。

春の風物詩のような花粉症。花粉症に悩まされているのは5人に1人とか。大変な国民病になっています。

本日は妊娠5ヶ月になったTさん。

「お腹のあかちゃんは順調ですが花粉症が辛くて…」と来店されました。

市販のお薬を使うのも怖いし、副作用で眠くなるし、口渇も出てくるし…とお困りです。

妊娠中でもあり、体温が高め、「温まると鼻がつまり、苦しい」と訴えます。お腹の中には待望のあかちゃんがいて、副作用のあるお薬は飲みたくないし、かといって眠れないくらい苦しい何とかしてください。とマスクをされてのご来店です。

このような時は、身体に優しい漢方薬が出番です。

Tさんは鼻水、クシャミより鼻つまりをしかも体が温まると症状が出ると訴えていましたので、免疫を調整する漢方薬と余計な熱や炎症を取るような漢方薬をお勧めしました。

きっと今夜はゆっくり眠れることでしょう!

どうして? 悲しい出来事!

先日お店に3歳の男の子を連れて訪ねてこられた若いお母さん。

『先生、こんなに大きくなりました!』 と声をかけていただき、ふっと見るとOさんではありませんか!「あらぁ、Oさん。Aちゃんね!大きくなったね!」 Oさんは赤ちゃんがほしくて漢方薬の周期療法をはじめ、5ヶ月で待望の小さな命を宿したのでした。妊娠初期はつわりで苦しみました。漢方薬も飲みたくても受け付けず随分辛い思いをしました。そして3000gを越える大きく元気な赤ちゃんを無事出産したのでした。

Oさんからは感謝のお手紙が届き、私もとても感動しました。大きくなったAちゃんを連れて「ひよこママの会」にもかわいい顔を出してくれました。いつも漢方薬を飲んでて生まれた赤ちゃん、そしてママたちがどうしているかな? 子育て慣れたかな? 大丈夫かな? と気になるものです。OさんもAちゃんもきっと幸せに暮らしていると思い込んでいました。

3歳になったAちゃん。どこかはにかんで照れています。そんなAちゃんを抱いてOさんは耳を疑うような発言をしたのです。 「いろいろ頑張ったんだけど、お父さんも死んだし…」「お父さんって誰の?まさかAちゃんの?」 本当に驚きました。声も出ません!「先生のおかげでこの子ができ、この子がいたから、悲しみを乗り越えられたのです。ありがとうございます!」 そのような言葉はもう真っ白になった頭の中でむなしく聞こえてくるばかりでした。Aちゃんのお父さんが…何と言うことでしょう。幸せ家族が増えてとてもうれしかったのに、今、悲しみの2人に出会うなんて。Oさんは溢れる涙がもう尽きたのでしょう。淡々と語ってくれました。 「また来てね~!待ってますよ!」 立ち去る母子にかける言葉がやっとでした。これからと言うのに・・・。

悲しみが癒えない7月です。

出自を告知するということ

不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座で 「出自を告知するということ」 というテーマで、家庭養護促進会の岩崎美枝子さんのお話を聞きました。

神戸市と大阪市の児童相談所とタイアップして、実親に育てられない子供に代わり家庭(里親や養親)を探し「あなたの愛の手を」運動を45年間も実践してきた方のお話でした。とても感動的で胸を打ち心重く響きました。子育てを経験してきたわれわれにはその子らの姿、親の姿が自分達とダブらせてみられ、びんびん響いてきます。

「実は、私達はお前の本当の親ではないんだよ」と打ち明けることが多いが、「本当の親」の意味はなんでしょう?「子供にとっての親とは」何でしょう?

近年、第三者からの精子・卵子・胚の提供による生殖医療で生まれる子供が増えています。AID(非配偶者間人工授精)では1万人以上の子供が生まれています。その子供達の多くは自分の出生の事実を知らされないまま、秘密にされたままでいます。子供達は自分の出生の真実を知りたいのです。私が同じ立場なら親探しをするでしょう! 辛いけど当事者には「告知する」ことが必要でしょうね。

AIDの母親は何気ない言葉に神経をとがらせてしまうというのです。「誰に似ているのかな?お父さんに似てないね!」我々もよく口にする言葉です。でもとっても傷つける言葉であることも知りました。

AIDの子に告知する例をイギリスの本から紹介してくれました。

「パパとママはずっと親になりたいと思っていた。 でも、そのためには何かの助けが無ければダメだと言うことがわかったの。 精子と卵子が一緒になって赤ちゃんが出来ることはお前も知っているね。 さて、悲しいことに、お父さんの精子が足りなかったんだ。 それでクリニックや病院の助けで、ある男性「ドナー」の精子を分けてもらったんだよ。 お前がママのおなかにいるってわかったときは、パパとママはなんてラッキーなんだろうって信じられなかったし、お前が生まれたときには、月まで飛び上がるぐらいうれしかったよ。 それからずっとお前を愛してきたし、これからもずっと愛してるよ…」

AIDをされているAさん、Hさん、Oさん、親になるのはとっても大変だけど、あなた達の「愛」で秘密のない家庭を目指してくださいね!